胡乱舎猫支店/うめえよ

Last-modified: Wed, 05 Jun 2019 23:49:48 JST (48d)
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しょうがないんだ。

あいつのことは皆好きだ。話せないが言った通りよく働くし使えるし何よりいい奴だ。子供らもすごく懐いてる。

でももう隠しておけない。何年か振りの視察。不審に思ったんだろうな、きっと。ウチらのは出来が良すぎるって。

バレたらただじゃ済まない。子供らは特に。逃がそうって話も出たけど…でも。

それに捕まったら酷い目に合うんだ。だったらウチらの手で。それがせめてもの…な。

蔵に残ってたのを使う。そう、ウチらには利かない。昔見たんだ、これを口にしたあいつの仲間…。子供らには見せ>たくない…一瞬だけどな。


夜、大人だけで宴をした。今迄よくやってくれた労いを込めて。これからもって言いたかった、ほんとは。

「だめーーッ食べちゃッ」

突然なだれ込む子供ら。好物を頬張るあいつに叫びながら飛びつく飛びつく飛びつく。

「うめえよ」

え?喋れたんだ、お前。

子供らが鈴生りになってるのがなんか可笑しくて、皆笑った。

「ほんとーー?」

「うんうん」

うなづきながら子供らをそっと下ろしていく。女達が子供らを寝かしつけに出て行った。

なんだ、もう無効になってたのか?ああしょうがないな。

取り敢えず「お代わりどうだ?」


もう答えなかった。

ジャンル Edit

怪談食べる大人子ども

カテゴリ Edit

超短編/ア行

この話が含まれたまとめ Edit

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第142回競作「うめえよ」 / 参加作

執筆年 Edit

2015年?

その他 Edit

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