胡乱舎猫支店/設計事務所

Last-modified: Thu, 25 Apr 2019 23:54:25 JST (89d)
Top > 胡乱舎猫支店 > 設計事務所

読む Edit

予定よりも早すぎる来訪で準備が整わなかった彼女は率直に切り出した。

「設計図は完成しました。しかし材料がありません。ご存知とは思いますが。」

「はい。実は伺う前に算所へ参りました。」

「センターへ?直接のルートをお持ちでしたか。」

「はい。先代で許されました。」

「計算結果は出ていましたか?」

「はい。お告げがありました。それで矢も楯もたまらず。」

「どうでしたか?通知は未だなのです。」

「はい。少なくとも5周期で出現すると。」

「5周期で生成可能…でも…。」

「はい。当代には叶いません。しかし次代は帰れるでしょう。」

「…よろしいのですか?それでも」

「はい。ありがとうございます、先生。ああ…。」

「え…?ちょっ…!」

彼らにしては珍しく露わにした感情を、依頼者は抑え切れずに噴出させたので所内は見る間に没してしまった。

「終わったぁ…。」彼女はディスプレイにほぼ、へばりついて呟いた。

何とか”感情溜り”から抜け出し、謝罪し続ける依頼者には一旦お引取り願って後はネットで対応した。

危ないところだったけど正直羨ましい、そんなに迄帰りたい場所がまだ存在しているなんて。

そう思いながら眺める窓の外は青い夕焼けに染まっていた。

ジャンル Edit

SF仕事数学帰る?夕方彼女

カテゴリ Edit

超短編/サ行

この話が含まれたまとめ Edit

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第133回競作「設計事務所」 / 参加作

執筆年 Edit

2014年?

その他 Edit

Counter: 50, today: 1, yesterday: 0