私は小さな惑星に小さな家を建て、ひとりで暮らしている。
昨晩の残りの、トマトのスープを飲む。
小さなトマトは、鉢植から摘んだのだが、案外よく育ったので感心する。
母から送られてきたものだ。
娘にトマトの苗を送った。
ご近所の方にいただいたのだけど、植物を育てるのは苦手だ。
ついでにいうと、トマトも嫌い。
私のあげた苗は、どうなったろうか。
うちの子が持ってきたけど、育てる場所がなかったものだから。
ついでにいうと、トマトは嫌い。
僕はトマトが好きだけど、母がそうでないのは知っている。
青いトマトの実った苗は、恒星が点在しているみたいで可愛い。
残念ながら、あちこちの星に行かないとならないから、僕には育てられない。
いつか赤くなった実がひとつはじけたら、ほかの星はどうなるだろう。
小さな惑星は、宇宙のどこかに飛んでいってしまうかしら。
トマトのスープといっしょに。
星がひとつ消えたと少年がいうと、あれは随分昔の光なのよと少女がいい、彼らの未来はまだ、はるか彼方。