まつじ/ひょんの木
Last-modified: Sun, 18 Sep 2022 23:51:10 JST (187d)
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びよぅびよぅと吹き荒ぶ、全体、何の不満があるのか風は誰に彼にとなくぶつかり此れという目的もなく、みじみじと照り炙る、一体、いつ充ち足りるのか、燃え蠢く太陽はあらゆるを焦がすようで、其れと求めるものもない。
あんぐり裂けた地表は、果たして幾度も震え揺るがしては自ら傷つけるようにまた裂け、どうぶどうぶと猛りうねる海は、近付くものぞろ浚い呑み込み飽きること尽きることがない。
どこから現れたのか、誰も知らない。
いつ生えたのか、知る由もない。
気まぐれのようなたった一本の木が、世界を変えたとか、変えなかったとかいう。
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評価/感想 
初出/概要 
超短篇・500文字の心臓 / 第127回競作「ひょんの木」 / 参加作
執筆年 
2013年?
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