まつじ/生38 の変更点

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*読む [#z16ad135]

> 特にすることがなくて、怠い夏だった。
> 垂れ流していたテレビでは、ラーメン特集がやっていた。
> 好きだね、ラーメン。
> なんて誰にともなく思ってみたりする。
> ラーメンか。
> 腹が減ったな。
>&br;
> 中身のない冷蔵庫を開いて、生ラーメン、とプリントされた袋を手に取った。
> 唐突に、生がそんなにえらいのか、と思った。
> 生ラーメンとか生ソバだとか、どうしてかメン類しか出てこないけれど、うちで炊いた米だって生米(なままい)だし、野菜いためだって生野菜いため、変だけど確かに生野菜いためなのだよな、それがフツウなのだよなと、立ったままひとりで考えをめぐらせていた。
> あけっぱなしの冷蔵庫から、つめたいくうきがながれてきた。
>&br; 
> つくえの上に置いたラーメンの袋を、しばらく見ていた。
> これはほんとうに生といえるんだろうかとか考えていた。
> ボーっとしていただけかもしれなかった。
> そうやって見ていたら、袋のうえの生という字が、なぜか墓みたいに見えた。
> 外で、大勢のセミがやかましく鳴くのが聞こえた。


*ジャンル [#n9ec98b2]
[[夏]]、[[リアル]]、[[ご飯]]、[[ラーメン]]、[[蝉]]、[[生命]]
*カテゴリ [#r177da23]
[[超短編/ナ行]]
*この話が含まれたまとめ [#yf02ce50]
すぐ読める
*評価/感想 [#w9829a99]

*初出/概要 [#j9585a42]
超短篇・500文字の心臓 / 第51回競作「[[生>超短編/ナ行#jc8c19c0]]」 / 参加作
*執筆年 [#a08acb1d]
[[2005年]]
*その他 [#v5e3d9da]
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