胡乱舎猫支店/Jungle Jam
Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:33:20 JST (1569d)
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「も…申し訳ありませんっ遅くなりましたっっ」
「おはよう。今日はよろしく」
「おっおはようございます。な…なんか緊張して眠れなくて…起きれなくて…緊急性が高いと聞いたのに遅れて…」
「大丈夫、そこまで急いじゃいないさ」
「ほっ本当に申し訳ありません」
「よし、じゃあ始めよう。そっち側持って」
「こ…ここですか?」
「もっと端。手が丁度かかる所あるだろ?」
「えっ…こ…こ?あれ?」
「いやそこじゃ無理」
「え…と…?」
「落ち着いて、ほらそこ」
「あっ…ここだ!」
「よし、いいかい?じゃあ引きあげるよ、せーの」
ぺりぺりとシールか何かの様に大地が薄く剥されて行く。アマゾン川をほぼ真ん中にして密林が持ち上がる。そこに生息していた生物も、ついでにエコツアーご一行様なんかも皆一緒に。
「おっと、そこたれてるよ。勿体無い」
「わわっすみません」
歪な端をまとめて縛った後に月の横に開いたホールに「それ」を滑り込ませた。
「よし、じゃあ次ね」
「すみません、手際、悪くて」
「いいのいいの、こういうのは経験。すぐに慣れるさ」
「そういうものですか…。それにしてもいい材料が豊富ですね。ここ」
「本当、間にあってよかったよ。汚染し尽くされる前で」
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第141回競作「Jungle Jam」 / 参加作
執筆年
2015年?
その他
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