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#contents
*読む [#q26a37d6]
> 幼心に、つかみどころのないひとだった。いまだ、あんなにふわふわしたひとで教師という仕事がよくつとまった、と思う。学校に限らず、およそ組織にいるのが不自然、とでもいうか。
> 先生の行方は知れない。蒸発だ駆け落ちだという噂も消え、なぜか今もどこかにいるような気はしている。
> 息をひきとるときは、少し苦しかった。
> まあ、よく生きた。欲をいえば、急なことで、会えなかったひとがいるのが心残りではある。
> 燃され体を失って、少しの時間をかけ分解された私は大気に漏れ出でて、ああ先生、そこにいたのですか。と声をかけると、ようやく気が付いたねと笑われる。私たちの先生だよ。と宙に広がったかと思えば、幾千万の教師であり学友がいたことを知る。
> いま、あぶくの教室から横目で、幼い君をひさしぶりに見ている。御祖父さんは、ふわふわしてよく分からぬひとでした。と述べられており失笑してしまい、先生に小言をいわれていたりする。
*ジャンル [#s6236d17]
[[生命]]、[[エントロピー]]、[[学校]]、[[先生]]、[[祖父]]、[[君]]、[[わたし]]
*カテゴリ [#r1e2455f]
[[超短編/カ行]]
*この話が含まれたまとめ [#x5e99174]
すぐ読める
*評価/感想 [#i5b2e6d7]
*初出/概要 [#s4c36f89]
超短篇・500文字の心臓 / 第147回競作「[[気体状の学校>超短編/カ行#t4a63c9f]]」 / 参加作
*執筆年 [#d14627d0]
[[2016年]]
*その他 [#c0f393c2]
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