空虹桜/マグネシウム

Last-modified: Sun, 31 Dec 2023 16:13:12 JST (118d)
Top > 空虹桜 > マグネシウム

読む Edit

 誰かの物語になることだけを願った。


 と、書いて物語を終わる。

 一息つく。

 すくなくとも、これでわたし物語としては終わり。書き直すことはあっても書き足すことはない。書くべき物語はこれだけでは無い。

 書きたいことは、とっくの昔に尽きているのに、書くべきことは恐ろしく無造作に転がっていて、憂鬱にすらなる。

「死ぬまでに、あとどれだけ物語が読めるのか」と人は言うけれど、あとどれぐらいの物語が書けるのか?

 文字数にすれば1000万文字に達するかどうか。50も物語が書ければ大手を振って死ねるか? 書き終えた物語を棚に上げて、そこまで一気に思考する自分にすこし呆れる。

 人生は一冊の本だと言うけれど、明らかに間違いで、物語と本を混同している。人生というひとつの物語は誰にも読まれることはないが、誰もが登場人物であり、神はモノローグを付けない。

 けれど、作者は神ではなく自分だから、作者を裏切る方法を常に考えている。

※初稿につき、最終稿は後日公開予定。

ジャンル Edit

物語神様人生数字わたし

カテゴリ Edit

超短編/マ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める元素12ヶ月

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

書き下ろし

執筆年 Edit

2023年?

その他 Edit

Counter: 92, today: 1, yesterday: 0