海音寺ジョー/眠りすぎないように2

Last-modified: Tue, 23 Nov 2021 23:37:25 JST (878d)
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 夢の中でしか会わない友人がいる。先月ぐらいから、とかじゃなくて、物心ついたころから、ずっといる。背格好も、ぼくと同じように少しずつ大きくなって年を取っていって、普通友人とちっとも変わらない。学校友達や先生に話したら、それはぼく自身の投影だという。いや、そんなことない。彼は、ぼくの知らないことを知ってるし、彼の紹介してくれた本を検索したら、ちゃんと出てくるし、辻褄が合わない。

 ユングの夢の本も読んでみたが、どのケースもしっくりこない。ひょっとしたら、ぼくはこれが夢だと思ってるけど、他の人の見てる夢とは全く違うしろものなのではないか。

 夢の中の友人に、家に誘われた。どぎまぎした。今まで、それは一度もなかったことだ。でも断る理由が思い付かない。行っていいんだろうか。もう、帰ってこれないんじゃないか。ぴぴぴぴとスマホのアラームが鳴って、引き戻そうとしてくれている。でもどこへ戻そうって?ぼくの腕をつかんだ友人が、ほら、早くいこうぜと快活に声をあげて、足が勝手に歩き出す。ここは、どこだ。

ジャンル Edit

リアル?オノマトペホラー

カテゴリ Edit

超短編/ナ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第184回競作「眠りすぎないように」 / 参加作

執筆年 Edit

2021年?

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