公園に散歩に出かけた。愛しあう二人をみかけた。二人は固く抱き合ってキスを交わしていた。二人は唇から溶けだして、二人の顔はひとつの白い塊りになり、二人の体はひとつの黒い塊りになり、二人の塊りはベンチに溶けていった。私の体も地面や木や草に溶け、二人も私も噴水もゴミ箱も夕日も境界線を失った。私は世界とひとつの塊りになり、目も眩む幸福感で満ち溢れた。そして戦く。私がこんなに幸せであってはいけない。私がこんなに幸せであるはずがない。私は部屋に逃げ帰って茶わんを洗った。
公園に散歩に出かけた。愛しあう二人をみかけた。二人は固く抱き合ってキスを交わしていた。二人は唇から溶けだして、二人の顔はひとつの白い塊りになり、二人の体はひとつの黒い塊りになり、二人の塊りはベンチに溶けていった。私の体も地面や木や草に溶け、二人も私も噴水もゴミ箱も夕日も境界線を失った。私は世界とひとつの塊りになり、目も眩む幸福感で満ち溢れた。そして戦く。私がこんなに幸せであってはいけない。私がこんなに幸せであるはずがない。
私は部屋に逃げ帰って茶わんを洗った。
幸福、生命、逃げる、2、わたし
超短編/サ行
すぐ読める
超短篇・500文字の心臓 / 第34回競作「衝撃」 / 参加作
2004年
元データの書式(インラインプラグイン)を継承する
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