空虹桜/たおやかな捻れ のバックアップ(No.3)
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- 1 (2020-04-08 (水) 23:55:56)
- 2 (2020-04-12 (日) 22:58:48)
- 3 (2020-04-13 (月) 22:27:40)
- 4 (2020-05-03 (日) 23:35:10)
- 5 (2020-06-25 (木) 00:26:56)
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家になんていれないし、そもそもわたしの「ホーム」はここだから、わたしは宮益坂のマンボーを這い出て、渋谷駅へと下る。
この世に溢れる正論がどれだけ正論でも、わたしの生きるここでは誤っている。血のつながった人間たち(まだ生きていれば)とは一緒にいられないし、であれば、わたしはわたしを受け入れてくれたセンター街や道玄坂に義を返すのが筋だ。人がまばらなオープンエアー。だから、わたしは今できることをする。
普段なら気にも止めないゴミを拾い、鳩に餌をやり、マックを食べて、BluetoothでiPhoneとつないだスピーカーから流れるフューチャーポップで、おんなじような男女と踊る。繰り返し。日々を。日銭は道玄坂で手に入れる。
拡散も感染も関係ない。わたしには。自己責任や若さの代償ではない。今死ぬか、後で死ぬかの差。何時死んでもいいように生きてきたら、何処で終わってもかまわない。喜び人がいても、悲しむ人はいない。肉体をむざむざと朽ちらせたら、渋谷には怒られるかもしれないけど。
「自分たちがテロリストだと思ったことはないですか?」
マスクの下は美人だったはずのアナウンサーがアホみたいな質問を口にして、間抜け面なわたしにマイクを向ける。今さらわたしに新しい名前を付けないでくれ。ちゃんとわたしを生きて、ちゃんとわたしで死にたい。
常に第三者なマンボーに帰って眠る。
※初稿につき、最終稿は別途公開予定。
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書き下ろし
執筆年 
2020年?