空虹桜/野音のステージ後ろのかもめ広場で寝てるおいちゃんの思い出話

Last-modified: Mon, 29 Apr 2024 23:49:46 JST (17d)
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 誰にだって若い時はあるし、思い出はある。恨み言や世迷い言なら尚更だ。誰も好き好んでこんなところで寝ちゃいない。夜中はゴキブリやネズミに眠りを邪魔され、昼日向は人間どもに眠りを邪魔される。にもかかわらず、強ばった関節ぐらいしか体の不自由が無い。なんの呪いか。

 あの頃は、こんなところで寝起きする日が来るなんて思いもしなかった。その浅はかさが、この場所へ導いたともいえる。その日の給料を色と酒に溶かし、薄っぺらい日常を刺激的だと勘違いしていた。

 後悔しても詮はない。しかし、後悔だけがつきまとう。常に。昨日より明日よりも今だけを生きていたハズなのだが、今がどこにもない。ただ、澱んだ毎日はある。

 たまにSHOW-YAの歌声が聴こえんだ。たまらないぜ。どうしたって、あの頃に引き戻しやがる。もう戻れる場所はここしかないんだ。近場の交番のマッポは、転勤まで見逃してくれると言う。

 そうか。これは呪いなんかじゃない。これは夢だ。ただ今を生きてるだけの夢を見ている、死人の夢だ。

※初稿につき、最終稿は後日公開予定。

ジャンル Edit

日比谷公園音楽?ホームレス?音楽後悔?交番?

カテゴリ Edit

超短編/ヤ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める野音のステージ向かって左にある高い木の上に営巣した鳥とかの話

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

書き下ろし

執筆年 Edit

2024年?

その他 Edit

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