固茹ででなく、半熟でもない、その中間ぐらいの卵を「九熟卵」と名付けよう。九割ぐらいは固まった、一割ぐらいのコアだけ熟した卵、の略だ。
『それって無理くないですか?九割がた熟じゅくの卵だって、とる人いるんじゃない?』
ぼくの中のへそ曲がりが意見してくる。とはいえ、ぼくがそう名付け、殻を割ったらほぼ固卵だったことが何十年何百年と続けば、ぼくの意図した通りのネーミングってことになるんじゃない?だからもう、これはこれでいくさ。
かように世界はぼくの言葉で更新され、変容していったのだ。
卵の横にはキャベツの千ぎり、ゆっくり蒸し焼きした鶏旨肉。プチトマトも添える。始祖とバナナのスムージーも。パンを買い忘れてたことに気づく。