千鳥足でその中年男は僕の前を歩いていた。黒メガネによれた帽子。擦り切れたジーンズ。ゴム草履。ふらふらきょときょと挙動不審なことこのうえない。ふいに男は辺りを見回した。僕に気づき一瞬ハッとしたが、すぐににんまりと笑った。男は懐から扇子を取出し自分を煽ぐ。風がさらさらと男の身体を崩し始めた。足元から風に乗って男が壊れていく。やがて男は笑いながら僕に片目をつぶってみせると、扇子と酒の匂いを残して消えてしまった。
一行作品、怪談、扇子、酒、オノマトペ、僕
超短編/ハ行
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超短篇・500文字の心臓 / 第40回競作「二人だけの秘密」 / 参加作
2004年
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