まつじ/かめ35 のバックアップ(No.1)


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私は暗い中にいる。

体を縮めて、狭い空間に広がる闇に潜らせた。

頭上の穴から少し光が入ってくる。

穴は頭がやっと通るような小さなもので、私はここから出ることができない。

問題はない。

私はここが好きなのだ。

暗い中に身を置くのが好きなのだ。

とても落ち着く。

気が向いたら、頭をのぞかせて外を眺めることもできる。移動するのは面倒だが、その気になれば人と話すことも出来なくなはない。

悪くないじゃないか。

突然ガツンという大きな音がして、軽い衝撃が来た。

音だけが変に反響してやかましい。衝撃が連続して起こり、頭に響く。

何がしたいのか、誰かが外から叩いているらしい。

だけど無理だな。

ここはなかなか頑丈に出来ているんだ。

このうるさい音さえ気にしなければなんて事はないんだ。はは。

ほっといて眠ってしまおう。おやすみ。誰だか知らない人。

大音響の闇の中、私はさらに体を縮めてつるりと壁を指でなぞり目を閉じた。

ジャンル Edit

日常孤独?わたし

カテゴリ Edit

超短編/カ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第37回競作「かめ」 / 参加作

執筆年 Edit

2004年?

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