海音寺ジョー/おしゃべりな靴 のバックアップ(No.1)
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- 海音寺ジョー/おしゃべりな靴 へ行く。
- 1 (2019-08-21 (水) 00:10:08)
- 2 (2020-06-25 (木) 00:22:46)
- 3 (2022-04-14 (木) 23:41:36)
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上流からまた草履が流れてきた。弟がベイトリールを巧みに操ってスピナーで引っ掛けて回収する。上流に遊泳場があって、子供が油断して流してしまうのだ。色とりどりのビニール靴。ミュール。浮き輪。弟はきりがないなーという顔になってきた。魚籠の中は空。足元にはカラフルな漂着物。高価そうな靴もあった。
「エスパドリューだな」
「兄ちゃんは物知りだな」
スニーカーも流れてきた。
「靴屋が開けそうだな」
ぼくが軽口をたたくと、弟が面白がってそのスニーカーもルアーで引っ掛けて岸に戻した。
「でも全部片方しかねえよ」
「そうな。でも水木しげるの妖怪図鑑に出てきた、一本足の妖怪には売れるかもよ」
「はは、あの妖怪、何てったっけな?」
妖怪の名を無心に検証してると、まだ竿にぶら下がってるスニーカーが「カカカカッ」と高笑いした。二人びっくりしてると、スニーカーの中からビョッと見事な大きさの鮎が跳ねた。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第171回競作「おしゃべりな靴?」 / 逆選王作
執筆年
2019年?
その他
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