よもぎ/お城でゆでたまご21 のバックアップ差分(No.1)


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#contents
*読む [#x1b5b1e7]

> 彼女が帰ったあとひと眠りした。
>喉の乾きに目が覚めると、道に迷った旅人が深い森でようやく見つけた灯りみたいに、
>僕は真夜中の冷蔵庫へ導かれる。ドアを開ける。灯りが迷い人の僕を照らす。
>「僕が用があるのは缶ビールです」単刀直入にあいさつをするが、今夜の冷蔵庫では大盛りのグリーンサラダが華やかに繰り広げられていた。僕は遠い目をして「わたしも舞踏会にいきたかった」とつぶやいてみる。
>(きょうは春らしくミモザサラダでーす)「ふーん。なんでもいいや」
>12時の鐘が鳴り響く。彼女はムッと顔色を変え、エプロンを外して駆けだした。呆気にとられた置いてきぼりの王子は、ガラスのサラダボウルと持て余した時間にラップをかけて、深い森の奥の冷蔵庫に閉じ込めておいたんだっけ。
> そんなわけでいま僕は、真夜中の台所で開けっ放しの冷蔵庫の灯りを頼りに、卵をひとつ、ゆでる。

*ジャンル [#f32d8dc4]
[[リアル]]、[[料理]]、[[夜]]、[[眠る]]、[[とってんこう]]、[[彼女]]、[[儂]]
*カテゴリ [#m329708b]
[[超短編/ア行]]
*この話が含まれたまとめ [#o77cb516]

*選評/感想 [#a7d327b8]

*初出/概要 [#k69d0598]
超短篇・500文字の心臓 / 第25回競作「[[お城でゆでたまご>超短編/ア行#qbf8c360]]」 / 参加作
*執筆年 [#i0c3c7e3]
[[2003年]]
*その他 [#g33ba60f]
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