よもぎ/お城でゆでたまご2
Last-modified: Thu, 07 Jul 2022 23:05:12 JST (443d)
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お城でゆでたまごが禁止になったのにはわけがある。
庭の梅の木にうぐいすが一羽おったげな。
うぐいすの糞は女の肌を白くするのじゃそうな。
さっそく腰元が糞を取りにつぼを持って庭にでたが、
うぐいすめ、なかなかうまいこと糞を落とさぬ。
困った腰元はこっそり鶏小屋へ行き、糞をすくって
つぼにいれておいたと。知らぬということは恐ろしい。
夜、殿が奥方様を抱き寄せるとなにやら鶏くさい。
わけを訊ねるとうぐいすの糞だという。奥方様は
「ゆで卵のようにつるりと白くなりたいのでございます」
とさめざめ泣いた。お優しい殿は、
「わしは生たまごのほうが好きじゃ」と慰めた。
それで殿が禁止になさったんだとさ。とってんこう。
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この話が含まれたまとめ 
選評/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第25回競作「お城でゆでたまご」 / 参加作
執筆年 
2003年?
その他 
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