胡乱舎猫支店/白白白
Last-modified: Tue, 23 Feb 2021 23:03:41 JST (946d)
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このファミレスを最後にこの町を出た。小5の時父の浮気相手が男を産んだから母と妹と共に捨てられたのだ。内装は新しくなったけど変わっていない。ついクリームソーダを頼んでしまった…あの日の様に。
待ち人はなかなか来ない。手持ち無沙汰でチェリーで遊んでたら「姉さん…ですか?」と声がした。
見上げると有名なお坊ちゃま学校の制服姿の”弟”が立っていた。コレが?なんか室内犬っぽいなぁ。
幸いな事に”感動のご対面”は直ぐに終了した。潜入していた捜査員だか刑事だかにワンコは拘束されたから。テレビとかで見た事あるシーン。
「弟を裏切ったのかっ!」
甲高い声で吠えたんで応えてやった。
「じゃない!」
泣きそうな顔で引きずられていった。
成長とともに"息子"の容姿に疑念を抱いた父はDNA鑑定をした。結果は予想通りで母子で追い出される所だったそうだ。あのおっさん、直ぐそれだ。
婆さんは助かったらしいし、"父"母二人か…。出てくるなぁ未成年だし…情状酌量とか…鬱陶しいなぁ…。
無意識に散らばった紙ナプキンを片付けていた。
「…ご同行お願いします」
「あ、はい」
ソーダ水一気飲み。あ~あ、アイス食べ損ねた…まっいいか。
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初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第180回競作「白白白」 / 参加作
執筆年 
2021年?
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