まつじ/象を捨てる42 の変更点

Top > まつじ > 象を捨てる42

#topicpath
#contents
*読む [#ldcd8fe5]

> 彼女は、僕の部屋から出て、それきり戻ってこなかった。
> 僕は泣かなかった。
> 代わりに象が残った。
> 象はすでに大きくて、いつの間にか部屋に住みついていた。彼女がいなくなって部屋は広く自由になったはずなのに、象がいるせいか、快適でない。狭いので、僕は象のお腹の下で眠るしかなかったが、彼女のことばかり考えてしまう。もう、いなくなったのに。
> やっぱり、象のせいで気分が滅入ってしまうのに違いない。放っておいてもいなくなる気配はなく、何日かして、僕はようやく象を捨てることにしたが、大きすぎて扉から外に出せなくて、仕方がないので部屋ごと捨ててきてしまった。
> 象には、彼女の名前がついていた。
> 少し涙が出た。
> 部屋にはそれきり戻らない。
> 僕の後ろで、象の欠片がひょこひょこと付いてくるのを、今は見ないふりをした。

*ジャンル [#fb346b3c]
[[恋愛]]、[[リアル]]、[[体]]、[[泣く]]、[[象]]、[[涙]]、[[彼女]]、[[僕]]
*カテゴリ [#nc4cde1d]
[[超短編/サ行]]
*この話が含まれたまとめ [#o41af4b4]
すぐ読める
*評価/感想 [#fc9b883f]

*初出/概要 [#y0d2e06d]
超短篇・500文字の心臓 / 第42回競作「[[象を捨てる>超短編/サ行#p79919dc]]」 / 参加作
*執筆年 [#s306550d]
[[2004年]]
*その他 [#j28c35bf]
#counter