まつじ/バタフライ効果

Last-modified: Tue, 27 Jun 2023 23:43:16 JST (304d)
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私は小さな惑星に小さな家を建て、ひとりで暮らしている。

昨晩の残りの、トマトのスープを飲む。

小さなトマトは、鉢植から摘んだのだが、案外よく育ったので感心する。

母から送られてきたものだ。


娘にトマトの苗を送った。

ご近所の方にいただいたのだけど、植物を育てるのは苦手だ。

ついでにいうと、トマトも嫌い。


私のあげた苗は、どうなったろうか。

うちの子が持ってきたけど、育てる場所がなかったものだから。

ついでにいうと、トマトは嫌い。


僕はトマト好きだけど、母がそうでないのは知っている。

青いトマトの実った苗は、恒星が点在しているみたいで可愛い

残念ながら、あちこちの星に行かないとならないから、僕には育てられない。

いつか赤くなった実がひとつはじけたら、ほかの星はどうなるだろう。

小さな惑星は、宇宙のどこかに飛んでいってしまうかしら。

トマトのスープといっしょに。


星がひとつ消えたと少年がいうと、あれは随分昔の光なのよと少女がいい、彼らの未来はまだ、はるか彼方。

ジャンル Edit

トマトスープ?SFリアル?少年少女わたし

カテゴリ Edit

超短編/ハ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第174回競作「バタフライ効果」 / 参加作

執筆年 Edit

2020年?

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