空虹桜/野音のステージ向かって左にある高い木の上に営巣した鳥の話

Last-modified: Sun, 28 Jan 2024 23:34:38 JST (90d)
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 気がついたらここにいた。

 ここは僕の家だ。


 嘘じゃない。なにせ、殻を割ったのがここだから。この巣の中。この枝の上。卵の中で自意識に目覚めたから間違いない。

 もちろん目なんて見えなかったけど、僕の本能に間違いなんかないさ。僕の耳はこの巣の中で聞こえるあらゆる音を受け止めていたし、僕の体は振動として音を感じていた。

 打ち付ける雨や嵐も、定期的に鳴り響く破壊的な爆音も、穏やかな微風も、同じように揺り籠を揺らし、嘴打ちを促す。

 僕らにとって、繰り返す、ありふれた日常に過ぎない。


 だから、僕はここにいる。

 ここは僕の家だ。


 愛の季節が巡ってきた。

 彼女への愛は、ここでこそ果たされるべきだ。誰にも譲らない。ここも。彼女も。

 ここは僕の家だ。

※初稿につき、最終稿は後日公開予定。

ジャンル Edit

日比谷公園音楽?自我???彼女

カテゴリ Edit

超短編/ヤ行

この話が含まれたまとめ Edit

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

書き下ろし

執筆年 Edit

2024年?

その他 Edit

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