まつじ/☆

Last-modified: Wed, 30 Jun 2021 23:15:10 JST (107d)
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読む Edit

物語は、乱暴に言ってしまえば、最終的には読者が完成させるのです。



私が判りにくい死に方をしたので皆困ったようだ。



最近思い詰めていたような気がします。



誰かが言う。



何故あいつが。



他殺と決まったわけではありません。




あそこの倉庫で。



この辺も物騒だからね。



私の死についての物語が組み立てられて、時に壊されまた組み立てられていく。




暴行された形跡はありません。



じゃあなんでこいつは全裸で死んでるんだ。




私は小説を書いていました。書いても書いても上手に出来ず、少し疲れてしまったのです。



何だこれは。



遺書、にしちゃおかしいですね。



けれど私は面白い事を思い付きました。



訳が分からねえ。



読者は、作者が与えた情報を繋ぎ合わせ自らの内に物語を作るのです。




こんなのが物語なものか。




私が与えたのはただの記号。



あの紙切れに意味なんか無かったんだ。



一筆だけの、私の小説。




どうかしてる。



母さんは、あれを昔私が絵に描いた星だと思うでしょうか。




奥さん、落ち着いて聞いて下さい。




それは違います。だけどそうだな、どうかたくさんの物語が生まれますように。




彼の小説は、瞬いてその願いを誰かに伝えることもない。

ジャンル Edit

物語?クライムメタ?読者?わたし

カテゴリ Edit

超短編/その他

この話が含まれたまとめ Edit

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評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字の心臓 / 第55回競作「」 / 参加作

執筆年 Edit

2006年?

その他 Edit

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