よもぎ/青い鳥

Last-modified: Sun, 11 Jun 2023 23:26:56 JST (320d)
Top > よもぎ > 青い鳥

読む Edit

僕は青い鳥を手にいれた。毎日毎日朝から晩までさえずり続ける青い鳥。そのさえずりを聞いていると僕はなんだか楽しくなる。ぽつりと独り言をつぶやくと返事をするように青い鳥がさえずる。僕は友達ができたような気持ちになった。ひとりぽっちじゃなくなった気がした。けれどもある時、青い鳥がすごく嫌な声で鳴いた。悪意を感じる嫌な声。それぎりもう青い鳥に話しかけるのが怖くなってしまった。とうとう僕は青い鳥を捨てた。僕はまたひとりぽっち。けれどもどうにもいたたまれなくて、窓を開けた。待ち構えていたようになだれ込む大群。悲鳴のような青いさえずり。部屋を埋め尽くす青い鳥。ついばまれて少しづつ骨になっていく僕。

ジャンル Edit

一行作品孤独アイロニィ

カテゴリ Edit

超短編/ア行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第123回競作「青い鳥」 / 参加作

執筆年 Edit

2013年?

その他 Edit

超短編朗読会「てんとう虫の呪文Podcast」Season3

Counter: 647, today: 1, yesterday: 1