全部おわったあと湿った肌を離さず絡めた足先が妙にひんやりとするから「冷たいね」というとあなたはもう眠っていた。 悲しみは寂しさを伴い変形する。 私たちのただひとり肉親といえる義妹の子どもたちは幼いわりに行儀よくしてくれるがどこか退屈そうだ。嗚呼なんて小さな手。 授乳をしてくるといわれ独りになる。どこか責めるような目。 あなたが焼かれているあいだ雪が降ってきた。 幼いころ見た祖母の骨を思い出す。 私たちの来た道が白く白く隠されていく。 息を止める。 腕時計が冷たい。 あと何分待つのだったか。
全部おわったあと湿った肌を離さず絡めた足先が妙にひんやりとするから「冷たいね」というとあなたはもう眠っていた。
悲しみは寂しさを伴い変形する。
私たちのただひとり肉親といえる義妹の子どもたちは幼いわりに行儀よくしてくれるがどこか退屈そうだ。嗚呼なんて小さな手。
授乳をしてくるといわれ独りになる。どこか責めるような目。
あなたが焼かれているあいだ雪が降ってきた。
幼いころ見た祖母の骨を思い出す。
私たちの来た道が白く白く隠されていく。
息を止める。
腕時計が冷たい。
あと何分待つのだったか。
生命、腕時計、骨、白、眠る、冷たい、あなた、わたし
超短編/ア行
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超短篇・500文字の心臓 / 第151回競作「あたたかさ、やわらかさ、しずけさ」 / 参加作
2016年
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