まつじ/ブルース5

Last-modified: Thu, 24 Mar 2022 23:55:53 JST (757d)
Top > まつじ > ブルース5

読む Edit

 そんな事があったんだってさ。と隣りのテーブルで誰かが誰かに話していたのだと、あの人が呟くように話したことがあったっけ。グラスの水はぬるい。知らない人たちが、知ったこっちゃない事を喋っている。囁いている。わめいている。知らない誰かや誰かにまぎれて、私は思い出している。指先でふれるグラスは、やはりぬるい。そんな事があったんだけど。テーブルを挟んで話しても、あなたは気のない相槌を打つばかり。いつかのテーブルの私みたい。あなたもいつか、ぬるいグラスを見つめるだろうか。そんな事があったんだってさ、と誰かがいう。いつか。

ジャンル Edit

一行作品グラステーブル?会話?ぬるい?わたし

カテゴリ Edit

超短編/ハ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第186回競作「ブルース」 / 参加作

執筆年 Edit

2022年?

その他 Edit

Counter: 318, today: 2, yesterday: 1