まつじ/二人だけの秘密25

Last-modified: Wed, 16 Dec 2020 23:48:59 JST (1229d)
Top > まつじ > 二人だけの秘密25

読む Edit

「あ。」

横で煎茶を飲んでいた婆さんが急に声をあげたので

「おう、どうしたぃ?」

爺さんが尋ねると、

「立った立った茶柱立った。」

と婆さんは嬉しそうにはしゃいだ。

「そりゃあいいこったけど、お前それを俺に言っちゃあ御利益がないじゃねえか」

爺さんは呆れたようで、しかし、少し楽しそうで。

「いいんですよ。夫婦なんだから。御利益御利益なむなむなむ…」

「なにわけのわかんないこと言ってやがんでぇ。」

爺さんと婆さんの間に茶柱の立った湯呑みが一つ、縁側の二人はしばらくそのまま、そうやって時間は過ぎていく。

ジャンル Edit

日常コメディお茶

カテゴリ Edit

超短編/ハ行

この話が含まれたまとめ Edit

すぐ読める

評価/感想 Edit

初出/概要 Edit

超短篇・500文字心臓 / 第40回競作「二人だけの秘密」 / 参加作

執筆年 Edit

2004年?

その他 Edit

Counter: 355, today: 1, yesterday: 0