その女は、何もかもに疲れた様でいて、しかし嘲りからかう様でもある。出来るものならやって御覧遊ばせ。溜め息を吐くみたいに笑う。
屈強なる男、やがて驚き捨て台詞。
「其は何の呪いぞ」
女、嘆き応えて曰く
「知らんがな」
知恵なる男は、やがて泣きべそ捨て台詞。
「何これマジで意味わかんねえ。これじゃ全然ヤれねえじゃん、萎える萎える」
女、侮蔑し叫んで曰く
「死ね痴れ者め。痴れ者め。痴れ者め」
竹取物語みたい。違うか。と女は空想しヘコたれる。
「よいではないか、よいではないか」
見知らぬ男が帯を引けども引っぱれど、女がくるくる回るだけで尽きることがない。何せ切れ目がなく、且つ、絶妙な加減で締められているのだからやはり着物を脱がすことは出来ず、くるくるくるくる回るだけ、女はずんぶり切ることも叶わぬ帯の呪いに呆れてせめて
「あーぁーれ、あーぁーれぇ」
戯れに阿呆になって、くるくるくるくる、来ないかなあ素敵な王子様がとか思いながらくるくるくるくるくるりんくるくる。
結婚したいなあ。