よもぎ/熱くない
Last-modified: Tue, 08 Jun 2021 23:45:51 JST (1198d)
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とある飲み会にて。『石焼きカルビ』なるものを頼んだ。ほどなく店員が直径20cmほどの平らな石をお盆に載せて運んできた。店員は素手でそれをテーブルに置いた。(おいおい、その石ぜんぜん焼けてないじゃないか)と胸の内でつぶやく間に、店員はその石に『熱い』と書かれたお札を貼った。その場にいた全員が「熱い」と思ったとたん、石はジュワジュワと熱を発しはじめた。「こちらで肉を焼いてお召し上がりください。焼き過ぎないのがコツです」と店員は立ち去った。石から充分な熱気が伝わってくる。俺は誘惑にかられてお札をはがした。すると石は瞬時に熱を失った。
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初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第135回競作「熱くない」 / 参加作
執筆年
2014年?
その他
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