海音寺ジョー/大事マンブラザーズの最期の生き残りの独唱
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負けないこと逃げ出さないこと信じあうこと助け合うこと
そんな全ての理想に絶望していてもヘドを吐きながら
何かを妄信して 行くあても無い旅を無為に続けること
誰かを信じたり愛したり助けたり救ったりしても 全ては仇で返されること
味方だと信じていた人が実は向こうにとってはこっちは敵で、こちらの好意はちゃんと憎悪でむくわれること
あらゆるこちらの情けは、すべからく悪意で返済されること
その当然の帰結にうんざりし続けて人類全般を呪い憎しみつつも
平然とした顔でヘラヘラ哂い続けること
要領のいい同僚に押し付けられた、給料の付かない残業で埋め殺されそうになりながら
アルコールで散らしながら
終電ギリギリで帰路に着くこと
改札をくぐろうとすると黄色い胃液と黄色いビール液が交じり合った真っ黄っきの水溜りに靴を汚され、なんで俺だけがジュクジュクのゲロで沁みた靴下で足をぬるませながら暗いアスファルトの道を歩いていかなきゃならないんだとむしゃくしゃすること
そんな日常に終止符を打ちたくなっても
自分に寄生する白豚みたいに肥え太り続けるメスと
そのメスにひり出された分身を養うというキレイごとのために
一瞬、共同意識の根幹『家族』と呼ばれる安逸にまどろみ床に着き
苦しみと怨嗟に満ちた日常に、明日からも耐えるために柔弱なハガネの精神に理論武装すること
そんなこんなの積み重なりで、発狂しそうになった夜は
紫の空を見上げてレモンイエロウの半月に睨み返されて
非情であれ
非情であれ
と叫ばれ、
では、あきらめるよ
と心にも無いことを心の奥でひそかに唱えること
それが かなり大事
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初出/概要 
執筆年 
2005年?