#topicpath
#contents
*読む [#jdbfec2a]
> そんな事があったんだってさ。と隣りのテーブルで誰かが誰かに話していたのだと、あの人が呟くように話したことがあったっけ。グラスの水はぬるい。知らない人たちが、知ったこっちゃない事を喋っている。囁いている。わめいている。知らない誰かや誰かにまぎれて、私は思い出している。指先でふれるグラスは、やはりぬるい。そんな事があったんだけど。テーブルを挟んで話しても、あなたは気のない相槌を打つばかり。いつかのテーブルの私みたい。あなたもいつか、ぬるいグラスを見つめるだろうか。そんな事があったんだってさ、と誰かがいう。いつか。
*ジャンル [#d31809e6]
[[一行作品]]、[[グラス]]、[[テーブル]]、[[会話]]、[[ぬるい]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#a36cb73e]
[[超短編/ハ行]]
*この話が含まれたまとめ [#y2e1b163]
すぐ読める
*評価／感想 [#z87e1a2c]
*初出／概要 [#i413a138]
超短篇・500文字の心臓 / 第186回競作「[[ブルース>超短編/ハ行#t129c3cc]]」 / 参加作
*執筆年 [#yb59f4e6]
[[2022年]]
*その他 [#re8324dc]
#counter
