とにかく俺は偉いんだ、って、ええ、そう言うんですよ。
どれくらい偉いかというと、名前が必要ないくらいである。であるから、呼ぶのも本来ははばかられるはずだが、致し方ない場合は敬意のみをもって「様」と言うように。
と、言うんですよ。そう、その「様」が。
口答えをすると、えらい目に遭うぜ、なにしろ俺は偉いのだからな、とふざけたことをのたまうこれが冗談ではなく、いい案配にぎりぎり死なない程度のえらい目に遭います。実際偉いかどうかはともかく、もともとが超常な存在ですからね。ああ、超常って言葉、喜びそうだな。「様になる」、というのは実は俺が語源なんだぜとか、ふんぞり返ってたし。
と、いう訳で、です。
話は戻るんですが、それ、その「様」の御指名で。
何故と聞かれても、偉い人の考えることは、さっぱりですねェいやあ、はっは。
とにかく、おとなしく話を聞いていれば、なんてことはないですから。えらい目に遭わされないように、一応教えましたよ。なに、たかだか、ひと夏です。やっぱり夏が一番「様になる」からな、とか、ふんぞり返ってたりしたなあ。
いやいや、信じられないのはよく分かります。
ま、でも、出ますよ。
保証します。