空虹桜/野音のステージ向かってライヴのはじまりを待つトイレの話
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何度か工事されとるから、ワシだって生え抜きじゃない。他の事物どもは「老害」「老害」言いおるが、ワシが若い頃にそんなこと言うっとったら大目玉くらったわ。だから、影でコソコソ言うっとったがな。ぐひひひ。でもな、ステージ以外で唯一の付喪神じゃぞ。ワシ。反対側のヤツとふたーり。あとでヤツにも話聞いたげてな。ワシにしか話聞かんかったら、ここでトイレ入れんぞ。一生。神様の悋気ほど最低なもんは無いから。
でだ、ワシの街はゴミ溜めのようさな。なにせワシはトイレだからな。ぐひひひ。気が違ったような音楽が鳴り響き、ハイエナのような役人や政治家どものお膝元とは考えられんわな。
もう今さら平穏には生きられんて・・・ワシにもうすこし神力があれば、あの時ここで人が死ぬことも無かったわな。神様ん中でも、さんざっぱら怒られたわ。ワシもお前さんもみんな消されちまうかと思ったわ。
なんだかんだで今は平和じゃ。戦争も革命も起きない。楽しく音楽を聴いていられる。
今は平和じゃ。なぁ。ぐひひひ。
※初稿につき、最終稿は後日公開予定。
ジャンル 
日比谷公園大音楽堂?、神様、トイレ、音楽、平和?、悋気?、こそこそ?、ぐひひひ?、わたし、ラフィン・ノーズ?
カテゴリ 
この話が含まれたまとめ 
すぐ読める、野音のステージ向かって左にある高い木の上に営巣した鳥とかの話
評価/感想 
初出/概要 
書き下ろし
執筆年 
2024年?