胡乱舎猫支店/湖畔の漂着物

Last-modified: Wed, 24 Jun 2020 23:31:38 JST (18d)
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自転車で駆け付けると湖畔は人だかりがしていた。そろそろだろうとは思っていたけれど、今日だったんだ。今年こそはと意気込んでいたのに早起きは苦手だな、やっぱ。

見つけたのは停留所前の花屋だと馴染みの本屋が教えてくれた。みんなに囲まれて照れ気味に笑っているよ、いいなぁ。初物だし、もし時計屋あたりだったら得意げに踏ん反り返ってるところだろうな、くぅ〜。

せめて現物を拝みたかったけれど、もう研究所に持っていかれたって。あ〜どんだけ遅いんだよ、オレ。起きれないならもう徹夜した方がいいのかな?それとも夜から来てるか?いっそここで寝るか?でも夜明け前の湖は危険だし…。う〜ん、どうしようかな〜等と考えていたことは全部口に出ていたらしい。

まあまだ始まったばっかりだし、明日に備えて今日は早く寝なよ。冬はまだまだ先だ、チャンスはあるさ。お互いがんばろうな。なんて本屋に慰められながら明るく色を変えていく湖を眺めていた。

夏の名残りとか忘れ物とか好きに呼んでいるけれど、本当のところあれが何なのかは誰にもわからない。

知っているのは湖だけ。時々、風も無いのに湖面にさざ波が立つ。ふふっと忍び笑いが聞こえた気がする。

ジャンル Edit

リアル笑う

カテゴリ Edit

超短編/カ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第134回競作「湖畔の漂着物」 / 参加作

執筆年 Edit

2014年?

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