まつじ/法螺と君との間には

Last-modified: Thu, 13 Jan 2022 23:19:59 JST (827d)
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 人類は滅亡する。

 なんて言った予言者の君が、自分の言葉を覆すために幾千の壁を乗り越えてきたか、私だけは知っている。


 なんて言うような君の言葉にも慣れた僕は、その想像力に無限の可能性が秘められている的なことを思いつきで口にしてみたりする。


 のようなことを言う彼が、オオカミが来たぞ、とご近所を叫んでまわるそのうちみんな飽きてくる。


 オオカミを登場させたのは自分ですと言う彼女が話すにはだってあなた好きだから。


 僕あれで食べられそうになったんだけど。


 ううん、一度ぺろりと丸呑みされて。


 ああ、猟師さんが助けに来てくれたっけ。


 赤いずきんの私もいました。


 そういえば赤ずきんって、本当は緑だったんだよ。


 あなたの鼻がみゅるっと伸びて、私が笑う


 君、作家になればいいのに。


 じゃああなたは教師。


 やあやあ、世の中は愛と希望で満ち溢れているのだよ。


 先生、私の人生は悔いばかりです。


 フム、人生は後悔と先人は言ったな。


 私、手相が見られるわ。


 わしなど実は君のお父さんでもあるのだよみゅるっ。


 意外とそんな気もするけど手相によると明日は一日中晴れるでしょう。


 という君に、もう殺人的にかわいいなあと僕が言う滅亡予定前夜。

ジャンル Edit

SF改行あなたわたし

カテゴリ Edit

超短編/ハ行

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初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第104回競作「法螺と君との間には」 / 参加作

執筆年 Edit

2011年?

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