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#contents
*読む [#j95318b9]
>公園のベンチに真っ赤な携帯電話がぽつり。忘れ物かと手に取ると着信音。慌てて出てみると女の子の声。
>「おじさん、そのケータイでとってみて」
>そしてプツリと通話は切れた。とる?撮る?私は携帯をフォト機能にしてかざしてみた。私の前を夫婦らしい二人が横切った。
>「でな、今度の土日は泊まりで接待ゴルフなんだ。すまんな」
>カシャ。携帯がひとりでにシャッターを切った。すると
>「でな、今度の土日は部下のミユキと一泊旅行だ。うひひ」
>男はそう言い換えていた。女はみるみる声を荒げ二人はケンカになってしまった。なんだ?これは?私は公園の人々に携帯を向けた。若いカップルは
>「遅れてごめん。渋滞に巻き込まれて」
>カシャ。
>「あーあ。約束なんてすっかり忘れてたし」
>人待ち顔だった女性は男をひっぱたいた。立ち話の主婦は
>「可燃ゴミの日に袋に入れてテレビを捨てた人がいるのよ」
>「困った人がいるわね」
>カシャ。
>「自分が捨てたなんて言えないわ」
>二人の主婦は顔をひきつらせた。なんだ?この携帯は?
>帰宅し、妻や娘にも真っ赤な携帯を向けようとして・・・やめた。怖い。そのとたん着信音。
>「なんだ、もうおしまい?じゃバイバイ」
>そう言うと、真っ赤な携帯電話はドロンと消えた。
*ジャンル [#c3a631c3]
[[日常]]、[[ホラー]]、[[公園]]、[[写真]]、[[赤]]、[[オノマトペ]]、[[娘]]、[[妻]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#a0b67493]
[[超短編/ア行]]
*この話が含まれたまとめ [#gfdff43e]
すぐ読める
*評価/感想 [#r3f61d57]
*初出/概要 [#s6343dd4]
超短篇・500文字の心臓 / 第96回競作「[[嘘泥棒>超短編/ア行#n7e6d113]]」 / 参加作
*執筆年 [#d368b36f]
[[2010年]]
*その他 [#pae05ee5]
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