まつじ/赤いサファイア
Last-modified: Thu, 12 Jan 2023 23:37:00 JST (79d)
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とんち坊が、やってきた。
「やったらぁあ」とはしゃぎ無礼な様子は、小僧まるだしである。まあ、当方としては捨てるも褒めるもいかようにも楽しめる遊びなので、好きにせえ好きにせえ。さあ、捻り出せ、とんち。
して、儂の所望したものを此れへ。と問うに「お、まかせてまかせて」など得たりと駆け出す姿を見るや危うしと阻む屈強の面々これをぽいぽい千切り投げもはや目前、声を上げる暇もなしに片の眼をむしられ曰く「殿様のサファイアの瞳が、あら不思議」どんなもんだ、と云わんばかり。
何かの恨みか報いならばよかったけれど、あちらもただの遊びと見えて、にこにこにこにこ。誉められたいのか知らんが、えぐられすぎてチト辛いうえ、なんもかんもが赤く見えるのでイマイチとんちだと文句を垂れたら「じゃあ、褒美はもらえんねえ」と存外に素直で「出直してきます。」御免こうむる。
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評価/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第139回競作「赤いサファイア」 / 参加作
執筆年 
2015年?
その他 
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