胡乱舎猫支店/眠りすぎないように
Last-modified: Sun, 03 Apr 2022 23:25:03 JST (536d)
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「目覚ましはやめた方がいい」
「何で?」
「止めて二度寝して寝過ごす」
「それは君では?」
「んんーでも必要ないよね?」
「…そうね」
目覚まし時計は小鳥に姿を変えて飛び去った。
「え?何今の?…ギミック?」
「昨今の流行り。変化形はランダムで今回は小鳥」
「そういうの疎くて…そう、小鳥なの」
「別のモノだった?」
「近い…かな」
そのあたり同じで無いのは仕方がない。
「…起きれないとどうなるのかな?」
「ありえない…と思う」
「だよね」
会話が途切れると緩やかな旋律が室内を満たした。暫くそれに浸っているのもいいなと思っていたら転調。
「時間…ね」
「いい頃合かも」
各々の個室に続くドアを開けて一歩踏み出す。
「おやすみ」
「Gute Nacht!」
共有エリアを出ると言葉は分かたれ奥に進むとドアは消滅した。ここはただただ白い。イメージの問題なのでちょっと変えてみたかったけど時間切れ。「ready 」を示す色の点滅が急かしている。
「あーわかった、わかった」声を出してみた。勿論、誰も応えない。「応えたら怖いな」聞いていた通り独り言が増える。ちょっとハイ?「しゃーないか」まあね。「…では行き…」いや「Good night」
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評価/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第184回競作「眠りすぎないように」 / 参加作
執筆年 
2021年?
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