空虹桜/儘ならない指輪 のバックアップ(No.1)


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 高校合格が嬉しかったのは、合格したことよりも隣町に通学できることだった。今どき、どの国でも何処からでも通信通学を許容しているけど、この家の空気もこの町の空気も吸っていたくなかったから。

 通学定期は、わたしを無敵にした。4人乗りの超小型鉄道が3時間に一本とはいえ、なんとか走ってくれることで隣町へ行く自由が担保されたからだ。

 そして自由は、わたしを強くする。

 自由が担保されればサマンサで鞄を買って使うことができるし、ケイトのネックレスを纏って歩くことができる。冷やかされることも罵られることもない。そもそも今まで周りにいた人たちは、100円ガチャアクセと区別が付かない人ばかりだった。

 お金があるわけじゃないけど、買うことも着飾ることも自由わたしわたしをなりたいわたしに仕立て直すことができる。

「高校デビュー」を否定しないけど、それは外からの評価で、わたしの中では値上がりも値下がりもしていない。しいて言えば表出しただけ。

 けれど、表出したことでわかる人がそばに現れることもある。

可愛いのしてるね。ケイト?」

 そう言ってくれた先輩の小指で輝いていたピンクゴールドのリングが、今の目標。

※初稿につき、最終稿は後日公開予定。

ジャンル Edit

空間的アイデンティティ?AI?物語直截?学習団栗の背比べ?自分

カテゴリ Edit

超短編/マ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読めるエスノグラフ・パンク

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

書き下ろし

執筆年 Edit

2025年?

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