空虹桜/美しく歪んだルール
Last-modified: Thu, 08 Oct 2020 23:07:10 JST (1567d)
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久々に家を出て、電車に乗る。
乗客はどいつもこいつマスクをしていて、しみったれている。そんな布っきれ、疫学的性能は不明。
三人掛けの優先席は真ん中を空けて座っているから、ありがたく真ん中に座らせてもらう。隣のリーマンが舌打ちする。チラッと見てからわざと咳き込んだら、見事に驚いて
「ジジイ独りで死ねよ」
と、捨て台詞残して隣の車両へ逃げる。
リーマンだけじゃなく、もう一方の隣のオバサンも他の乗客もこちらをじと目で睨む。なんだ?俺はバイキンマンか?悪魔か?疫病神か?
一瞬問い詰めてやろうかと思ったが、あまりに無為だから辞める。有り余る邪気に満ちた車両は、そんなんだからテメェらは疫病に取り殺されるんだと思わせる。ホントに具合が悪くなる。腐った魚の臭いが開いた窓から吹き込む。
何時からこの国はそんな臭いで溢れちまったんだ?
そんな糞みたいな捨て台詞が思い浮かぶ。カーブで車両が悲鳴を上げる。悪いのは、病か?老人か?国家か?常識か?細菌とウィルスの違いもわかんねぇクセに、いい気なもんだ!
軽くテンションあがって、咳き込むのはご愛敬。
※初稿につき、最終稿はこちら。
ジャンル
リアル、呪い?、マスク?、鉄道、におい、咳?、風刺、老人、俺、COVID-19
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執筆年
2020年?
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