サイドストーリー /2nd/テリー・ボガード の変更点

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**1話 [#story_01]
#region(ネタバレ注意)
|>|KOF開会式・前日――|
|~〇×|……ふぅ。&br;とりあえず、明日の準備はこのくらいでいいかな|
|~〇×|(この後はどうやってすごそう……。)|
|~テリー・ボガード|ヘイ! ×!|
|~〇×|!? テ、テリーさん?|
|~テリー・ボガード|おっと、これじゃダメだったな。|
|~〇×|(あ、あれ? テリーさん、外に出て行っちゃった……。&br;何か用事があったんじゃなかったのかな。)|
|>|'''(ノック音)'''|
|~〇×|は、はい!|
|~テリー・ボガード|×。入ってもいいか?|
|~〇×|(あ、もしかして……。)|
|~〇×|もちろんです。どうぞ。|
|~〇×|ふふっ。これならアンディさんにも怒られませんね。|
|~テリー・ボガード|さすが×。よくわかってるな。ここにアンディがいたら、&br;『女性の部屋にいきなり入るな』って怒られてたところだ。|
|~テリー・ボガード|ここに来る前まではちゃんと覚えてたんだぜ?&br;けど、ドアの向こうにあんたがいると思ったら、ついな。|
|~〇×|そうだったんですね。|
|~〇×|(けど、わざわざ入り直すことなんてないのに。&br;テリーさんって面白いな。)|
|~テリー・ボガード|あ、そうだ。|
|~〇×|?|
|~〇×|(テリーさん、両手を広げて何してるんだろう?)|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~〇×|……?|
|~テリー・ボガード|……うーん。さすがに今度は伝わらなかったか。|
|~テリー・ボガード|再会のハグだ! 思いっきり飛び込んでこい!|
|~〇×|……えっ!?|
|~テリー・ボガード|ほらほら、早く来い!|
|~〇×|(テリーさん、すっごくワクワクしてる……。)|
|~〇×|そ、それじゃあ……テリーさん、行きますよっ!|
|~テリー・ボガード|ははは! いい勢いだったな!&br;サウスタウンへようこそ。俺の×。|
|~〇×|俺の……。|
|~テリー・ボガード|違うのか?|
|~〇×|いえ。……違わないです。&br;会いたかったです、テリーさん。|
|~テリー・ボガード|ああ、俺もだ。&br;なあ。もっとよく顔を見せてくれないか?|
|~〇×|えっと……これでいいですか?|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~〇×|……あ、あの。テリーさん?|
|~テリー・ボガード|――よしっ。&br;顔色も良さそうだし、この後ちょっと出かけないか?|
#endregion

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**2話 [#story_02]
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|……ここって、公園ですか?|
|~テリー・ボガード|まあ、そんなところだな。ここは、パイオニアプラザって&br;呼ばれてる教会広場で……ほら、そこに教会が見えるだろ?|
|~〇×|あ、本当ですね。|
|~テリー・ボガード|ここはサウスタウンの中でも自然の多い場所なんだ。|
|~テリー・ボガード|トレーニングセンターの近くにあるナチュラルパークも緑は&br;多いが、あっちはここよりも鬱蒼としてるから気をつけろよ。|
|~〇×|? 足元が悪いとかですか?|
|~テリー・ボガード|いや。ワニがいるからな。|
|~〇×|ワニ!? それってワニが普通に歩いてるってことですか?|
|~〇×|(ワニに遭遇したら、どうすればいいんだろう。&br;走ったら逃げ切れるのかな……。)|
|~テリー・ボガード|アッハハハッ! そんな顔するなよ。|
|~〇×|……へ? もしかして、冗談ですか?|
|~テリー・ボガード|いや、ワニが放し飼いになってるのは本当だ。|
|~〇×|!?|
|~テリー・ボガード|けど、俺がそばにいるんだから何も怖いことはないだろ。&br;違うか?|
|~〇×|あ……そ、そうですね。|
|~〇×|(テリーさん、いろんな意味でドキッとさせてくるなぁ。)|
|~おばあさん|こんにちは、テリー。|
|~おじいさん|今日はいい天気だね。|
|~テリー・ボガード|ああ。二人は、これからデートかい?|
|~おじいさん|この先にあるカフェでお茶をするんだよ。&br;それが僕と彼女の日課だからね。|
|~テリー・ボガード|そいつはいいな。楽しんできてくれ!|
|~おばあさん|それじゃあ、またね。|
|~〇×|テリーさんのお知り合いの方ですか?|
|~テリー・ボガード|ああ。この辺りでよく会うんだ。……っと。せっかく来たのに&br;突っ立ってるだけなのも面白くないよな。少し歩くか。|
|~〇×|はい、ぜひ。|
|~清掃員の青年|それじゃ、俺は仕事に戻るよ。またな、テリー。|
|~テリー・ボガード|ああ。いつもプラザをきれいにしてくれて、ありがとな。|
|~〇×|(出会う人みんな、テリーさんに声をかけてく。&br;テリーさんってやっぱりみんなのヒーローなんだな。)|
|~少年A|あー! やっぱり、テリーだ!|
|~テリー・ボガード|ん?|
|~少年B|待ってよ~、お兄ちゃん!|
|~少年B|置いていくなんてひどいよ~。|
|~少年A|ごめん。でも、お前もテリー好きだろ?|
|~少年B|うん! ねぇ、テリー。今度のKOF出るんでしょ?&br;ボク、応援しに行くから!|
|~テリー・ボガード|サンキュー! 俺がかっこよく勝つとこ、見ててくれよ!|
|~少年B|わーい! 楽しみだな!|
|~父親|おーい。そろそろ帰る時間だぞ。|
|~少年A|あ、父さんだ。ほら、戻るぞ。|
|~少年B|うん。テリー、バイバイ~!|
|~テリー・ボガード|ああ、気をつけて帰れよ。|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~〇×|(あの子たちを見つめるテリーさん、なんだか……。)|
|~テリー・ボガード|ん? どうした、×。俺の袖を引っ張って。|
|~〇×|いえ、その……。|
|~テリー・ボガード|なんだ? あんたもあの子たちみたいに、&br;手を繋いでほしくなったか?|
|~〇×|……!|
|~テリー・ボガード|なら、これでオッケーだな。|
|~〇×|(さっきのテリーさん、なんだか寂しそうに見えたけど……。&br;気のせいだったのかな。)|
|~テリー・ボガード|……なぁ、×。|
|~テリー・ボガード|よかったら、もう少し付き合ってくれないか?&br;連れて行きたいところがあるんだ。|
#endregion

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**3話 [#story_03]
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(連れて行きたいところがあるって言われてついてきたけど、&br;この一軒家、誰の家なんだろう……。)|
|~テリー・ボガード|さあ、遠慮せずに入ってくれ。|
|~〇×|え? お邪魔しちゃっていいんですか?|
|~テリー・ボガード|ああ、もちろんだ。|
|~〇×|ええと、それじゃあ……お邪魔します。|
|~テリー・ボガード|散らかってるから足元には気をつけてくれ。|
|~〇×|はい。|
|~〇×|(掃除道具や段ボールが無造作に置かれてる。&br;何かの作業中……なのかな?)|
|~〇×|テリーさん、ここはいったい……?|
|~テリー・ボガード|ここは、俺の秘密基地さ。|
|~〇×|えっ。テリーさんの?|
|~テリー・ボガード|ああ。俺の……というか、俺たちのって言うほうが正解か。|
|~テリー・ボガード|ここは俺とアンディ、それから……。&br;父さんと暮らしてた家なんだ。|
|~〇×|(それじゃここは、テリーさんの実家ってこと?)|
|~テリー・ボガード|長いことほったらかしだったんだが、もう一度住めるように&br;今、片づけてる最中でな。|
|~テリー・ボガード|ただアンディには内緒にしてるから、あんたも黙っててくれるか?|
|~〇×|わかりました。|
|~テリー・ボガード|それから……もしよかったらこっちにいる間、片づけを手伝って&br;もらえると嬉しいんだが……。|
|~テリー・ボガード|もちろん、あんたがヒマな時でいい。|
|~〇×|私でよければ喜んで!|
|~テリー・ボガード|サンキュー! すごく助かるぜ、ありがとうな。|
|~〇×|その手伝いって今からでもいいですか?&br;せっかく連れてきてもらったので何かしたくて。|
|~テリー・ボガード|お、さすが×。やる気ゲージMAXだな!|
|~テリー・ボガード|もちろんいいぞ。何か必要なものとか、わからないことがあれば&br;なんでも聞いてくれ。|
|~〇×|はい! ……あ。優先して片づけたい部屋があれば、&br;教えていただけると嬉しいです!|
|~テリー・ボガード|……そうだな。それじゃまず、俺と×の部屋を&br;決めるところから始めるか。|
|~〇×|えっ!?|
|~テリー・ボガード|ん?|
|~〇×|えっと……私の部屋っていうのは……。|
|~テリー・ボガード|必要だろう?&br;×はもう俺の家族も同然なんだからさ。|
|~〇×|(か、家族……!?)|
|~テリー・ボガード|やっぱり日当たりのいい部屋がいいか。どう思う?|
|~テリー・ボガード|……って、どうした。顔が赤いぞ。|
|~〇×|ええっと、これは……。|
|~〇×|(だって今の言い方だと、まるでプロポーズみたいで……。)|
|~〇×|と、とりあえず、どんな部屋があるのか見せてもらっても&br;いいですか?|
|~テリー・ボガード|ああ、もちろん。こっちだ。|
|~〇×|ふぅ……。|
|~〇×|(まだ顔が熱い……。テリーさんに変に思われなかったかな。)|
|~〇×|(いきなり家族って言われた時は驚いたけど……テリーさんが&br;今でも大切にしているこの場所で家族になれたら……。)|
|~〇×|(……素敵、だろうな。)|
|~テリー・ボガード|おーい、×!|
|~〇×|はい、今行きます!|

#endregion

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**4話 [#story_04]
#region(ネタバレ注意)
|>|京チームと社チームの試合を控えた、ある日――|
|~テリー・ボガード|なぁ、×。|
|~〇×|はい?|
|~テリー・ボガード|手の空いている時に手伝ってほしいって言ったのは俺だが……。&br;もうすぐ京たちの試合だろう? サポートはいいのか?|
|~〇×|大丈夫ですよ。チームとしてのトレーニングは午前中に終わって、&br;午後からは自由時間なんです。だから、ぜひ手伝わせてください!|
|~テリー・ボガード|そうか。そういうことなら大歓迎だ。|
|~〇×|片づけ、だいぶ進みましたよね。&br;積んであった段ボールの数もだいぶ減りましたし。|
|~テリー・ボガード|ああ。×が手伝ってくれたおかげで足の踏み場もできたし。&br;これなら、俺が思ってたよりも早く住めるようになるかもな。|
|~テリー・ボガード|……待て。×。|
|~〇×|テリーさん……?|
|~テリー・ボガード|誰かが家に入った気配がある。|
|~〇×|え!?|
|~テリー・ボガード|シー……。|
|~テリー・ボガード|……物音はしないからもう立ち去った後かもしれないが、&br;念のため、俺の後ろに隠れたままついてきてくれ。|
|~〇×|は、はい……!|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~〇×|(変わったところがあるようには見えないけど……。&br;テリーさんが言うからには何かあるんだよね。)|
|~〇×|(……まさか、空き巣? それとも強盗……!?)|
|~テリー・ボガード|! これは……。|
|~〇×|な、なんですか? テリーさん……!|
|~〇×|(テリーさんの背中で何も見えない……!)|
|~テリー・ボガード|……×、もう前に出てきて大丈夫だ。&br;お客さんはソファでお休みみたいだからな。|
|~〇×|……それって大丈夫なんですか?|
|~テリー・ボガード|ああ。|
|~〇×|――えっ。小さな女の子……?|
|~女の子|……んっ。んんー……。|
|~〇×|(あ、起こしちゃったかな。)|
|~テリー・ボガード|グッドモーニング。|
|~女の子|パパ、ママ……?|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~〇×|…………。|
|~〇×|……ええっ!?|
|~テリー・ボガード|まさか……×の隠し子とかじゃないよな?|
|~〇×|ち、違いますよ! なんでそうなるんですか!?|
|~テリー・ボガード|ハハッ、だよな。&br;先に言っておくが、俺の子でもないからな。|
|~女の子|……ちがう。パパ、どこ……。ふぇっ、えーん……!|
|~〇×|あぁ……! 大きな声出して怖かったよね、ごめんね。|
|~女の子|ふぇぇ……ひっく……っ。パパぁ、ママぁ……。|
|~〇×|よしよし。大丈夫だからね。|
|~〇×|(空き巣や強盗じゃなくてよかったけど……。&br;この子は、どうしてここにいたんだろう……?)|
|~テリー・ボガード|×がそうやって、膝の上に子どもを乗せてあやしてると、&br;本当の母親みたいだな。|
|~〇×|そ、そんなことないと思いますけど……!|
|~〇×|(テリーさんの眼差しが優しくて、なんだかくすぐったい……。)|
|~リンファ|……リンファ、パパを探してたの。|
|~テリー・ボガード|おっ。×のおかげで泣き止んだみたいだな。|
|~テリー・ボガード|なあ、パパを探してたっていうのはどういうことなんだ?|
|~リンファ|パパがお仕事に行ったまま、帰ってこないの。&br;ずっとずっとおうちで待ってたけど……。|
|~〇×|待てなくなっちゃったのかな?|
|~リンファ|……うん。それであっちこっち歩いてたんだけどね、&br;疲れちゃってここで休んでたの。|
|~テリー・ボガード|なるほどな。リンファがここにいた理由はわかった。&br;けど、勝手に家を出てきたら、ママが心配するだろう?|
|~リンファ|……ママはもういないの。|
|~テリー・ボガード|……そう、か。&br;なら、パパが帰ってこなくて不安になるのも当然だよな。|
|~テリー・ボガード|そういうことなら俺に任せろ。&br;人探しはお手のものだ。&br;俺が必ずリンファのパパを見つけてやるから、安心しろ。|
|~リンファ|ほんとう!?|
|~テリー・ボガード|ああ。約束だ!|
|~〇×|(さっき、テリーさんは私のことをお母さんみたいって&br;言ったけど……。)|
|~〇×|(リンファちゃんの頭をなでてるテリーさんも、&br;まるでお父さんみたいに見える。)|
#endregion

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**5話 [#story_05]
#region(ネタバレ注意)
|~テリー・ボガード|それじゃ早速だが、リンファのパパのことを俺たちに教えてくれ。&br;パパは出かけるとき、どんな格好だった?|
|~リンファ|えっとね、スーツ着てたよ。あと……そう!&br;手首にお花の模様があるの。|
|~テリー・ボガード|オーケー。その調子でパパのことを俺たちにどんどん教えてくれ。|
|~リンファ|うーん……。|
|~〇×|(あとどんなことを聞いたら手がかりになるかな。&br;……そうだ!)|
|~〇×|お父さんのお仕事は? さっき、お仕事に行ったまま&br;帰ってこなくなっちゃったって言ってたよね。|
|~テリー・ボガード|おっ、いい質問だな。|
|~リンファ|……わかんない。|
|~テリー・ボガード|わからない?|
|~リンファ|パパ、お仕事のことは教えてくれないの。&br;ナイショなんだって。|
|~テリー・ボガード|…………。|
|~テリー・ボガード|……×、ちょっといいか。|
|~〇×|? はい。|
|~リンファ|お兄ちゃん?|
|~テリー・ボガード|ん? なんでもない。ちょっとした作戦会議だ。&br;俺たちが相談してる間、リンファにひとつお願いしていいか?|
|~リンファ|なに?|
|~テリー・ボガード|さっき、パパの手首には花の模様があるって言ってただろ?&br;どんな花か、この紙に描いてみてくれないか?|
|~リンファ|わかった!|
|~〇×|……それで、どうしたんですか?|
|~テリー・ボガード|……リンファの父親なんだが、&br;もしかしたらチャイニーズマフィアかもしれない。|
|~〇×|え……。|
|~テリー・ボガード|裏社会の人間は家族に自分の仕事を教えないことが多いんだ。&br;家族を危険に巻き込まないために。|
|~テリー・ボガード|もし、リンファの父親がマフィアだったとしたら、&br;例のアンドロイドたちに襲われてる可能性もある。|
|~〇×|あ……!|
|~〇×|(ネスツ製のアンドロイドが、サウスタウンマフィアやギャングを&br;襲って精神力を奪ってるっていう、あの話……!?)|
|~テリー・ボガード|だから、手遅れになる前に見つけたい。&br;……いや、何があっても見つけてくる。|
|~〇×|それなら、私も手伝います!|
|~テリー・ボガード|×は、この家であの子を守っててくれ。|
|~テリー・ボガード|リンファは今、とても心細いと思うんだ。ひとりには&br;させられない。|
|~テリー・ボガード|だから、あんたにあの子を支えて欲しいんだ。|
|~〇×|テリーさん……。|
|~〇×|(そっか……。テリーさんの言うように、&br;ここであの子のそばについていてあげたほうがいいかも。)|
|~〇×|わかりました。&br;リンファちゃんのことは私に任せてください。|
|~テリー・ボガード|任せたぜ。……それじゃ、行ってくる。|
|~〇×|はい。いってらっしゃい!|
|~リンファ|……パパ、見つかるかな。|
|~〇×|大丈夫。&br;だって、テリーさんはすごいんだから。|
|~リンファ|そうなの?|
|~〇×|うん。……私、少し前に酷い目にあったんだけどね。&br;テリーさんが助けに来てくれたの。|
|~〇×|あの時、テリーさんを見て……私、すごくホッとしたんだよ。|
|~〇×|テリーさんは、そうやっていつも私に希望をくれるの。私が怯えて&br;立ち止まってしまっても、明るい言葉で照らしてくれて……。|
|~リンファ|……??|
|~〇×|(……って、少し難しかったかな。)|
|~〇×|ええっと……テリーさんはサウスタウンのヒーローだから&br;絶対に約束を守ってくれるよ。だから、私と信じて待とう。ね?|
|~リンファ|ヒーロー……。&br;……うん! わかった!|
|~テリー・ボガード|――×、リンファ!|
|~〇×|テリーさん!|
|~リンファ|お兄ちゃん、パパは……?|
#endregion

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**6話 [#story_06]
#region(ネタバレ注意)
|~リンファの父|――リンファ!|
|~リンファ|パパっ!!|
|~リンファの父|どうして家の外に出たんだ。隣のおばさんの家で一緒に&br;待ってるように言っただろう。|
|~リンファ|っ……。だって……。|
|~テリー・ボガード|リンファを怒らないでやってくれ。&br;あんたのことが心配で、いても立っても居られなかったんだ。|
|~テリー・ボガード|生きていく以上、仕事は大事だ。だから、あんたの仕事を&br;どういう言うつもりはない。|
|~テリー・ボガード|けど、家族も大切にしてやってくれ。母親だけじゃなく、&br;あんたまでいなくなったらこの子は悲しむ。わかるだろう?|
|~リンファの父|……はい。|
|~リンファの父|ひとりにして悪かったよ。さあ、一緒に帰ろう。|
|~リンファ|うんっ!|
|~リンファの父|テリーさん、本当にありがとうございました。|
|~テリー・ボガード|礼はいらないさ。&br;その代わり、その子のことを大事にしてやってくれ。|
|~リンファの父|もちろんです。ほら、おまえもふたりに礼を言いなさい。|
|~リンファ|お姉ちゃんの言うとおりだったね!&br;ありがとう、サウスタウンヒーロー!|
|~テリー・ボガード|父子(おやこ)が手を繋いで帰ってる……。いい光景だな。|
|~〇×|本当ですね……。|
|~〇×|あ、それであの子のお父さんはどこに?|
|~テリー・ボガード|チャイナタウンの路地裏だ。&br;仲間のマフィアがアンドロイドに襲われたらしくてな。|
|~テリー・ボガード|あの子の父親はそのアンドロイドを追いかけて、精神力を&br;奪われそうになってたんだ。|
|~テリー・ボガード|……今回は間一髪のところで助けられた。けど、アンドロイドの&br;被害にあってるのはひとりやふたりじゃない。|
|~テリー・ボガード|たとえ裏社会の人間だって、家族がいる。&br;そういう人たちのためにも、アンドロイドを止めないとな。|
|~〇×|そうですね。|
|~テリー・ボガード|ところで。&br;俺がいない間、あの子に俺のこと、なんて話したんだ?|
|~〇×|えっ……!? ど、どうしてそんなことを……?|
|~テリー・ボガード|あの子が『お姉ちゃんの言うとおり』って言ってたの、&br;ちゃんと聞いたぜ?|
|~〇×|え、ええっと……。|
|~〇×|……テリーさんの存在が私の心の支えになってるっていう&br;話をしたんです。|
|~〇×|いつでも私に希望をくれて、だから私はつらいことや苦しいことが&br;あっても、前を向いて歩いていけるんだって。|
|~テリー・ボガード|……っ!|
|~テリー・ボガード|ほんっとうにキュートだなぁ、×は!!|
|~〇×|きゃっ……!|
|~テリー・ボガード|まったく。なんだって、あんたはそんなに可愛いんだろうな!&br;本当に和むぜ!|
|~〇×|く、苦しいです、テリーさん……!|
|~〇×|(……!)|
|~テリー・ボガード|俺から、感謝のキスだよ。|
|~テリー・ボガード|……あんたがあの子のそばにいてくれてよかった。&br;本当にありがとな。|
|~〇×|そ、そんな……。私は大したことはしていませんし……。|
|~テリー・ボガード|謙遜なんてしなくていい。あんたも間違いなく、&br;あの子にとってのヒーローさ。|
|~テリー・ボガード|……いつもそばにいてくれた大人がいないっていうのは、&br;それだけで不安になるもんだからな。|
|~テリー・ボガード|そんな時に大人がそばにいてくれる。それは、あんたが&br;思っている以上に大きな意味があるんだよ。|
|~テリー・ボガード|あの日、あの時も……×がそばにいてくれたら&br;よかったのにな。|
|~〇×|あ……。|
|~〇×|(……テリーさんはお父さんを失った時、この家にいたのかな。)|
|~〇×|(アンディさんとふたりで。子どもたちだけで、ここに……?)|
|~〇×|私も、その時にテリーさんのそばにいてあげたかった……。|
|~テリー・ボガード|×……。|
|~〇×|リンファちゃんだけじゃなくて、&br;テリーさんのヒーローにもなりたかったです。|
|~テリー・ボガード|ハハッ。何言ってるんだ。|
|~テリー・ボガード|あんたはとっくに俺のヒーローになってるよ。|
|~〇×|え……? 私が?|
|~テリー・ボガード|ああ。俺の中の狼を起こしてくれたのは、誰だっけ?|
|~〇×|あ……。|
|~テリー・ボガード|そうだ。他の誰でもない、あんただ。|
|~テリー・ボガード|×は俺の女神で、俺のヒーロー。&br;そして何より大切な……俺の愛しい恋人だ。|
#endregion

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**エピローグ [#story_07]
#region(ネタバレ注意)
|>|サウスタウンKOF終結後、日本にて――|
|~テリー・ボガード|ワオ……こいつはすごい。&br;やっぱり、桜は日本のシンボルだな。|
|~〇×|ふふ。……でも、驚きました。『日本で桜を一緒に見よう』って&br;連絡の後、すぐにテリーさんが来たので。|
|~〇×|サウスタウンKOFで優勝したばかりなのに。&br;忙しかったんじゃないですか?|
|~テリー・ボガード|まあ、インタビューの依頼はひっきりなしに来るが、&br;桜の奴は待ってくれないからな。|
|~テリー・ボガード|サウスタウンにも桜はあるが、向こうにはあんたがいない。&br;だから、やっぱり日本に来ないとな。|
|~〇×|テリーさん……。|
|~テリー・ボガード|それに、あんたには直接、謝らないといけないことも&br;あったし……。|
|~テリー・ボガード|その、俺の家のこと……本当に悪かった!|
|~〇×|い、いえ。気にしないでください……!|
|~〇×|(まさか、テリーさんの実家がもう人手に渡っていて、&br;それを知らずに片付けをしていたなんて思わなかったな。)|
|~テリー・ボガード|ま、長いことほったらかしにしてくれた買い手のほうも&br;悪いよな……。|
|~テリー・ボガード|むしろ、『掃除する手間が省けて助かった』、&br;なぁんて笑ってったっけ。|
|~テリー・ボガード|代わりにアンディにはめちゃくちゃ怒られたけどな。|
|~テリー・ボガード|まさか俺が今更実家に住もうとしてるなんて考えてなかったとか、&br;そういうことは先に相談してくれとか、いろいろ言われたよ。|
|~テリー・ボガード|……俺自身、どこか一ヶ所に腰を落ち着けようなんて思う日が&br;来るなんて、あんたと出会うまで想像もしてなかったしな。|
|~テリー・ボガード|けど今思うと、俺の理想ばかり押しつけて、&br;あんたのことを考えてなかった。|
|~テリー・ボガード|悪かったな。|
|~〇×|いいえ、そんな! 短い間でしたけど、あの家でテリーさんと&br;これからのことを考えながら過ごすのは楽しかったです。|
|~テリー・ボガード|×……。|
|~テリー・ボガード|サウスタウンであんたと暮らすっていうのは夢で終わったが、&br;俺はもうひとつの夢を諦めるつもりはないぜ。|
|~〇×|え? もう一つの夢……?|
|~テリー・ボガード|あんたと家族になるって夢だ。|
|~〇×|……!|
|~〇×|(桜がさっきより輝いている……?)|
 
&attachref(アルバム /サイドスチル/SSスチル2_テリー・ボガード.jpg,zoom,テリー・ボガード,356x200);
 
|~テリー・ボガード|……なあ、×。&br;あれから、俺もいろいろ考えた。|
|~テリー・ボガード|あんたはここで、大門道場の管理人っていう仕事がある。|
|~テリー・ボガード|あんたは途中で仕事を投げ出すようなことはしないだろうし、&br;させたくない。あんたの仕事は俺にとっても特別だ。|
|~テリー・ボガード|もし、あんたが道場の管理人でも、京チームのマネージャーでも&br;なかったら、俺と出会えてなかったかもしれないだろ?|
|~テリー・ボガード|だから、あんたの仕事は尊重したい。&br;けど、すぐに会える距離にあんたがいないのは寂しい。|
|~テリー・ボガード|だったら、俺がこっちに腰を落ち着ければいい。&br;名案だろ?|
|~テリー・ボガード|もう住む家も考えてあるんだ。&br;けど、勘違いしないでくれ。何も今すぐにってわけじゃない。|
|~テリー・ボガード|さっきも言ったが、仕事もあるだろうしな。|
|~テリー・ボガード|だから、いつかでいい。|
|~テリー・ボガード|……さっき、あんた言ったよな。『あの家で俺とこれからのことを&br;考えながら過ごすのは楽しかった』って。|
|~テリー・ボガード|俺も同じだ。|
|~テリー・ボガード|だから、あんたとの『これから』を、また一緒に考えていきたい。&br;あんたと家族になれる場所を一緒に作っていきたいんだ。|
|~テリー・ボガード|その場所が、新しい俺の――俺たちの家になる。|
|~テリー・ボガード|愛してる、×。|
|~テリー・ボガード|もし『YES』なら、この手を取ってくれないか?|
#endregion

//----------

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