本を読んでいると、ページをめくった拍子に黒い影が逃げていくことがある。しおりに手足、のようなその影をつかまえようと思ったのは、ほんの気まぐれ。ここはひとつお気に入りの本といこうじゃないか。心をこめて声に出して読んでいく。紡がれた言葉は鎖となって宙にとぐろを巻く。物語に夢中になって、音読をしていることをすっかり忘れたころ、件の影がよぎる。すかさず鎖を投げつければ見事ぐるぐる巻きの捕獲完了。つまみあげるとぺらぺら暴れるので、足の先から冷めたコーヒーに浸けたらすっかり溶けてしまった。
ファンタジー、本、読む、影、鎖、オノマトペ
超短編/ヤ行
すぐ読める
超短篇・500文字の心臓 / 第120回競作「妖精をつかまえる。」 / 正選王作
2013年
元データの書式(インラインプラグイン)を継承する
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