その包みを開けると、乾いた風が吹き抜けた。
するとあたりはいちめんの砂漠。
ラクダがウインクして「乗っていかない?」というので、さくさくと揺られてゆくと、スフィンクスがニヤニヤ笑って手招きをした。うかうか近づくとヒョイとつままれて、ピラミッドのてっぺんに置き去りにされた。ファラオに「降りろ!電波が届かないじゃないか!」と怒鳴られて、すみませんすみませんとピラミッドを駆け下りる。ナイルのオアシスまで突っ走り、ベリーダンスの姐さんに「ハンメーム?」と尋ねれば、笑って砂漠を指差した。「じゃ行こか」とラクダがいうので、あてもなくはるばると砂漠を越えてゆく。
そして窓の外、東京タワーの明かりが消えた。