よもぎ/スイーツ・プリーズ

Last-modified: Tue, 02 Mar 2021 23:49:46 JST (1143d)
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暗い森を甘い香りに誘われて歩いていると、ぽっかりと開けた広場にロケットが立っていた。

ロケットからバニラの香りがするので中に入ると、そこはキッチンのようだった。

『ウッデューライカッポブティ?』とロケットがアナウンスしてくる。

そうね、お茶でも飲みましょうとコンロのスイッチをひねったら、ロケットが発射してしまった。

わあ、どうしよう。

けれど燃焼系から小麦粉バター牛乳お砂糖たまごの混合液が焼けるいい匂いがしてくるので、とにかくお茶でも飲むことにした。

格納庫にオレンジペコがあった。

お湯が沸いた。

ポットとカップを温めた。

紅茶をいれた。

えーと、あとは・・・と思っていたら、ロケットがどこかの星に到着した。

デッキに出てみると、星の人たちが手を差し出して「スイーツ・プリーズ!」「スイーツ・プリーズ!」と言う。

はて、どうしたものか。

すると、ロケットが外へ向かって『スイーツ・プリーズ』とアナウンスした。

そのとたん星の人たちはロケットに群がって、あっという間に食べてしまった。

私は湯気のたつカップを持ったまま。

ジャンル Edit

SFコメディご飯紅茶わたし

カテゴリ Edit

超短編/サ行

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第105回競作「スイーツ・プリーズ」 / 参加作

執筆年 Edit

2011年?

その他 Edit

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