#topicpath
#contents
*読む [#z89a1bf4]
>私は小さな惑星に小さな家を建て、ひとりで暮らしている。
>昨晩の残りの、トマトのスープを飲む。
>小さなトマトは、鉢植から摘んだのだが、案外よく育ったので感心する。
>母から送られてきたものだ。
>&br;
>娘にトマトの苗を送った。
>ご近所の方にいただいたのだけど、植物を育てるのは苦手だ。
>ついでにいうと、トマトも嫌い。
>&br;
>私のあげた苗は、どうなったろうか。
>うちの子が持ってきたけど、育てる場所がなかったものだから。
>ついでにいうと、トマトは嫌い。
>&br;
>僕はトマトが好きだけど、母がそうでないのは知っている。
>青いトマトの実った苗は、恒星が点在しているみたいで可愛い。
>残念ながら、あちこちの星に行かないとならないから、僕には育てられない。
>いつか赤くなった実がひとつはじけたら、ほかの星はどうなるだろう。
>小さな惑星は、宇宙のどこかに飛んでいってしまうかしら。
>トマトのスープといっしょに。
>&br;
>星がひとつ消えたと少年がいうと、あれは随分昔の光なのよと少女がいい、彼らの未来はまだ、はるか彼方。
*ジャンル [#wc7b4b43]
[[トマト]]、[[スープ]]、[[SF]]、[[リアル]]、[[苗]]、[[少年]]、[[少女]]、[[彼]]、[[母]]、[[娘]]、[[僕]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#ta51917a]
[[超短編/ハ行]]
*この話が含まれたまとめ [#d0595247]
すぐ読める
*評価／感想 [#n05f4d0e]
*初出／概要 [#s0ec1b36]
超短篇・500文字の心臓 / 第174回競作「[[バタフライ効果>超短編/ハ行#va4e9766]]」 / 参加作
*執筆年 [#l382b417]
[[2020年]]
*その他 [#dd3393aa]
#counter
