まつじ/グッドニュース、バッドニュース

Last-modified: Mon, 19 Jul 2021 23:39:09 JST (1012d)
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 ピンポン誰かがチャイムを鳴らすので玄関に出ると人の姿が見えない代わりに赤い紙白い紙。

 素性は知らんがコイツァめでてえ紅白だと開けば何も書かれていないナアーンダ、と思うや白い方がニュースニュースと文字を点滅させるので驚いた。

「先月応募した懸賞が当たりました」

 と浮かんだ文はたちまち

「宅配便で運ばれて来ました」

 宅配便現れ

「届いた」

 感心する間もなく赤い紙がニュースニュースと騒ぐ。

「ズボンの裾がほつれました」

 ああ本当だ、と足をあげると「猫がほつれに飛びつきました」を読んだか読まないか「噛まれた引っ掻かれた」痛い目に遭いめでたいどころか気味が悪いのでゴミに捨てるがいつの間にか手のひらの中

「帰ってきました」

 ごめんこうむりたい。

 それから二つの紙は順序よくニュースニュースニュースニュース。「糠漬けがいい具合」「白髪が増えた」「茶柱立った」「家屋倒壊」「お宝発見」「戦争勃発」「電撃結婚」素早く報せるのだがほとんど事が済んだ後に言われても「赤い紙消滅」「嘘でした」いろいろ腹が立つ、しまいに彼らもネタ尽きたか「死亡」「復活」「落命」に「奇跡の生還」「通り魔殺人」

 死んだり生き返ったりさせられて困る。

ジャンル Edit

コメディ怪談ニュース生命

カテゴリ Edit

超短編/カ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第60回競作「グッドニュース、バッドニュース」 / 正選王

執筆年 Edit

2006年?

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