#topicpath
#contents
*読む [#pfb694d3]
> いつだって自分の居場所を探していた。自分だけの約束の地があると信じていたんだ。だけどいつまでたっても見つからない。音楽室のグランドピアノのフタを開けてみたり、会社のコピー機のガラス面を覗いてみたりしたんだけど、やっぱり僕の居場所はどこにもなかった。そんなときインタ−ネットでこんな書き込みを見つけたんだ。
> >>S神社の井戸の奥底には銀の貝が棲息しており、稀に正十二面体の水晶の玉を抱いている。それを飲むと楽園を見つけることができる。
>眉唾だと思ったさ。でも僕はなんでもよかった。なんでもいいからどこかへなにかを探しに出かけたかったんだ。だけど僕は、その井戸を、銀の貝を、水晶の玉を、見つけた。もちろん飲んだ。その証拠がこの触覚だ。銀のチェーンみたいに細くて柔らかくて水晶みたいに正確に震える触覚が眉間から2本、生えてきた。でもやっぱり楽園なんて見つからなかった。見つかったのは同じ触覚を持ったキミだけだった。
*ジャンル [#qa6a4222]
[[ファンタジー]]、[[井戸]]、[[銀]]、[[数字]]、[[君]]、[[僕]]
*カテゴリ [#z0f4551f]
[[超短編/ラ行]]
*この話が含まれたまとめ [#a7aa6262]
すぐ読める
*選評/感想 [#wdca746f]
*初出/概要 [#x168ad67]
超短篇・500文字の心臓 / 第26回競作「[[楽園のアンテナ>超短編/ラ行#n6ec7f7c]]」 / 参加作
*執筆年 [#i8c7bcf1]
[[2003年]]
*その他 [#q9ce1f61]
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