まつじ/ブルース6
Last-modified: Mon, 28 Mar 2022 23:17:16 JST (758d)
読む
過去から来たという人と、未来から来たという人と、事情の飲み込めない私で食卓を囲む。囲むといっても用意は一人分しかない。晩飯前に現れられても困る。
何をしに来ましたか。餃子を頬張りながら尋ねる。
過去から来た方は、未来を見に来たのだという。腹が減っているようだ。
未来から来た方は、過去を見に来たのだという。腹が減っているようだ。
米は多めに炊いてあるから、食べさせてやらんこともないが。
過去から来た方が、過去を変えに来たとかではないんですね、と未来から来た方にいうと、そんな阿呆なとご返答、二人ともがハッハッハ。
なぜ私がこんな事態に巻き込まれているのか、誰も説明してはくれない。
餃子を頬張る。米を頬張る。口のなかでいっしょにして、リズムよく食べる以外することがない。
餃子を頬張る。米を頬張る。咀嚼する。
事情は飲み込めないが。もぐ、もぐもぐもぐ。やり過ごす。早く帰ってくれまいか。私の飯はやはり私が食う。
ジャンル
餃子?、米?、ご飯、夜、過去?、未来、もぐ?、わたし、コメディ
カテゴリ
この話が含まれたまとめ
評価/感想
初出/概要
超短篇・500文字の心臓 / 第186回競作「ブルース」 / 参加作
執筆年
2022年?
その他
Counter: 213,
today: 1,
yesterday: 0