よもぎ/ぐしゃ
Last-modified: Wed, 10 Mar 2021 23:40:15 JST (927d)
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休日の遅く起きた朝、台所に立つ。逢いたい、とつぶやく。薄く笑って首を振り、生卵をひとつ調理台に置く。卵はそわそわと転がる。そういえば彼が「生卵とゆで卵は回り方がちがう」って言ってたっけ。卵をつまんで回してみる。思いのほか勢いよくまわる卵に狼狽える。もう終わりだよ。卵を指先でちょんと押さえる。そう、お・わ・り。指を離す。と、卵はまたゆらりゆらりと未練がましく回った。なんで?!卵が床に落ちた。涙が落ちた。
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この話が含まれたまとめ 
評価/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第108回競作「ぐしゃ」 / 参加作
執筆年 
2011年?
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