カードストーリー /リョウ・サカザキ の変更点

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#contents

*SSR [#SSR_story]
**覚悟の眼差し [#SSR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(ふう……あとはフライパンを洗わなくちゃ。)|
|~リョウ・サカザキ|〇、忙しいところ悪いが、ちょっといいか?|
|~〇×|え? はい。大丈夫ですけど、どうしたんですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや、ちょっと頼みがあるんだが……。|
|~〇×|頼み?&br;……あ、もしかして、おなか減ってきちゃいました?|
|~〇×|今、何か出しますね。残り物でもよければ&br;すぐ用意できるので、ちょっと待っててください。|
|~リョウ・サカザキ|い、いや、そうじゃないんだ。腹は減ってない。|
|~〇×|それじゃあ……もしかして、&br;トレーニングでどこかケガしちゃったとかですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや、違う。どこもケガはしていない。&br;気を遣ってもらって悪いな。|
|~〇×|いえ、私は構いませんけど……。&br;何かお困りごとですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや、まあ『困ってる』と言えば、&br;そうなのかもしれないんだが……。|
|~〇×|(リョウさんどうしたんだろう?&br;なんだか、ちょっと話しづらそうな感じだな……。)|
|~〇×|ごめんなさい。まだ洗い物が残ってて……。&br;洗いながらでよければ、ゆっくりお話聞きますね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、仕事中だっていうのに、手間を取らせてすまない。|
|~〇×|いいえ、そんな事は……。&br;それに私、リョウさんとお話しするの好きですから。|
|~リョウ・サカザキ|そうなのか? 俺はあまり喋る方じゃないってのに。|
|~〇×|確かにリョウさんは口数が多い方ではないですけど、&br;私の知らないことを知っていて、話してて楽しいです。|
|~リョウ・サカザキ|本当か? はは、なんだか照れるな……。|
|~〇×|(あ、笑ってくれた。&br;少し、話しを切り出しやすい雰囲気になったかなあ……。)|
|~リョウ・サカザキ|ええと、〇に頼みってのはだな……。&br;仕事が一段落したら、俺の部屋に来てほしいんだ。|
|~〇×|え? リョウさんのお部屋に?&br;ええ、伺えますけど、どうかしたんですか――?|
|~〇×|――あ、あれ? リョウさん?|
|~〇×|(……洗い物してて、いなくなったの気付かなかった。)|
|~〇×|(部屋に来てほしい事情は分からないけど、&br;洗い物が終わったら、行ってみよう。)|
|~〇×|リョウさん、私です。入ってもいいですか?|
|~リョウ・サカザキ|〇、わざわざ来てもらって悪かったな。&br;入ってくれ。|
|~〇×|はい。おじゃまします。|
|~〇×|(部屋の中、リョウさんらしい雰囲気だなあ……。)|
|~リョウ・サカザキ|そこに座ってくれ。楽にしてくれていいからな。|
|~〇×|はい。失礼します。|
|~リョウ・サカザキ|今、お茶を入れるから待っていてくれ。|
|~〇×|い、いえそんな、お気遣いなく……!|
|~〇×|あ、あの、&br;どうして私をリョウさんの部屋に呼んだんですか……?|
|~リョウ・サカザキ|ああ……少し話しにくくてな。&br;部屋でなら、落ち着いて話せると思ったんだ。|
|~リョウ・サカザキ|〇は、仕事中だったってのに、&br;呼び出してしまって、本当にすまない。|
|~〇×|謝らないでください。&br;私はちゃんと聞きますから、焦らず話してくださいね。|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう。そう言ってもらえて助かる。|
|~〇×|いえ、こちらこそ、リョウさんにはお世話になってますから。&br;お話を聞くくらい、なんてことないです。|
|~〇×|(どんな話かは分からないけど、もし何か悩みとかなら、&br;力になってあげたいもんね。)|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう。……じゃあ、話をさせてもらう。|
|~〇×|はい。どうぞ、なんでも話してください。|
|~リョウ・サカザキ|その、実はだな。&br;〇に……つ、つ――|
|~リョウ・サカザキ|――つ、つき……。|
|~リョウ・サカザキ|その……。|
|~リョウ・サカザキ|……付き合ってくれないか?|
|~〇×|え?&br;つ、付き合う……!?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。&br;〇に、付き合ってほしいんだ。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|すまないな、〇。妹の誕生日プレゼント選びに&br;付き合ってもらって。|
|~〇×|いえ、リョウさんのお手伝いなら、&br;喜んでお付き合いしますよ。|
|~〇×|(リョウさんが言ってた『付き合ってほしい』って、&br;『買い物に付き合ってほしい』って意味だったんだな。)|
|~〇×|(……一瞬、別の意味かと思ってびっくりしちゃったのは、&br;内緒にしておこう。)|
|~リョウ・サカザキ|俺は、女性向けの店がどこにあるかわからないし、&br;〇が頼みを聞いてくれて助かったよ。|
|~〇×|私でお力になれて、よかったです。|
|~〇×|あの、どうしてさっきは買い物に付き合ってほしいこと、&br;なかなか言ってくれなかったんですか?|
|~リョウ・サカザキ|あー……あれはだな、色々考えすぎてしまったんだ。|
|~リョウ・サカザキ|俺が具体的に店を探して〇に頼むのがいいかとか、&br;〇は店に詳しいだろうし、聞いた方がいいか、とかな。|
|~リョウ・サカザキ|それに、俺みたいな男がこういう店で、&br;可愛らしいものを買うのは似合わないと思ってな……。|
|~リョウ・サカザキ|言い出すのが恥ずかしくて、&br;なかなか〇に、話を切り出せなかったんだ。|
|~〇×|そうだったんですか、それであんなに言いにくそうに&br;されてたんですね。|
|~〇×|でも、妹さんへのプレゼントを&br;探したいなんて……リョウさんは優しいお兄さんなんですね。|
|~リョウ・サカザキ|『優しいお兄さん』? そりゃあ、妹の喜んだ顔を見たいが、&br;そう言われるとなんだか照れるな。|
|~リョウ・サカザキ|さて、それじゃあどれにするか選ぶか。&br;……しかし、これだけ品物があると悩んでしまうな。|
|~〇×|そうですねえ……。&br;そうだ、リョウさんの妹さんはどんなものが好きなんですか?|
|~リョウ・サカザキ|うーん……そうだな。&br;……こんなのだろうか? ……いや、それともこれとか。|
|~〇×|(キャラクターのキーホルダーにプラスチックのイヤリング。&br;……妹さん、まだ小さい子なんだろうな。)|
|~〇×|妹さんとリョウさん、随分と歳が離れてるんですね。|
|~リョウ・サカザキ|いや、それほど離れてはいないが、なんでだ?|
|~〇×|ずいぶん可愛らしい雑貨を選んでらっしゃるので、&br;そうなのかなって思って。|
|~リョウ・サカザキ|いや、妹くらいの歳だとこういうのが好きかと思ってな。&br;でも、俺が贈ったものにはいつも文句を言われるんだよなあ。|
|~リョウ・サカザキ|……もしかして、俺の選ぶものが悪いから、&br;毎年誕生日プレゼントを贈るたびに、文句を言われるのか?|
|~リョウ・サカザキ|そうだとすると、妹には悪いことをしてたかもな……。|
 
|①|>|CENTER:~気にしないほうがいいですよ|
|~|~〇×|贈ったものと相手の好みが合わないなんて、よくありますよ。&br;今までのことは、あまり気にしないほうがいいですよ。|
|~|~リョウ・サカザキ|ああ……そうだな。&br;今更どうこう言ったってしょうがないことだな……。|
 
|②|>|CENTER:~毎年プレゼントをあげてるんですね|
|~|~〇×|そうだったとしても、毎年誕生日にプレゼントを&br;贈るお兄さんだなんて、素敵じゃないですか!|
|~|~リョウ・サカザキ|ありがとう。&br;そう言ってもらえると救われるな。|
 
|~リョウ・サカザキ|……そうだ。〇がもらうとしたらどんなものがいい?&br;女性の意見を聞かせてくれないか。|
|~〇×|私が欲しいものですか? そうですねえ……。&br;……あ、このネックレス素敵ですね。こっちの髪飾りも。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど、女性はそういった見た目のものが好きなのか。|
|~〇×|そうですね。私だったらこういったデザインのものを、&br;贈ってもらえたら嬉しいです。|
|~リョウ・サカザキ|そうなのか。……うーむ。よくわからないが、&br;確かに〇に、似合いそうな気はするぞ。|
|~〇×|本当ですか? ありがとうございます。|
|~〇×|(そういえば、こんなふうに小物を眺めるの久しぶりだな。&br;しかも今日はリョウさんと一緒だし、なんだか楽しい。)|
|~〇×|……あ、これ、すごい素敵!|
|~リョウ・サカザキ|ん? どれだ?|
|~〇×|このキーホルダーです。&br;私だったら、こんなプレゼントを贈られたいです。|
|~〇×|(このキーホルダー、すごく好きな感じ。&br;道場の鍵につけたら可愛いだろうなあ……。)|
|~リョウ・サカザキ|……〇、それが欲しいのか?|
|~〇×|え? あ、いえ、ごめんなさい。&br;自分の好きなものに夢中になっちゃって!|
|~〇×|さ、妹さんへのプレゼント選びの続きをしましょう。|
|~リョウ・サカザキ|あ……ああ、そうだな。|
|~リョウ・サカザキ|…………。|
|~〇×|(あれ? リョウさんどうしたんだろう。&br;プレゼント、どれを買うか悩んでるのかな?)|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|〇、今日は買い物に付き合ってくれてありがとう。&br;おかげで、妹の誕生日プレゼントが買えたよ。|
|~〇×|いえ、お手伝いができたなら良かったです。&br;妹さん、喜んでくれるといいですね。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。今年は〇も一緒に選んでくれたし、&br;少なくとも、文句は言われずに済むだろう。|
|~リョウ・サカザキ|えーと、あとはだな……、&br;〇に、今日のお礼をしたいんだが……。|
|~〇×|お礼、ですか?|
|~リョウ・サカザキ|今日、買い物に付き合ってくれただろう。&br;そのお礼をさせてほしいんだ。|
|~〇×|いえ、気にしないでください。&br;私、今日すごく楽しかったんですから。|
|~リョウ・サカザキ|いいや、それでは俺の気が済まない。&br;頼む。礼をさせてくれ。|
|~〇×|……わかりました。&br;ありがとうございます。|
|~リョウ・サカザキ|良かった!&br;よし、それじゃあ行ってくる!|
|~〇×|え? 行ってくるって……?&br;ちょ、ちょっとリョウさん!?|
|~〇×|ま、待ってください!&br;どこに行くんですか!?|
|~〇×|はあ……はあ……。リョ、リョウさんはどこ……。|
|~〇×|(あれ? リョウさんを追いかけて着いたここって……。&br;さっき妹さんへのプレゼントを買ったお店だ。)|
|~リョウ・サカザキ|あ、〇!? 追いかけてきてくれたのか?|
|~リョウ・サカザキ|すまん、〇を置いて行ってしまって。&br;けっこう走っただろう。大丈夫か?|
 
|①|>|CENTER:~びっくりしました|
|~|~〇×|ちょっとびっくりしましたけど大丈夫です。&br;それより、リョウさんを見失わなくて良かった……。|
|~|~リョウ・サカザキ|いや、俺が悪かった。早く礼を渡したいと思ったら、&br;『待っててくれ』と言う前に、つい身体が動いてしまった。|
 
|②|>|CENTER:~疲れちゃいました|
|~|~〇×|……はあ……はあ……だ、大丈夫です。&br;で、でもちょっと、疲れちゃいました……。|
|~|~リョウ・サカザキ|無理をさせてしまって、本当にすまない……!&br;早く礼を渡したいと思ったら、走り出してしまった……。|
 
|~〇×|……もしかして、私に何かお礼をしてくださるために、&br;このお店に走って来たんですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。〇が喜ぶものを渡したいと思ってな。&br;……これ、なんだが――|
 
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|~〇×|え? ……そのキーホルダーって――?|
|~〇×|(私が『こんなプレゼントを贈られたい』って&br;言ったやつ……だおね?)|
|~リョウ・サカザキ|さっき、これを〇が、&br;随分気に入っていたように見えたんだが……。|
|~リョウ・サカザキ|俺は、女性の気持ちに鈍感だからな。&br;間違っていたらすまん。|
|~〇×|間違ってないです。これ、素敵だなって思ってました。&br;ありがとうございます。すごく嬉しいです……!|
|~リョウ・サカザキ|そ、そうか、良かった……!|
|~リョウ・サカザキ|……はあ。妹以外の女性に、プレゼントを贈ることなど、&br;あまり経験していないから、ものすごく緊張したぞ。|
|~〇×|緊張するほど真剣に、私に何を贈るか考えてくれたんですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、買い物にい付き合ってくれた礼なんだ、当然だ。&br;それに、絶対に〇が喜ぶものを、贈りたかったからな。|
|~〇×|(そんなふうに思ってもらえるなんて、嬉しいな。)|
|~リョウ・サカザキ|……〇に喜んでもらえてほっとしたせいか、&br;どうも腹が減ってきたな。|
|~〇×|それじゃあ、どこかにお茶をしに行きましょうか?|
|~リョウ・サカザキ|そうだな! それはいい考えだ。|
|~〇×|じゃあ、どこかお店に入りましょう。&br;うーん、このあたりだと、そうですねえ……。|
|~リョウ・サカザキ|待ってくれ、今日は〇に、妹へのプレゼントを買う店を&br;考えてもらったからな。&br;茶をする店は俺が考えよう。|
|~〇×|ふふっ……、それじゃあお願いします。|
|~リョウ・サカザキ|よし、どこにするか……。&br;あれだな、やはりたくさん食べられる店がいいだろうか?|
|~リョウ・サカザキ|……あ、いや、腹が減ってるからつい。&br;〇は、料理の量が多いかは、気にならないよな。|
|~リョウ・サカザキ|俺は、女性が好きそうなしゃれた店は知らないからなあ。&br;……ううむ。選ぶと言っておいて、すまん。|
|~〇×|でも、私はリョウさんが選んでくれたお店に行きたいですよ?&br;私と行きたいところを選んでくれるのが、嬉しいんです。|
|~リョウ・サカザキ|そうか、ありがとう。&br;それじゃあ、歩きながらどこに入るか考えるかな。|
|~〇×|はい。そうしましょう!|
#endregion



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**今宵だけは踊らせて [#SSR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|皆それぞれ、&br;会場内の見回りに行ったようだな。|
|~リョウ・サカザキ|それじゃあ、俺達も行くとするか。|
|~〇×(主人公)|あ、リョウさん、待ってください。|
|~リョウ・サカザキ|どうした?|
|~〇×|あの……一応恋人のふりをするんですから&br;せめて横に並んで歩きませんか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ、すまん。そうだったな。|
|~リョウ・サカザキ|じゃあ、俺の傍から離れるなよ。|
|~〇×|はい、わかりました。|
|~リョウ・サカザキ|それにしても、すごい人だな。|
|~〇×|人気の俳優さんですしね。&br;でも、これだけ人脈があるのはすごいです。|
|~リョウ・サカザキ|こんなパーティーのどこが面白いんだか。&br;息苦しい格好をしてまで、参加したいとは思わんな。|
|~〇×|(リョウさんはいつも道着だから&br;パーティー用のスーツは慣れないだろうな。)|
|~〇×|(でも、いつもの格好も素敵だけれど&br;正装したリョウさんも……。)|
|~リョウ・サカザキ|おい、怪しい奴はいそうか?|
|~〇×|いえ、まだ……あっ!|
|~リョウ・サカザキ|おいおい、大丈夫か?|
|~〇×|すみません、ちょっとヒールがぐらついてしまって。|
|~リョウ・サカザキ|あんたのその格好も動きづらそうだな。|
|~〇×|そうですね。&br;やっぱり、こういった服は慣れないです。|
|~リョウ・サカザキ|まあ、犯人と何かあったとしても&br;俺が隣にいるから安心しろ。|
|~〇×|は、はい。&br;ありがとうございます。|
|~〇×|(リョウさん……慣れない格好で犯人を&br;探さなきゃいけない上に、私の心配まで……。)|
|~〇×|(犯人を見つけ出す前に&br;疲れきってしまいそう……。)|
|~〇×|(あ、あそこにソファがある。&br;そうだ……。)|
|~〇×|あの、リョウさん……。|
 
|①|>|CENTER:~少し休憩しませんか?|
|~|~〇×|少し休憩しませんか?|
|~|~リョウ・サカザキ|どうした、もう疲れたのか?|
 
|②|>|CENTER:~あそこのソファで休みませんか?|
|~|~〇×|あそこのソファで休みませんか?|
|~|~リョウ・サカザキ|どうした。&br;まだ怪しい奴も見つけていないぞ?|
 
|③|>|CENTER:~ちょっと疲れてしまって……|
|~|~〇×|ちょっと、疲れてしまって……。|
|~|~リョウ・サカザキ|大丈夫か? 無理はするな。|
 
|~〇×|この人混みに酔ってしまったみたいで……。&br;少しだけソファに座ってもいいですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ、それなら少し休憩しよう。|
|~〇×|ありがとうございます。|
|~〇×|(良かった。リョウさんは真面目だから&br;こうでも言わないと休んでくれないよね。)|
|~〇×|ここに座りましょうか。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、そうだな。&br;ついでに俺も一息つかせてもらうか。|
|~リョウ・サカザキ|ふう……。&br;こういったスーツはやはり慣れないな。|
|~リョウ・サカザキ|ネクタイも鬱陶しい上に、上着も暑苦しい。&br;まったく、動きづらくてかなわん。|
|~〇×|(あっ……今のタイを緩める仕草って、何だか……。)|
|~〇×|(やっぱり今日のリョウさんは&br;いつもと違うかっこよさがあるなあ。)|
|~リョウ・サカザキ|どうした?&br;俺の顔に何かついてるのか?|
|~〇×|あ、いえ!&br;なんでもないです!|
|~リョウ・サカザキ|そうか?&br;じっと見られていたような気がしたが。|
|~リョウ・サカザキ|おかしなところがあるのなら、遠慮なく教えてくれ。|
|~〇×|変なところなんてないですよ。&br;スーツも、良く似合っています。|
|~リョウ・サカザキ|そうか? それならいいんだが。&br;この服もロバートの奴に無理やり着せられてな。|
|~〇×|(リョウさんに見惚れていましたなんて&br;恥ずかしくて言えない……。)|
|~〇×|そうだ。私、飲み物を取ってきますね。&br;何か飲みたいものありますか?|
|~リョウ・サカザキ|おい、俺から離れるな。&br;どんな奴が潜んでいるのか分からないんだぞ。|
|~〇×|少しくらいなら大丈夫ですよ。&br;それにテリーさんたちも近くにいますし。|
|~リョウ・サカザキ|今は俺があんたをエスコートしているんだ。&br;俺が守らなくてどうする。|
|~リョウ・サカザキ|あんたには俺がいるのに&br;他の男に守らせるわけにはいかない。|
|~〇×|で、でも……。|
|~リョウ・サカザキ|恋人なんだから、あんたは俺が必ず守る!|
|~〇×|……!|
|~リョウ・サカザキ|俺と恋人同士だという自覚をちゃんと持て。&br;それから……って何で顔を赤くしてるんだ?|
|~〇×|そ、それは、リョウさんが&br;恋人とか言うから……。|
|~リョウ・サカザキ|なっ! 恋人と言っても&br;そういう役割の話だからな……!|
|~〇×|は、はい……。&br;分かってはいるんですけど……。|
|~リョウ・サカザキ|まったく……。|
|~リョウ・サカザキ|飲み物は俺が取りに行ってやる。&br;あんたはもう少しここで休んでろ。|
|~〇×|は、はい。ありがとうございます。|
|~〇×|(潜入捜査のためだって、わかってはいるけど&br;あんな風に言われたらドキドキしちゃうなあ。)|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|さて、そろそろ行くか。|
|~〇×(主人公)|はい。|
|~リョウ・サカザキ|ところで……さっきの話ではないが&br;俺達はちゃんと恋人同士に見えているだろうか?|
|~リョウ・サカザキ|エスコートと言ってもあまり経験がなくてな。&br;どうすればいいのか、いまいちわからん。|
|~リョウ・サカザキ|しかし、恋人同士ではないとばれて&br;犯人から怪しまれるわけにはいかんしな……。|
|~〇×|たしかに、私たちのことを犯人に気づかれたら&br;計画が台無しになってしまうかもしれませんね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、だから失敗するわけにはいかない。|
|~リョウ・サカザキ|〇、俺はちゃんと&br;あんたのパートナーとして振る舞えているか?|
|~〇×|そ、そうですね……。&br;私もこういった経験はあまりなくて……。|
|~〇×|あ、手を繋いだらそれっぽく見えませんかね。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど、いい考えだ。&br;ん……? だがそれだとグラスが持てなくないか?|
|~リョウ・サカザキ|それに指が絡まっていては&br;何かあった時にすぐに動けんかもしれん。|
|~〇×|確かに……。&br;すみません。手を繋ぐのは、なしですね。|
|~リョウ・サカザキ|残念だが、そのようだ。|
|~〇×|(え、それって……?)|
 
|①|>|CENTER:~残念って、どういう意味ですか?|
|~|~〇×|残念って、どういう意味ですか?|
|~|~リョウ・サカザキ|そ、それは……! こ、恋人らしい&br;振る舞いが分からず残念だと言う意味だ!|
|~|~〇×|あ、そ、そうですよね。|
 
|②|>|CENTER:~やっぱり、手を繋ぎますか?|
|~|~〇×|やっぱり、手を繋ぎますか?|
|~|~リョウ・サカザキ|い、いや、必要ない。&br;他の方法を考えよう。|
|~|~〇×|そうですね。|
 
|③|>|CENTER:~私もです|
|~|~〇×|私もです。|
|~|~リョウ・サカザキ|えっ……?|
|~|~〇×|(あ、つい本音が……。)|
|~|~〇×|な、なんでもないです。|
|~|~リョウ・サカザキ|そ、そうか……?|
 
|~〇×|えっと、それじゃあ&br;どうしましょうか……。|
|~〇×|このまま並んで歩くだけでも&br;私は大丈夫だとは思いますが……。|
|~ロバート・ガルシア|なんや、なんや、ふたりとも!&br;それじゃあ付き合いたての小学生やないかい。|
|~リョウ・サカザキ|む……。|
|~〇×|あ、ロバートさん。|
|~ロバート・ガルシア|ったく、さっきから黙って見とったら&br;ふたりとも、全然なっとらんわ。|
|~リョウ・サカザキ|俺のエスコートに何か問題でもあるのか?|
|~ロバート・ガルシア|大ありや! もっと恋人らしくせな、&br;演技やってバレてまうで?|
|~リョウ・サカザキ|恋人らしくしろと言われてもな……。&br;漠然としすぎて、俺にはさっぱりわからん。|
|~ロバート・ガルシア|安心せい! 約束通りこのロバート様が&br;ちゃんとサポートしたるわ。|
|~ロバート・ガルシア|そうやな、まずは腕を組んでみよか!|
|~〇×|えっと……こうですか?|
|~リョウ・サカザキ|なるほど、これならグラスも持てそうだ。|
|~ロバート・ガルシア|うーん。なんかちゃうなあ。&br;きこちないと言うか……。|
|~ロバート・ガルシア|もっとこう、仲のいい恋人らしくやな~。|
|~〇×|え、これでもまだダメなんですか?|
|~リョウ・サカザキ|これ以上どうしろと言うんだ。|
|~ロバート・ガルシア|ちゃうねん、それだけじゃ何か足りんのや。&br;恋のトキメキっちゅーか、なんちゅーか……。|
|~リョウ・サカザキ|……?|
|~〇×|(どうすればリョウさんと&br;恋人同士に見えるんだろう?)|
|~アンディ・ボガード|ロバート、少しいいかい?|
|~ロバート・ガルシア|ああ、わかった。&br;すまんな、ちょっと行ってくるわ。|
|~ロバート・ガルシア|とりあえず、もうちょっと密着しい!&br;そうすれば少しはらしく見えるはずや!|
|~〇×|(って、そんな――!?)|
|~リョウ・サカザキ|密着……。|
|~〇×|ど、どうしましょうか……。|
|~リョウ・サカザキ|とりあえずそれしか方法がないのなら&br;お互いに体を近づけるしかあるまい。|
|~リョウ・サカザキ|〇、とりあえずもう少しくっついてみてくれ。|
|~〇、|はい……。それじゃあ、失礼します。|
|~リョウ・サカザキ|……。|
|~〇×|(わっ……。)|
|~〇×|(さっきよりもリョウさんとの距離が縮まって&br;何だか恥ずかしい……。)|
|~〇×|(でも、本物の恋人同士ならこのくらい普通なんだろうな。)|
|~〇×|ど、どうでしょうか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。少々歩きにくいが&br;これも捜査のためなら仕方ない。|
|~〇×|よかった。じゃあ、このまま捜査を続けましょうか。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。|
|~テリー・ボガード|お、ふたりともいい感じじゃないか。&br;本物の恋人同士みたいだぞ。|
|~〇×|テ、テリーさん!|
|~テリー・ボガード|リョウもしっかり×をエスコート&br;できているみたいだな。|
|~リョウ・サカザキ|当たり前だ。&br;やるからには中途半端にはできんからな。|
|~テリー・ボガード|ははは、その調子で頼むぜ!|
|~〇×|(よかった、ちゃんと他の人にも&br;恋人同士に見えてるみたいで。)|
|~〇×|(そう思うと少し照れちゃうなあ。でも……。)|
|~〇×|テリーさんからもお墨付きをいただきましたし&br;これで怪しまれることもなさそうですね。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。これでようやく本腰を入れられる。|
|~リョウ・サカザキ|それじゃあ行くぞ。&br;早く犯人を見つけよう。|
|~〇×|はい!|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(テリーさんの活躍もあって、&br;事件は無事に解決できた。)|
|~〇×|みなさん、本当にお疲れさまでした。|
|~ナギ|さすぺんすどらまみたいで僕は楽しかったよ。|
|~ビリー・カーン|まったく、一時はどうなることかと思ったぜ。|
|~テリー・ボガード|ビリーの助言のおかげで助かった。俺ひとりじゃあ、&br;パーティー会場がぶっ飛んでいたかもな。|
|~アンディ・ボガード|もう、兄さん。冗談でもそんなこと……。|
|~ロバート・ガルシア|まあまあ、せっかく事件も解決したんや!&br;パーッと盛り上がろうやないか!|
|~〇×|(みなさんが無事で本当に良かった。&br;もうこんな事件なければいいけど……。)|
|~〇×|(そうだ。リョウさんにエスコートしてもらった&br;お礼を言わなくっちゃ。)|
|~〇×|(って、あれ?&br;リョウさん、どこに行ったんだろう?)|
|~〇×|(ソファで休んでるのかもしれない。&br;ちょっと見て来よう。)|
|~〇×|……。|
|~〇×|(ソファのところにはいなかったな。&br;リョウさん、一体どこに行ったんだろう?)|
|~〇×|(この人混みの中を動き回っても&br;探し出せるかわからないなあ。)|
|~〇×|……。|
|~〇×|(もしかしたら、みんなのところにいるのかもしれない。&br;さっきの場所に戻ってみよう。)|
|~〇×|(え、みんな踊り始めて……?)|
|~〇×|(わあ! すごくキレイにステップ踏んでるなあ。&br;まるで映画のワンシーンみたい。)|
|~〇×|(……今あちこち移動したら、踊っている人の&br;邪魔になっちゃうよね。)|
|~〇×|(みんなのところに戻るのも難しそう。&br;仕方ない、終わるまでここで――)|
|~パーティー客の男性|お嬢さん、踊っていただけますか?|
|~〇×|え!? わ、私ですか?|
|~パーティー客の男性|はい。おひとりなら一曲いかがですか?|
|~〇×|ご、ごめんなさい。人を探しているので……。|
|~〇×|(……びっくりした。)|
|~〇×|(こんな場所で踊るなんて、ほとんど経験ないし&br;その上知らない人となんて……。)|
|~〇×|(それに、どうせ踊るなら……。)|
|~???|お嬢さん、おひとりですか?|
|~〇×|すみません、人を探して――って、え!?|
|~〇×|リョ、リョウさん?|
|~リョウ・サカザキ|悪い、驚かせたようだな。&br;ロバートに言われた通りに声をかけたんだが……。|
|~〇×|ち、違うんです。&br;ちょうどリョウさんを探していて、それで……。|
|~リョウ・サカザキ|俺を? 何か用でもあったのか?|
|~〇×|今日エスコートをしてもらった&br;お礼を伝えたかったんです。|
|~〇×|……改めて、今日はありがとうございました。|
|~リョウ・サカザキ|それなら、俺も礼を言わないとな。&br;あんたが協力してくれたおかげで犯人の目星もついた。|
|~リョウ・サカザキ|うまくエスコートできなかったかもしれんが&br;俺も、いい経験をさせてもらったよ。|
|~〇×|私こそ、貴重な経験をさせていただきました。|
|~リョウ・サカザキ|それにしても、自分がこんなパーティーに&br;参加する日が来るとは驚きだ。|
|~〇×|私もこんなきらびやかなパーティーに&br;自分がいるなんて、まだ不思議な気分です。|
|~〇×|踊ることはできませんが&br;まるで、シンデレラの舞踏会にいるような気持ちです。|
|~リョウ・サカザキ|ああ……。&br;俺も踊ったことなどはないが……。|
|~〇×|……?|
|~リョウ・サカザキ|こんな機会、もう二度とないかもしれないな……。&br;だから――|
|~リョウ・サカザキ|〇、一緒に踊ってくれないか?|
|~〇×|えっ……!?|
|~リョウ・サカザキ|……やはり俺の性に合わないな。|
|~リョウ・サカザキ|ロバートにあんたを誘ってみろと言われたんだが&br;……やはり、やめておくか。|
|~リョウ・サカザキ|すまん、今のは忘れてくれ。|
|~〇×|ま、待ってください。|
|~〇×|あの……私もあまり上手ではないですが&br;リョウさんさえよければ、一緒に踊ってください。|
|~リョウ・サカザキ|……!&br;いいのか?|
|~〇×|もちろんです。|
|~リョウ・サカザキ|それなら、早速あっちで踊るか。|
|~リョウ・サカザキ|そうだ。ロバートにまずはこれを言えと&br;言われていたな。|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_リョウ・サカザキ_今宵だけは踊らせて.jpg,zoom,宵だけは踊らせて,259x200);
 
|~リョウ・サカザキ|コホン……。&br;……お手をどうぞ、お嬢さん。|
|~〇×|(リョウさん、少し震えてる……。)|
|~〇×|(こんなに緊張してるのに私をダンスに&br;誘ってくれたんだ……うれしいな。)|
|~〇×|ふふ、はい!|
|~リョウ・サカザキ|……しかし、どのように踊ればいいのか&br;さっぱりわからんな。|
|~〇×|周りで踊っている人たちの踊りを&br;参考にしてみましょうか。|
|~リョウ・サカザキ|ふむ……。まずはこうやって&br;俺があんたの腰を支えればいいのか?|
|~〇×|は、はい……。&br;それで大丈夫だと思います。|
|~〇×|(さっきエスコートしてもらった時よりも&br;距離が近くて……なんだか照れちゃうなあ。)|
|~リョウ・サカザキ|このまま足をリズムに合わせて動かすようだな。&br;……さて、あんたも準備はいいか?|
|~〇×|あ、はい……きゃっ!|
|~リョウ・サカザキ|……っと!&br;大丈夫か?|
|~〇×|は、はい。ありがとうございます。|
|~リョウ・サカザキ|まったく、気を付け……うわっ!|
|~〇×|きゃっ!?|
|~〇×|(あ……リョウさんの顔が近づいて……。)|
|~リョウ・サカザキ|す、すまん!|
|~〇×|い、いえ! こちらこそ……。|
|~リョウ・サカザキ|はは、やはり性に合わないな。|
|~〇×|私もダンスがこんなに難しいとは&br;思っていませんでした。|
|~〇×|そう考えると、すぐに踊れたシンデレラって&br;実はすごいのかもしれませんね。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。それに、一目でシンデレラを&br;誘えた王子の行動力も流石のものだ。|
|~リョウ・サカザキ|……せっかくの舞踏会だが、&br;俺は王子って柄じゃない。|
|~リョウ・サカザキ|だが、今夜だけは……。|
|~〇×|リョウさん……?|
|~リョウ・サカザキ|俺たちは、俺たちのペースで踊ることにしよう。|
|~〇×|……!&br;はい。私も、そうしたいです。|
|~リョウ・サカザキ|どうせ踊るんだ。ちまちまステップを踏むよりも&br;もっと大きく動いた方が鍛錬にもなりそうだな。|
|~〇×|わわっ、でもそれじゃあ&br;私がついていけませんよ!|
|~リョウ・サカザキ|安心しろ、俺がきっちり支えておいてやる。&br;だから、〇も俺に身を任せてくれ。|
|~〇×|は、はい……!|
|~〇×|(ふたりとも不慣れなステップだし&br;作法もきっとメチャクチャなんだろうけど――)|
|~〇×|(こんな風にリョウさんと踊っていると&br;本当にシンデレラになったような気分だな……。)|
#endregion




-----

**家族のような存在 [#SSR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|>|『極限焼肉渋谷1号店』リニューアルオープンから&br;数日後のこと――|
|~〇×(主人公)|(お店の様子はどうかな。&br;時間があるから、少し見に行ってみよう。)|
|~〇×|こんにちは。|
|~店員A|あっ、×姉さん! お疲れ様っす!|
|~〇×|リョウさんはいますか?|
|~店員A|はい! リョウ兄さんなら、事務室にいるっす!|
|~〇×|ありがとうございます。|
|~〇×|(ふふ。店員さんたち、以前はあんなに不良っぽかったのに&br;すっかり礼儀正しくなったな。)|
|~〇×|(しかも『リョウ兄さん』だなんて、とても懐いてるみたい。&br;私まで『姉さん』て呼ばれるのはちょっと恥ずかしいけど……。)|
|~〇×|(……あれ? 事務室のドア、少し開いてるみたい。&br;これ……リョウさんと店員さんの声?)|
|~リョウ・サカザキ|だから、何度も言ってるだろう。この店はお前たちに任せて、&br;俺は修行に戻る。|
|~リョウ・サカザキ|あくまでも俺は格闘家だ。焼肉屋になるつもりはない。|
|~店員B|待ってください、リョウ兄さん! オレたち、&br;リョウ兄さんがいないとダメなんです!|
|~リョウ・サカザキ|そんなことはない。ここ数日、お前たちの働きを見てきたが&br;俺がいなくても立派に店を切り盛りできる。|
|~リョウ・サカザキ|だいたいお前達だって、リニューアルオープンの日に&br;『あとは自分たちに任せろ』と言っただろう?|
|~店員B|それはそうなんすけど……。|
|~〇×|(なるほど。もしかして店員さんたちは……。)|
|~〇×|失礼します。|
|~リョウ・サカザキ|おお、〇か。どうした?|
|~〇×|少し時間があったので、お店の様子を見に来ました。&br;それで、今のお話が聞こえてしまって。|
|~〇×|立ち聞きするつもりじゃなかったんですけど……すみません。|
|~リョウ・サカザキ|いや、構わん。&br;聞かれて困るような話ではないからな。|
 
|①|>|CENTER:~自分の考えを伝える|
|~|~〇×|あの……私の考えをお伝えしてもいいですか?&br;差し出がましいようで申し訳ないんですけど……。|
|~|~リョウ・サカザキ|差し出がましいなどということがあるものか。&br;お前は常に俺たちのことを考え、広い視野で物事を見ている。|
|~|~リョウ・サカザキ|ぜひ、お前の考えを聞かせてくれ。|
|~|~〇×|そんな、褒めすぎですよ。|
|~|~リョウ・サカザキ|俺の本心だ。|
|~|~〇×|リョウさん……。&br;ありがとうございます。それじゃあ、ええと……。|
 
|②|>|CENTER:~黙って見守る|
|~|~〇×|(私が口を挟むようなことじゃないよね。)|
|~|~リョウ・サカザキ|……どうした、〇。&br;何か言いたいことがありそうだな。|
|~|~リョウ・サカザキ|思うところがあるなら、聞かせてくれ。|
|~|~〇×|はい。それじゃあ……。|
 
|~〇×|リョウさんはこのところずっと、&br;先頭に立ってお店を仕切ってきましたよね。|
|~〇×|そうするうちに、店員さんたちにとってリョウさんは&br;本当のお兄さんのような存在になったんじゃないでしょうか。|
|~〇×|みなさんが『リョウ兄さん』って呼んでるのは、単なる愛称以上に&br;そういう気持ちの表れじゃないかと思うんです。|
|~〇×|ですから、そんな精神的支柱であるリョウさんがいなくなるのは&br;不安も大きいんじゃないかなって。|
|~店員B|はい……その通りっす。|
|~リョウ・サカザキ|お前ら……。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|そこまで俺を慕ってもらえるのはありがたいが……。|
|~リョウ・サカザキ|…………。|
|~リョウ・サカザキ|……わかった。&br;これからもしばらくの間、店に籍を置くことにする。|
|~店員B|ほんとっすか!|
|~リョウ・サカザキ|ただし、お前たちが自分たちだけでやっていけるよう、指導する。&br;俺に甘えず、自立できるよう努力しろ。それが条件だ。|
|~店員B|はい! 他のヤツらもきっと喜ぶっす!&br;オレ、みんなに伝えてきます!|
|~リョウ・サカザキ|まったく……困ったヤツらだ。|
|~〇×|(……と言いつつ、リョウさんが少しだけ嬉しそうに見えるのは&br;私の勘違いかな。)|
|~〇×|(リョウさんにとっても、店員さんたちは可愛い弟みたいな&br;ものなんだろうな……。)|
|~〇×|(あれから、リョウさんは店員さんたちを積極的に&br;指導してるみたい。)|
|~〇×|(気になって、また様子を見に来たけど……。&br;リョウさんはどこかな。)|
|~〇×|あ……いた。|
|~リョウ・サカザキ|うーん……。|
|~〇×|リョウさん、こんにちは。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、〇か。また来てくれたんだな。|
|~〇×|はい。どうしたんですか?&br;なんだか難しい顔で唸ってましたけど……。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。休憩時間に事務作業をやっておこうと&br;思ったんだが、帳簿付けに手こずっていてな。|
|~リョウ・サカザキ|どうやっても計算が合わんのだ。|
|~〇×|帳簿……ちょっと見せてもらってもいいですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ、もちろん構わんが。&br;〇、詳しいのか?|
|~〇×|詳しいというほどではありませんけど、前の会社で&br;経理の手伝いをすることもあったので。|
|~〇×|……あ、わかりました。&br;こことここの数字が間違ってるみたいです。|
|~〇×|これ、税込みの金額ですよね。ここは税抜きで&br;入力するところだと思います。|
|~リョウ・サカザキ|なに? そんな単純なミスだったのか。|
|~〇×|ちょっとお借りしますね。|
|~〇×|……ほら、これで計算もぴったりです!|
|~リョウ・サカザキ|おお……! 助かった、ありがとう!|
|~〇×|お役に立ててよかったです。|
|~リョウ・サカザキ|いや、本当に助かった。&br;どうも俺はこの手の作業が不得手でな。|
|~〇×|私も人に教えられるほど&br;詳しいわけじゃないんですけど……。|
|~〇×|あ、そうだ。わかりやすい簿記入門の本を持ってるので、&br;よろしければお貸ししましょうか?|
|~〇×|簡単な帳簿の付け方ならそれで理解できると思うので。|
|~リョウ・サカザキ|そうか! 貸してもらえるとありがたい。|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~店員C|リョウ兄さん、お茶をお持ちしまし……って、あれ?&br;×姉さん来てたんすね!|
|~店員C|気づかなくてすんません。&br;じゃあ、姉さんの分のお茶も持ってきます!|
|~〇×|えっ、そんな、おかまいなく!|
|~リョウ・サカザキ|いや、出してやってくれるか。&br;〇に教わることが、まだありそうだからな。|
|~リョウ・サカザキ|付き合ってくれるか、〇。|
|~〇×|はい、もちろん、私でよければ。|
|~店員C|…………。|
|~リョウ・サカザキ|ん? どうした、呆けた顔をして。|
|~店員C|お二人って、結婚されてるんじゃないんすか?|
|~〇×|えっ……!|
|~リョウ・サカザキ|けっ……!? ぐっ……ごほっ、ごほっ。|
|~〇×|だ、大丈夫ですか、リョウさん!?|
|~リョウ・サカザキ|あ、ああ……少し茶でむせただけだ。&br;それよりお前、け、け、けっ……こんだと!?|
|~店員C|……違うんすか?|
|~リョウ・サカザキ|違う! あ、いやそれは、その……あれだ、&br;別に嫌だとかしたくないとかそういうことではなくてだな……。|
|~店員C|この店って家族経営みたいなもんじゃないっすか。&br;オーナーはリョウ兄さんのお父さんで……。|
|~店員C|だから、店を手伝ってる×姉さんも&br;サカザキ家のお嫁さん的な人かなーと思ってたんすけど……。|
|~〇×|あ、いえ、そういうわけでは……。|
|~店員C|そうだったんすね。すんません、早とちりして。|
|~店員C|けど、オレらリョウ兄さんも×姉さんも大好きなんで。&br;大好きなお二人が結婚してくれたら、チョー嬉しいっす!|
|~店員C|あ、電話だ。ちょっと失礼します!|
|~リョウ・サカザキ|…………。|
|~〇×|(な、なんか……恥ずかしい……。)|
|~〇×|(でも……あんなふうに私たちのことを&br;好きでいてくれるなんて、嬉しいな。)|
|~リョウ・サカザキ|なんだ、その……すまんな。|
|~〇×|いえ、謝らないでください。……家族経営、かぁ、&br;家族って、なんだかいいですよね。|
|~リョウ・サカザキ|家族、か……。|
|~リョウ・サカザキ|……それも、いいかもしれないな。|
 
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|~〇×|……!|
|~リョウ・サカザキ|その……|
|~リョウ・サカザキ|……これからも、傍にいてくれたら嬉しい。&br;あんたと支え合っていけたらいいと、俺も思う。|
|~〇×|リョウさん……。|
 
|①|>|CENTER:~よろしくお願いします|
|~|~〇×|はい。よろしくお願いします。|
|~|~リョウ・サカザキ|あ、ああ……。|
 
|②|>|CENTER:~もちろんです|
|~|~〇×|はい、もちろんです。&br;……でも、私でいいんですか?|
|~|~リョウ・サカザキ|当たり前だ。あんたはこれまでも、俺のそばに寄り添い、&br;助けになってくれた。|
|~|~リョウ・サカザキ|その……あんたに甘えるだけでなく、&br;俺もあんたの助けになれるよう、精進するつもりだ。|
|~|~〇×|リョウさんは今でも、私にとってとても頼りになる存在ですよ。&br;いつも助けていただいてます。|
|~|~リョウ・サカザキ|〇……。|
 
|~リョウ・サカザキ|い、いいのか? 今のは、その、なんだ、&br;プ、プ、プロ……。|
|~〇×|……?|
|~リョウ・サカザキ|……っ、ダメだ、これ以上は……!|
|~店員C|リョウ兄さーん! 仕入れ先からお電話です!|
|~リョウ・サカザキ|お、おお、そうか! 今行く!|
|~〇×|(リョウさん、どうしたんだろう? 顔が真っ赤だったけど……。)|
|~〇×|(今度、時間があるときゆっくり聞いてみよう。)|
#endregion

//-----
 
''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
Episode:ハーフアニバーサリー ~リョウ・サカザキ編~
|>|極限焼肉店内――|
|~〇×|お肉、美味しいです。|
|~リョウ・サカザキ|……ん、ああ。&br;食べだすと止まらないな!|
|~〇×|(こんなふうに、ささやかだけど&br;リョウさんと打ち上げができて嬉しいな……。)|
|~〇×|お店も盛況が続いてるみたいで、よかったですね。|
|~リョウ・サカザキ|これも、手伝ってくれたみんなのお陰だ。&br;〇も、改めてありがとう。|
|~〇×|お役に立てたなら、嬉しいです。|
|~リョウ・サカザキ|人のために動くことを苦とせず、むしろ喜ぶ……。&br;そういうところはあんたの美徳だな。|
|~リョウ・サカザキ|……出会ってから半年。&br;あんたには、感心するばかりだ。|
|~〇×|リョウさんと出会って、もう半年になるんですか……。|
|~〇×|マネージャーになってからあっという間で、&br;実感がなかったです。|
|~リョウ・サカザキ|世界が大変なことになっていたしな。&br;だが、あのことをきっかけに絆が深まった気がするぞ。|
|~〇×|絆……。|
|~〇×|(それって、私とリョウさんの絆も……だよね。)|
|~リョウ・サカザキ|どうした? 顔が赤い。&br;酔ったか?|
|~〇×|あ、いえ! 飲んでいませんから。&br;ちょっと色々思い出していただけで……。|
|~リョウ・サカザキ|何をだ?|
|~〇×|リョウさんと一緒に&br;色んなことを乗り越えてきたなぁって。|
|~リョウ・サカザキ|……そうだな。&br;この半年の間、本当に色んなことがあった。|
|~リョウ・サカザキ|俺はあんたのお陰で、守りたいものが増えた。&br;それで更に強くなれたこと、感謝しているぞ。|
|~〇×|リョウさん……。嬉しいです。|
|~〇×|こんな私でも、&br;リョウさんの力になれたんですね。|
|~リョウ・サカザキ|当たり前だ。&br;あんたの存在に、どれだけ励まされたことか。|
|~リョウ・サカザキ|あんたといることで、俺は高みへ登れる。&br;これから進む道も、果てしないかもしれない……。|
|~リョウ・サカザキ|だが、〇がいれば、それすら楽しめると思う。&br;この焼肉屋の件みたいにな。|
|~リョウ・サカザキ|これからも、よろしく頼む。&br;一緒にいて……俺を支えてくれ。|
#endregion
 
-----
**離ればなれの後に [#SSR04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|さっきのジェットコースター、&br;回転がいっぱいで楽しかったですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、あれは体幹を鍛えるのになかなかいいな。|
|~〇×|ふふ、そうですね。|
|~〇×|(遊園地でもトレーニングのことを考えてるなんて、&br;リョウさんらしいな。)|
|~〇×|(リョウさんが遊園地に来るイメージってあまりなかったけど、&br;楽しんでるみたいで良かった。)|
|~〇×|遊園地には、よく来られるんですか?|
|~リョウ・サカザキ|ん? 最近は全くだな。&br;だが、昔は時々ユリにねだられて来ることはあった。|
|~〇×|なるほど、ユリさんに頼まれて……。&br;リョウさんは昔からいいお兄さんなんですね。|
|~リョウ・サカザキ|いい兄か……。&br;そうであれたらいいと思っている。|
|~〇×|(あ、すごく優しい顔……。)|
|~リョウ・サカザキ|それより、せっかくだ。もっといろいろ乗ろう。&br;次は何に乗りたい?|
|~〇×|そうですね……あのコーヒーカップなんてどうでしょう?|
|~リョウ・サカザキ|いいな。&br;あの遠心力は三半規管を鍛えられる。|
|~〇×|ふふ、一緒に鍛えましょう!|
|~リョウ・サカザキ|ああ!|
|~〇×|……楽しかった〜。&br;たくさん回しちゃいましたね。|
|~リョウ・サカザキ|目が回ったりはしていないか?|
|~〇×|はい。終わった時はちょっとフラフラしましたけど、&br;もうすっかり大丈夫です。|
|~リョウ・サカザキ|なら、いいが。無理はするなよ?|
 
|①|>|CENTER:~やっぱりリョウさんは優しいです|
|~|~〇×|やっぱりリョウさんは優しいです。|
|~|~リョウ・サカザキ|そうか?&br;大事な人を気遣うのは当然のことだと思うが。|
|~|~リョウ・サカザキ|だが、あんたにそう思ってもらえるのは嬉しい。|
|~|~〇×|(あ、あんなにはっきり、大事な人って言われると、&br;ちょっと照れるな……。)|
 
|②|>|CENTER:~お兄さんみたいです|
|~|~〇×|リョウさん、なんだかお兄さんみたいです。|
|~|~リョウ・サカザキ|そ、そうか?&br;ユリと同じようにあんたに接したつもりはないんだが……。|
|~|~〇×|そうなんですか?&br;でも、お兄さんができたみたいで嬉しいです。|
|~|~リョウ・サカザキ|あんたが喜んでいるなら……まあ良しとするか。|
 
|~リョウ・サカザキ|さて、次は何に乗るか……。|
|~〇×|うーん、そうですね……。&br;あ、あの宝探しアトラクションは気になります!|
|~リョウ・サカザキ|宝探し……? なんだそれは?|
|~〇×|体験型の謎解きゲームアトラクションです。&br;今だけ、期間限定でやっているそうですよ。|
|~〇×|校舎に似た建物の中を、謎を解きながら進んで、&br;制限時間内に宝物を見つけるゲームみたいですね。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど……それは興味深いな。行ってみよう。|
#endregion
 

''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|あれ? 中は結構狭いんですね。&br;外から見た時はもっと広いかと思ったのに。|
|~リョウ・サカザキ|確かに、何か違和感を覚えるな……。&br;――もしや。|
|~〇×|わっ、壁が隠し扉に……!&br;中は教室みたいですけど……。|
|~リョウ・サカザキ|どうやら、いろいろと仕掛けが施されているらしいな。&br;違和感の正体もこれだろう。|
|~〇×|まるで忍者屋敷ですね……。&br;これは探し甲斐があります。|
|~リョウ・サカザキ|確か、最初にもらったカードは……|
|~〇×|隠されし教室に眠る暗号を解け、です。|
|~リョウ・サカザキ|なら、きっとこの教室のことだな。&br;早速調べてみる事にしよう。|
|~〇×|じゃあ、私は前の方から調べますね。|
|~〇×|あ、リョウさん! 机が二重底になっていて、 &br;中からこんな物が…….。|
|~リョウ・サカザキ|次のカードか。&br;教卓を答える向きに変えろ、とあるな。|
|~〇×|もしかして、黒板の向きに回転させろってことかも。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど、やってみよう。|
|~〇×|(わ、今度は黒板が持ち上がった……!)|
|~リョウ・サカザキ|どうやら、正解だったようだな。&br;奥に通路がある。行くぞ、〇。|
|~〇×|はい!|
|~リョウ・サカザキ|さっきと似たような教室だな。&br;ここにもきっとカードが置いてあるんだろう。|
|~〇×|それじゃあ、また手分けをして見つけましょう。|
|~〇×|(ふふ、いろんな仕掛けがあって面白いな。&br;この掃除道具入れにも何かあったりして――)|
|~〇×|えっ?|
|~〇×|(い、今のって回転扉…..? &br;じゃあ、私教室の外に追い出されちゃったの!?)|
|~〇×|リョ、リョウさん! 聞こえますか、リョウさん!!|
|~〇×|……ダメだ、反応がない。|
|~〇×|(と、とにかく、どこかに中に入る仕掛けがないか探さないと。)|
|~〇×|(どうしよう……。&br;散々探したけど中に入る手だてが見つからない……。|
|~〇×|(通路は続いてるみたいだけど、 &br;リョウさんを置いてくわけには……。)|
|~リョウ・サカザキ|〇!!|
|~〇×|! リョウさ――きゃっ!?|
|~リョウ・サカザキ|無事か!?|
|~〇×|あ、あのっ。|
|~リョウ・サカザキ|ケガは……なさそうだな。|
|~リョウ・サカザキ|良かった……。&br;あんたがいないと気づいた時は心臓が止まるかと思ったぞ。|
|~〇×|す、すみません……。|
|~リョウ・サカザキ|いや、この仕掛けで外に出されてしまったんだろう?&br;もっと早く気づくべきだった。|
|~リョウ・サカザキ|心細かったろう……。&br;ひとりにして本当にすまなかった。|
|~リョウ・サカザキ|二度とこんな目には遭わせないと誓う。&br;だからあんたも、なるべく俺の目の届く場所にいてくれ。|
|~〇×|え、えっと……はい……。|
|~〇×|(すごく真剣な眼差し……。&br;心配をかけちゃって申し訳ないのに、顔が熱い……|
|~リョウ・サカザキ|大切な人が突然いなくなるのは、もう嫌なんだ……。|
|~〇×|え……?|
|~リョウ・サカザキ|いや……なんでもない。&br;さあ、行こう。|
#endregion
 

''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|よし、あらかた見て回ったな。&br;他に乗りたいものはないか?|
|~〇×|もう大丈夫です。&br;すっかり満喫したので。|
|~リョウ・サカザキ|そうか? ……それにしても、宝探しは残念だったな。&br;結局制限時間に間に合わないとは、不覚だった。|
|~〇×|そうですね……。|
|~リョウ・サカザキ|どうした、〇?&br;さっきから、なんだか落ち着かない様子だが。|
|~〇×|い、いえ、あの……。|
|~リョウ・サカザキ|……ん? 見てみろ、〇。|
|~〇×|え?|
|~〇×|(あ、観覧車がライトアップされて……。&br;そっか、もうそんな時間なんだ。)|
|~リョウ・サカザキ|きれいだな。|
|~〇×|はい……。|
|~〇×|(リョウさん、宝探しからずっと&br;私の手を放さないな……。)|
|~〇×|(本人は全然平気そうだし……。&br;私ばっかりドキドキしてるみたいで余計に恥ずかしい。)|
|~リョウ・サカザキ|どうし――ああ。もしかして、この手か。|
|~リョウ・サカザキ|そういえば、ずっと繋いだままだったな。&br;さっきからこれを気にしていたのか?|
|~〇×|う…….はい。|
|~リョウ・サカザキ|それは悪いことをしたな。&br;あんたを捕まえておきたかったようだ。|
|~〇×|悪いだなんて、そんな。&br;少し照れくさかっただけです。|
|~リョウ・サカザキ|そうか。……今日は取り乱してすまなかった。&br;手を繋いで回るなんて……子供扱いだったか?|
|~〇×|い、いえ。&br;その、恋人同士でも手は繋ぎますし……。|
|~リョウ・サカザキ|……!! そ、そうか。|
|~〇×|(じ、自分で言ったことだけど、顔が熱い……。)|
|~〇×|えっと、今日は本当にありがとうございました。&br;連れて来てもらえて本当に嬉しかったです。|
|~リョウ・サカザキ|こちらこそ、今日は付き合ってくれてありがとう。|
|~リョウ・サカザキ|あんたの楽しんでいる様子を見られて、&br;俺もとても楽しかった。|
|~リョウ・サカザキ|こんなに喜んでくれるなら&br;もっと早く連れて来るべきだったな。|
|~〇×|じゃあ、また都合がついたら連れて来てくれますか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ、もちろんだ。|
|~リョウ・サカザキ|それで、だ。&br;その時はまた……こうして手を繋いでもいいだろうか?|
 
|①|>|CENTER:~え……?|
|~|~〇×|え……?|
|~|~リョウ・サカザキ|い、いや、無理にとは言わないが!|
|~|~〇×|いえ、ちょっと驚いちゃっただけで。&br;嬉しいです。よろしくお願いします!|
|~|~リョウ・サカザキ|ああ。任された。|
 
|②|>|CENTER:~嬉しいです|
|~|~〇×|はい、そうしてくれると嬉しいです。|
|~|~リョウ・サカザキ|そ、そうか。 迷子防止にもなるしな!|
|~|~〇×|ふふ……そうですね。|
 
|~リョウ・サカザキ|さて、名残惜しいがそろそろ帰るとするか。&br;あまり遅くまで連れ歩くのも悪い。|
|~リョウ・サカザキ|さっきも約束した通り、近いうちにまた連れて来てやる。&br;その時は、今日以上に楽しもう。|
|~〇×|はい!|
|~〇×|(いろいろあったけど、素敵な1日だったな……。&br;またリョウさんと来れる日を楽しみにしてよう。)|

#endregion

 
-----
**旅LOG! [#SSR05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|あれがノイシュヴァンシュタイン城……! &br;すごく大きいですね……!|
|~〇×|(本当にドイツに来たんだ。&br;今更ながら、福引に感謝だな……。)|
|~リョウ・サカザキ|実際に見てみると、&br;余計に惹きつけられるものがあるな。|
|~〇×|はい。&br;確か、今から百五十年前に造られたとか。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。ルートヴィヒ二世が中世に憧れて、&br;当時の色を濃く表現しつつ建造したそうだ。|
|~〇×|中世に憧れて、ですか……。|
|~リョウ・サカザキ|あんたも憧れるか?|
|~〇×|少しだけ。このお城なんて &br;シンデレラ城のモデルになってるって言いますし。|
|~リョウ・サカザキ|…………。|
|~〇×|ふふ。でも、本当に住みたいとは思っていないので、&br;安心してください。|
|~リョウ・サカザキ|そ、そうか。&br;どうしたらあんたの夢が叶えられるかと、少し考えこんでしまった。|
|~〇×|リョウさん……。|
|~〇×|(こういうところが、本当に優しいんだよね。)|
|~リョウ・サカザキ|そういえば、写真は撮らなくていいのか?|
|~〇×|あ、そうでした! &br;せっかく来たんだし記念撮影をしないと。|
|~リョウ・サカザキ|俺があんたを撮ってやろう。&br;ほら、カメラを貸してくれ。|
|~〇×|ありがとうございます。|
|~リョウ・サカザキ|では、撮るぞ。|
|~リョウ・サカザキ|一よし、撮れたぞ。&br;城を背景にしたあんたも絵になるな。|
|~〇×|そ、そうですか? &br;リョウさんも一緒に撮りましょうよ。|
|~リョウ・サカザキ|お、俺もか。&br;しかし……辺りに頼めそうな人がいないな。|
|~〇×|自撮りをすれば大丈夫です。&br;こう、腕を伸ばして――|
|~リョウ・サカザキ|自撮りか……あまり撮ったことはないが、&br;俺がやってみよう。|
|~リョウ・サカザキ|もう少し、こっちに寄ってくれ。|
|~〇×|(わ……ち、近い……。)|
|~リョウ・サカザキ|……よし。&br;どうだろうか、なかなか上手く撮れたと思うが。|
|~〇×|は、はい。ありがとうございました。|
|~リョウ・サカザキ|む、どうかしたか。&br;なんだか、顔が赤いように見えるが……?|
 
|①|>|CENTER:~肩を抱かれたので|
|~|~〇×|その……突然、肩を抱かれたので &br;ちょっと照れてしまっただけです。|
|~|~リョウ・サカザキ|え?あ……す、すまん!|
|~|~リョウ・サカザキ|つい、うまく画角に収めようと……。|
|~|~〇×|いえいえ! 大丈夫ですから!|
 
|②|>|CENTER:~素敵な写真で嬉しくて|
|~|~〇×|す、素敵な写真が撮れたので嬉しくて。|
|~|~リョウ・サカザキ|そうか。喜んでもらえたなら俺も嬉しい。|
|~|~〇×|大切にしますね。あ、旅行が終わったら、 &br;リョウさんにも写真を渡しますから。|
|~|~リョウ・サカザキ|ああ、楽しみにしている。|
 
|~〇×|(それにしても、本当にいい写真が撮れたな……。)|
|~〇×|この写真、家に帰ったら部屋に飾りますね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。俺もそうするとしよう。|
|~〇×|(お揃いの写真をお互いの部屋に、か……。 &br;ふふ、なんだかとっても嬉しいな。) |

#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|わあ、可愛いお家ばっかり……!|
|~リョウ・サカザキ|ここが中世の宝石と呼ばれる街道か。|
|~〇×|異国の情緒に溢れてて素敵ですね! &br;日本ではまずお目にかかれない風景です。|
|~リョウ・サカザキ|ここは13世紀に帝国自由都市となり、&br;街道の要衝として交易で発展した場所だからな。|
|~リョウ・サカザキ|家並みや、塔、門に至るまで &br;当時の城壁都市の面影を濃く残しているのだろう。|
|~〇×|リョウさん、詳しいですね……!|
|~リョウ・サカザキ|ここに来る前に一応の予習をしておいただけだ。|
|~〇×|それでも、十分すごいですよ。&br;旅行、楽しみにしててくれたんですね。|
|~リョウ・サカザキ|当然だろう? ……今もこうして、&br;あんたと旅行に来れたことに、柄にもなく浮かれているしな。|
|~〇×|えっ。|
|~リョウ・サカザキ|あ、いや……なんでもない。&br;それより、せっかくだし色々見て回ろう。|
|~〇×|そ、そうですね。&br;お土産も見たいですし。|
|~〇×|あ、あそこの雑貨屋さんを見てもいいですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ、もちろんだ。&br;時間はたっぷりあるからな。|
|~ リョウ・サカザキ|〇、もういいのか?|
|~〇×|はい。ここで欲しいものは全部買えました。&br;リョウさんはどうですか?|
|~リョウ・サカザキ|俺は、あんたが楽しそうに買い物をしている姿を &br;見れただけで満足してしまったな。|
|~〇×|そ、そうですか。|
|~〇×|(なんだか、照れくさいな……。)|
|~リョウ・サカザキ|……それにしても、ずいぶんと買い込んだな。|
|~〇×|あはは、お土産にと思ったら、&br;あれもこれもつい欲しくなってしまって。|
|~〇×|(ミルクチョコレートに、&br;国旗入りボールペンに、瓶入りソーセージ……。)|
|~〇×|(さすがに買い過ぎかな? &br;ちょっと荷物がかさばっちゃった……。)|
|~リョウ・サカザキ|どれ、貸してみろ。|
|~〇×|あっ。|
|~〇×|リョウさん、自分で持ちますよ。|
|~リョウ・サカザキ|気にするな。この程度、どうということはない。|
|~リョウ・サカザキ|こういう時は、素直に甘えてくれ。&br;その方が、ひとりの男としても嬉しい。|
|~〇×|ありがとうございます。&br;じゃあ、お言葉に甘えますね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。|
|~リョウ・サカザキ|さて、ちょうどいい時間だ。&br;そろそろ夕食を予約していた店に向かうとしよう。|
|~〇×|そうですね。場所は……。|
|~リョウ・サカザキ|持ってきたガイドブックで確認済みだ。&br;ここの道を進んで十五分程度の所にあるらしい。|
|~リョウ・サカザキ|さ、行くぞ。|
|~〇×|(あ、手が繋がれて……。)|
|~〇×|(外国に来た解放感からかな。&br;いつもより、距離が……。)|
 
&attachref(アルバム /カードスチル/カードスチル_リョウ・サカザキ_旅LOG!.jpg,zoom,旅LOG!,259x200);
 
#endregion

//----------
 
''3話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|では、乾杯。|
|~〇×|乾杯!|
|~〇×|……んん、美味しい! ドイツのビールって &br;やっぱり濃厚ですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、そうだな。 &br;料理も早速頂くとしよう。|
|~〇×|はい!|
|~〇×|わ、このザワークラウト美味しい。&br;少し酸っぱいけど、口直しにぴったりですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。ヴルストによく合う。&br;本場で食べる物はやはり味が違うな。|
|~リョウ・サカザキ|こっちの料理はなんだ? 初めて見るが……。|
|~〇×|リンダーロウラーデンです。薄切りの牛肉に &br;牛脂と野菜を巻いた料理なんですよ。|
|~リョウ・サカザキ|ほう……ん、美味い。|
|~〇×|付け合せのクヌーデルも美味しいです。&br;じゃがいものお団子って発想がいいですよね。|
|~〇×|私も作ってみたいんですけど、&br;じゃがいもを沢山マッシュするのって結構大変で……。|
|~リョウ・サカザキ|ならば、俺が手伝おう。&br;作る機会があったらいつでも呼んでくれ。|
|~〇×|本当ですか?&br;じゃあ、その時はお言葉に甘えさせてもらいますね。|
|~リョウ・サカザキ|そうしてくれ。あんたと共にいられる時間が増えるのは &br;俺にとっても喜ばしいことだからな。|
|~〇×|そ、そうですか?……私も嬉しいです。|
|~リョウ・サカザキ|……〇、ちょっといいか?|
|~〇×|え?|
|~〇×|(! リョウさんが私の口元を触って……!)|
|~リョウ・サカザキ|よし、取れた。ソースが口元についていたぞ。&br;あんたにしては珍しいな。|
|~〇×|あ、ありがとうございます。&br;でも、言ってくれれば自分で……。|
|~リョウ・サカザキ|こうした方が早いと思ったんだ。&br;すまない、嫌だっただろうか?|
|~〇×|い、いえ、そんな!|
|~リョウ・サカザキ|そうか? 良かった。|
|~〇×|(心臓がドキドキしてる……。なんだか &br;リョウさんの雰囲気がいつもより甘いような……。)|
|~〇×|(って、あれ? リョウさんの顔、なんだか赤い……?)|
|~〇×|リョウさん、もしかして少し酔ってます?|
|~リョウ・サカザキ|え……いや……。|
|~リョウ・サカザキ|……隠しても仕方ないか。そうかもしれん。&br;恥ずかしながら、酒には少し弱くてな。|
|~リョウ・サカザキ|男らしくないだろう? まだ少ししか &br;飲んでいないというのに、このありさまで。|
 
|①|>|CENTER:~そんなことありません|
|~|~〇×|そんなことありませんよ。&br;リョウさんが素敵なこととお酒の強さは関係ないです。|
|~|~リョウ・サカザキ|……そうか。&br;あんたにそう言ってもらえると安心するな。|
|~|~〇×|本当のことですから。|
|~|~リョウ・サカザキ|はは、ありがとう。|
 
|②|>|CENTER:~可愛いです|
|~|~〇×|可愛くていいじゃないですか。|
|~|~リョウ・サカザキ|かわ……いい……?|
|~|~〇×|はい。いつもは格好いいリョウさんとはギャップがあって、&br;そんなところも魅力的だと思います。|
|~|~リョウ・サカザキ|……なんとも言えない気分だが、&br;まあ良しとするか。|
 
|~〇×|それにしても、こうしてリョウさんとドイツに来て &br;一緒にご飯を食べれるなんて夢みたいです。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、俺もそう思う。&br;あんたのおかげで楽しめた。|
|~リョウ・サカザキ|この先も時間はまだまだあるんだ。&br;ドイツだけでなく、ふたりでいろんな場所を旅しよう。|
|~〇×|リョウさん……はい!|
|~〇×|(リョウさんとドイツに来れて本当に良かった……。&br;これからも素敵な思い出をたくさん作ろう。)|
#endregion
 
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*SR [#SR_story]
**極限流の力 [#SR01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|さて、お洗濯も終わったし、&br;次は玄関前の掃き掃除でもしようかな。|
|~〇×|(あれ? 道場の前に、リョウさんと大門さんが立ってる。&br;どうかしたのかな?)|
|~大門五郎|ううむ……この際、新しくしてしまうのも&br;悪くはないと思うが……。|
|~リョウ・サカザキ|まあどっちにしろ、〇がどうしたいか聞いてからだな。|
|~〇×|リョウさん、大門さん、どうかされたんですか?|
|~リョウ・サカザキ|おお、〇。&br;ちょうどいいところに来てくれたな。|
|~リョウ・サカザキ|実は、道場の雨戸が一枚割れてしまってな。&br;ほら、これなんだが……。|
|~〇×|……本当ですね。最近開け閉めしにくいとは思っていたけど、&br;割れてしまったんですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、〇が雨戸が動かしづらいと言っていたから、&br;調整しようと外してみたら、こうなってしまってな。|
|~リョウ・サカザキ|どうも、板が随分脆くなっていたみたいなんだ。|
|~〇×|そうなんですか。&br;けっこう古いものでしたし、雨風でだいぶ痛んでたんですね。|
|~大門五郎|それで、雨戸を修理しなければいけないんだが、&br;この際、アルミ製の雨戸に替えるのも手かなと思ってな。|
|~大門五郎|アルミなら軽いし、朝晩雨戸を開け閉めする&br;おぬしの仕事も、多少は楽になると思うのだ。|
|~リョウ・サカザキ|それで、アルミにするかどうかは、&br;〇の意見を優先して決めようって話していたんだ。|
|~〇×|そうだったんですか。&br;お気遣い、ありがとうございます。|
|~〇×|そうですね……。&br;私は、木の雨戸のままでも不便には思ってないですよ。|
|~〇×|それに、木の雨戸の方が、道場の雰囲気に合っていて、&br;情緒を感じられるような気がするんです。|
|~大門五郎|ううむ、改装しなくてもいいなら、&br;金もかからないし助かるが……。|
|~〇×|確かに、アルミの雨戸の方が軽いし、楽なんでしょうけど、&br;このままの方が歴史ある道場って感じがして、素敵です。|
|~大門五郎|しかし、女性の腕で毎日雨戸の開け閉めは大変じゃないか?&br;不便を感じているなら、我慢しなくていいのだからな。|
|~リョウ・サカザキ|いや、大門、便利さだけを追求するのではなく、&br;伝統や情緒といったものに気を配るのも大事なんだ。|
|~リョウ・サカザキ|〇も、昔からの建具の良さがわかるんだよ。&br;俺も同じだから、気持ちがわかるんだ。|
|~大門五郎|ただ古いだけという感じもするが……〇もリョウも&br;気に入ってくれているなら、このままも悪くないだろう。|
|~大門五郎|改装はしなくてもいいとして、&br;壊れた雨戸は直してしまわないとな。|
|~リョウ・サカザキ|それなら俺に任せてくれ。&br;これくらいなら、きれいに直しておくさ。|
|~大門五郎|本当か? それは助かる。&br;おぬしの日曜大工の腕は、一級品だからな。|
|~リョウ・サカザキ|ははは、まあな。&br;こういう時は頼りにしてくれ。|
|~リョウ・サカザキ|ついでに、雨戸の滑りも良くしておくよ。&br;そうすれば、〇も少しは開け閉めが楽だろうからな。|
|~〇×|わあ、ありがとうございます。助かります。|
|~リョウ・サカザキ|気にするな。そのくらい大した手間じゃないからな。|
|~大門五郎|それにしても、&br;おぬしらがそれほど道場の雰囲気を気にするとはな。|
|~大門五郎|……まあ、古臭くはあるが、確かに木製の雨戸が&br;この道場に似合うと言えば、その通りだな。|
|~〇×|ええ。道場の雰囲気にも合うし、昔ながらの&br;あたたかみがあって、素敵だと思います。|
|~リョウ・サカザキ|そんなふうに、建物に合ったものを考えられるのは、&br;素晴らしいことだ。|
|~リョウ・サカザキ|〇は、物の本当の大切さや、&br;大事なことがちゃんとわかってるんだな。さすがだ。|
|~〇×|本当ですか? ありがとうございます。|
|~〇×|(リョウさんに褒められちゃった。なんだか照れるな。)|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|雨戸を修理するとして……割れた一枚は&br;必ず板を替えなきゃいけないが、他のも替えたほうがいいか?|
|~大門五郎|ああ。&br;割れたもの以外も、ベニヤが歪んできている。頼めるか?|
|~リョウ・サカザキ|……確かにぐにゃぐにゃだ。&br;わかった。全部新しい板に替えるよ。|
|~大門五郎|すまないな。助かるぞ。|
|~〇×|あの、どうやって雨戸を直すんですか?|
|~リョウ・サカザキ|見たところ、どの雨戸の枠もしっかりしているから、&br;枠に新しい板を差し込んで直す。|
|~〇×|板を新しいものに替えられるんですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。いったん枠を外して、板を抜くんだ。&br;その後新しいのを枠に差し込めば、交換できる。|
|~〇×|へえ……そうやって直すんですね。|
|~〇×|(リョウさん、本当に日曜大工に詳しいんだな。&br;それに、なんだか楽しそう。)|
|~リョウ・サカザキ|あとは、雨戸に使うなら、板を耐水にしないといけないな。|
|~大門五郎|そういえば、ちょうど耐水のベニヤ板があったはずだ。|
|~リョウ・サカザキ|本当か? よし、それならすぐに雨戸の板を替えられるな。|
|~大門五郎|ああ。&br;ワシが取って来よう。ちょっと待っていてくれ。|
|~リョウ・サカザキ|さて、ちょうど耐水の板もあるみたいだし、&br;京さっそく修理に取りかかるとするか。|
|~〇×|リョウさん、よろしくお願いします。|
|~〇×|それにしても、建具を直しながら長く使っていくのって、&br;なんだか素敵ですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。大切に、修繕しながら使っていけば、&br;建具一つにも、どんどん愛着がわくようになるからな。|
|~リョウ・サカザキ|そして、人の手をかけて長く使われたものにこそ、&br;真の価値は生まれると思うんだ。|
|~〇×|そうですね。&br;長く大切に使ったものって、宝物みたいに思えますもんね。|
|~リョウ・サカザキ|……〇は、きっと極限流の道場も気に入るだろうな。|
|~〇×|極限流の? ……リョウさんの道場ですか?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。俺が子供の頃から修行を積んだ道場だ。|
|~リョウ・サカザキ|どこもかしこも、傷んでは直し続けていてな。&br;道場をのものが、俺が手をかけた、大切なものなんだ。|
 
|①|>|CENTER:~行ってみたいです|
|~|~〇×|なんだか、私もリョウさんが大切にしてきた道場に、&br;行ってみたくなっちゃいました。|
|~|~リョウ・サカザキ|そう言ってもらえて嬉しいよ。|
 
|②|>|CENTER:~大変そうですね|
|~|~〇×|そうなんですか。&br;道場丸ごと修理し続けるなんて、なんだか大変そうですね。|
|~|~リョウ・サカザキ|大変ってことはないさ。&br;俺は、家の中を修理するのが楽しかったからな。|
 
|~〇×|(リョウさんが子供の時から過ごした道場……。&br;どんなところなんだろう?)|
|~リョウ・サカザキ|極限流の道場も、ここと同じで縁側があるんだ。&br;子供の頃は、よく縁側で寝ころんだものだ。|
|~リョウ・サカザキ|――子供の頃と言えば、一つ思い出したことがある。|
|~〇×|え? どんなことですか?|
|~リョウ・サカザキ|昔、事情があって、どうしても勝つ必要があってな。&br;神頼みでもなんでも、できることはやろうと考えたんだ。|
|~リョウ・サカザキ|それで、子供だった俺は、道場の床下で願掛けをした。|
|~〇×|え? どうしてわざわざ床下で?|
|~リョウ・サカザキ|子供ながらに、神頼みで勝とうとすることが&br;格好悪いと思う気持ちも、あったのかもしれないなあ。|
|~リョウ・サカザキ|今は、願掛けなんてする時間があるなら、&br;勝つために限界まで修行に励むまでなんだが。|
|~〇×|ふふ、そうですね。リョウさんが勝つことを神様に頼るなんて&br;ちょっと考えられないです。|
|~リョウ・サカザキ|まあ、子供の頃の話だからな。&br;俺にも、そんな未熟な時代があったんだよ。|
|~リョウ・サカザキ|この話は、今まで誰にもしたことがなかったんだ。&br;だから、親父もロバートも知らない。|
|~リョウ・サカザキ|〇と俺の、ふたりだけの秘密にしておいてくれ。|
|~〇×|はい。約束しますね。|
|~リョウ・サカザキ|さて、そろそろ大門が戻って来るかもな。&br;この話は、ここまでにしよう。|
|~〇×|(私しか知らないリョウさんの秘密かあ……。&br;なんだか嬉しいな。ふふ。)|
#endregion
 


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**無敵の龍 [#SR02]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|家庭菜園、すごいですね!&br;美味しそうな夏野菜がこんなに!|
|~リョウ・サカザキ|ああ。この量なら、俺たちみんなで食べても&br;そうそう無くならないだろう。|
|~〇×|そうですね。&br;しばらく野菜は買わなくて大丈夫そうです。|
|~〇×|でも、すみませんでした。『食費を節約したい』なんて&br;私が相談したから、こんなに大掛かりなことに……。|
|~リョウ・サカザキ|いや、もともと家庭菜園は俺の趣味だしな、&br;役に立って嬉しいくらいだよ。|
|~リョウ・サカザキ|それじゃあ、さっさと収穫するぞ。&br;これだけの量なら時間もかかるだろうからな。|
|~〇×|はい!&br;頑張りますね!|
|~リョウ・サカザキ|――どの野菜もすごく艶があるし立派だ。&br;元気に育ったな。|
|~〇×|はい。&br;すごいですね。こんな立派な野菜がお庭で育つなんて。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。毎日しっかり世話してやれば、&br;家の庭でもこれだけ野菜が立派に実るんだ。|
|~リョウ・サカザキ|野菜の様子をよく見て、必要な世話をする、&br;そういう日々の積み重ねが、こうして野菜に伝わるんだよ。|
|~〇×|(リョウさんは毎日早朝から、&br;野菜の世話をしてたもんね……。)|
|~リョウ・サカザキ|……ほら、このトマトも真っ赤で艶がある。&br;トマトは水の量を気を付けるのが大事だ。|
|~リョウ・サカザキ|こっちのナスも美味そうだ。&br;肥料をしっかり与えていたのが良かったな。|
|~〇×|なるほど……。&br;どの野菜も、育て方に気を使ってるんですね。|
|~〇×|(リョウさん、戦ってる時と違って、すごく柔らかい雰囲気。&br;楽しそうで、私まで嬉しくなってきちゃう。)|
|~〇×|(それに、リョウさんがこんなに話すなんて珍しいな。&br;家庭菜園に、色々なこだわりを持ってるからなのかもな。)|
|~リョウ・サカザキ|ん? どうした、俺の顔をじっと見て。&br;何か付いてるか?|
|~〇×|え!? あの、普段の寡黙なリョウさんと全然違って、&br;すごく楽しそうだから、私も嬉しくなっちゃって、つい……。|
|~リョウ・サカザキ|み、見つめてしまうほど緩んだ表情をしてたのか……。&br;……いかんな、格闘家ともあろう者が。|
|~〇×|そんな、いけないなんてことないですよ。&br;誰だって、好きなことをしてれば、楽しそうな顔になります!|
|~〇×|それに、私もリョウさんの話を聞いているうちに、&br;家庭菜園をやってみたくなってきました。|
|~リョウ・サカザキ|本当か? それはよかった!|
|~リョウ・サカザキ|家庭菜園は、手をかけただけ野菜が応えてくれるんだ。&br;その楽しさを、〇にも是非知ってほしい。|
 
|①|>|CENTER:~育て方を指導してください|
|~|~〇×|はい。その時にはぜひ育て方を指導してくださいね。|
|~|~リョウ・サカザキ|ああ。もちろんだ。今から楽しみだな。|
 
|②|>|CENTER:~私にできるでしょうか?|
|~|~〇×|でも私、家庭菜園の知識があまりないから、&br;上手にできるか不安です……。|
|~|~リョウ・サカザキ|誰だって最初は上手くないさ。&br;不安でも、まずはやってみればいい。|
 
|~〇×|はい。&br;……あっという間に収穫カゴがいっぱいですね。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。それにあらかた採りつくしたようだし、&br;そろそろ終わりでいいだろう。|
|~〇×|はい。&br;それにしても、本当にすごい量の野菜。大豊作ですね!|
|~リョウ・サカザキ|そうだな。これだけ採れれば上出来だろう。&br;あとは、これを美味い料理にしてやってくれ。|
|~〇×|はい! ……でも、この量だと一度には食べきれませんから、&br;どう使うのか考えないと。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。できたら最後まで美味く食べたいが、&br;何かいい方法はあるか?|
|~〇×|そうですね……じゃあ、漬物にでもしましょうか。&br;キュウリもナスも、漬物にしたら美味しそうですよ!|
|~リョウ・サカザキ|つ、漬物……!?&br;――ああ、確かに、漬物にすれば長く持つな……。|
|~〇×|はい。簡単に一品増やせるし、塩分の補給にもなるし、&br;いいんじゃないかなって思います。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、そうだな……ううむ。|
|~〇×|(あ、あれ? リョウさんが急に難しい表情に……。&br;どうしちゃったんだろう?)|
#endregion

//----------
 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(なんだろう……野菜を漬物にする話をしたら、&br;突然リョウさんが険しい顔に……?)|
|~〇×|あ、あの……リョウさん、どうしたんですか?|
|~リョウ・サカザキ|え? い、いやその、大したことじゃないんだ……。&br;ええと、野菜を漬物にするんだろ? 良い案じゃないか!|
|~〇×|でも、なんだか表情が険しいというか、難しいというか……。|
|~リョウ・サカザキ|ううむ……それは、その……。|
|~リョウ・サカザキ|――すまん! 〇が野菜の使い道を考えてくれたのに、&br;俺は、本音を誤魔化そうとしてしまった!|
|~リョウ・サカザキ|ちゃんと本当のことを言う……。&br;その……言いにくいんだが、実は――|
|~リョウ・サカザキ|――俺は漬物が苦手なんだ。|
|~〇×|……え? それだけですか!?&br;好き嫌いくらいでそんなに深刻にならなくて大丈夫ですよ!?|
|~リョウ・サカザキ|いや、この話にはまだ続きがある。聞いてくれ……。|
|~〇×|(ただ、漬物が嫌いなだけじゃなくて、&br;他に何か事情があるんだ……なんだろう?)|
|~リョウ・サカザキ|以前、ロバートがラッキョウが苦手だと聞いて、&br;好きになってもらおうと、散々食わせたことがあってな……。|
|~リョウ・サカザキ|『ラッキョウは身体にいいから克服しろ』と言って、&br;嫌がるロバートに無理に食べさせてしまった……。|
|~〇×|……それで、ロバートさんは&br;今はラッキョウを好きになったんですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや、それが……見るだけで逃げ出すようになった。|
|~リョウ・サカザキ|だから、もし食卓に漬物が並んで、&br;俺がそれを苦手だからと避けようものなら……。|
|~〇×|まあ、ロバートさんは許してくれないでしょうねえ……。|
|~リョウ・サカザキ|ああ……。そうだろうな。|
|~リョウ・サカザキ|それに、ロバートにラッキョウを無理やり食べさせておいて、&br;俺は漬物が出されても食べないなんて卑怯だろう。|
|~リョウ・サカザキ|……今思えば、ロバートには悪いことをしてしまった。&br;自分がやられたらと思うと、随分嫌なものだな。|
|~〇×|(そうか……リョウさんは、ロバートさんの前で&br;苦手な食べ物から逃げるわけにはいかないんだな。)|
|~〇×|だったら、余計に漬物を作るのは、やめておきます。|
|~〇×|確かに、ロバートさんに苦手なラッキョウを無理強いしたのは&br;良くないと思います。|
|~〇×|でも、だからといって、今度はリョウさんが無理して&br;漬物を食べるのは、私は嫌だなって思います。|
|~リョウ・サカザキ|しかし、俺はロバートに無理をさせて食べさせたのだから、&br;自分だけ逃げるようなことは……。|
|~〇×|でも、私は私の作った料理を、美味しく食べてほしいんです。&br;無理をしてまで食べてほしくはありませんよ?|
|~リョウ・サカザキ|――そうか……そうだな。いつも料理を作ってくれている&br;〇の気持ちを、考えていなかったな。|
|~〇×|私は、こんなに立派な野菜を育ててくれたリョウさんが、&br;喜んでくれるものを作りたいですよ。|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう。&br;……そう言ってもらえて、正直ほっとしている。|
|~〇×|ふふ、よかった。&br;それじゃあ何にしましょうか……。|
|~〇×|カレーとかラタトゥイユなら冷凍しておけば持ちますね。&br;今日のところは……夏野菜の冷たいおでんなんてどうですか?|
|~リョウ・サカザキ|夏野菜のおでん? そんな料理があるのか?&br;それに、おでんなのに冷たいのか?|
|~〇×|はい。夏の野菜にダシの味を染ませて、&br;ひんやり冷やして食べるの、美味しいんですよ。|
|~リョウ・サカザキ|そうなのか。&br;なんだか、話を聞いてると腹が減ってくるな。|
|~|〇の料理は本当に美味いからな。&br;この野菜がどれだけ美味くなって出てくるか、楽しみだ。|
|~〇×|そ、そんな、&br;ハードル上がっちゃうこと言わないでくださいよ!|
|~リョウ・サカザキ|ははは、俺は正直に言ってるだけだ。&br;料理、楽しみにしてるぞ。|
|~〇×|(リョウさんの野菜、絶対美味しいに決まってる!&br;私も腕によりを掛けて作らなきゃ!)|
#endregion
 


-----
**温泉合宿 [#SR03]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|ふう……。&br;良い湯だ。|
|~リョウ・サカザキ|山も海も備えた町だと、&br;修行にも精が出るな。|
|~リョウ・サカザキ|しかし――|
|~リョウ・サカザキ|(〇は、大丈夫だったんだろうか。)|
|~リョウ・サカザキ|(昼間、修行場に行くまでに&br;急な坂で転びかけたとロバートに聞いた。)|
|~リョウ・サカザキ|(俺は走り込みがてら、&br;先に進んでしまっていたが……。)|
|~リョウ・サカザキ|(俺たち格闘家はまだしも、慣れていない女性を&br;連れて行くのはやはりやめるべきだったか。)|
|~リョウ・サカザキ|(いや、しかし……修行を支えたいという&br;あいつの努力も意思も捨て置けん。)|
|~リョウ・サカザキ|いかん、考え事をしていると&br;のぼせてしまうな……。|
|~リョウ・サカザキ|ふぅ……。|
|~リョウ・サカザキ|あとで、〇に具合はどうか聞いてみることにしよう。|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|あ、リョウさん!|
|~リョウ・サカザキ|〇!?&br;ど、どうしたんだこんなところで。|
|~〇×|お風呂あがりに、&br;少しここで涼んでいこうかと思ったんです。|
|~リョウ・サカザキ|ああ……そうか、&br;湯冷めしないように気を付けろよ。|
|~〇×|はい、すぐ戻ろうと思います。&br;リョウさんもおやすみなさい!|
|~リョウ・サカザキ|あ、ああ……おやすみ。|
|~リョウ・サカザキ|……と、つい戻ってきてしまったが……。|
|~リョウ・サカザキ|(いや、俺は〇に&br;足の具合を聞こうと思ったというのに……!)|
|~リョウ・サカザキ|(見慣れない湯上りの姿に&br;つい戸惑ってしまった……。)|
|~リョウ・サカザキ|……っ。|
|~リョウ・サカザキ|〇!&br;ちょっといいか。|
|~〇×|あれ、忘れものですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや、違う。その……昼間足を挫きかけていたと&br;ロバートに聞いてな。|
|~リョウ・サカザキ|平気だったか?&br;足は痛まないか?|
|~〇×|あっ、もう大丈夫です……!&br;むしろ足手まといになってすみません。|
|~〇×|もっと鍛えます!|
|~リョウ・サカザキ|いや、あんたの努力は充分に&br;俺たちに伝わっている。|
|~リョウ・サカザキ|あんたが無事なら、それで良いんだ。|
|~〇×|リョウさん……ありがとうございます。&br;心配してくれたんですね。|
|~リョウ・サカザキ|心配するに決まっている!&br;むしろ……俺があんたの一番傍にいるべきだった。|
|~リョウ・サカザキ|あんたは、俺の大事な……。|
|~〇×|……!|
|~リョウ・サカザキ|いや、ええと……。|
|~リョウ・サカザキ|……コホン。&br;〇、よかったら……俺の部屋に来ないか?|
|~リョウ・サカザキ|昼間は傍にいられなかった分、&br;今少しだけあんたと共に過ごしたいんだ。|
#endregion
 


-----

**夜デート [#SR04]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|〇、用意はできたか?|
|~〇×(主人公)|あっ――すみません、&br;お待たせしてしまって……!|
|~リョウ・サカザキ|いや、慌てることはない。&br;すまないな、急かすつもりはなかったんだが。|
|~リョウ・サカザキ|女性は色々と準備があるものだろう?&br;ゆっくりで構わない。|
|~〇×|ありがとうございます……。|
|~〇×|(リョウさん、落ち着いてるせいか、&br;すごく大人っぽい……スーツも似合ってる。)|
|~〇×|(どうしよう、なんだか緊張してきちゃった……。)|
|~リョウ・サカザキ|……〇?&br;さっきから口数が少ないようだが、どうかしたか?|
|~リョウ・サカザキ|もしかして、今夜の食事……気が乗らないか?|
|~〇×|い、いえ、そんな! 違います!&br;今夜のこと、ずっと楽しみにしてましたから!|
|~〇×|ただ、リョウさんと一緒だと思うと、&br;緊張してしまって……。|
|~リョウ・サカザキ|緊張……? 俺と出かけることに、か?|
|~〇×|だって、リョウさんすごく素敵だから……。|
|~リョウ・サカザキ|……っ。|
|~〇×|リョウさん?|
|~リョウ・サカザキ|あ……す、すまない。&br;〇が可愛らしいことを言うものだから、つい……。|
|~〇×|か、かわい……!?|
|~リョウ・サカザキ|あ、いや……コホン。しかし、食事を楽しむのに、&br;緊張したままというのもよくないな。|
|~リョウ・サカザキ|〇。少し、付き合ってくれるか?|
#endregion

 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|ここ、素敵な庭ですね。|
|~リョウ・サカザキ|この料亭は料理も人気だが、庭園も評判なんだ。&br;手入れがよく行き届いていて、雰囲気もいいと。|
|~〇×|本当にそう思います。&br;歩いてると、和やかな気分になってきました。|
|~リョウ・サカザキ|……よかった。&br;どうやら、緊張がほぐれてきたみたいだな。|
|~〇×|あ……は。すみません、&br;気を遣ってもらっちゃって……。|
|~リョウ・サカザキ|なに、これくらい大したことじゃない。|
|~リョウ・サカザキ|それに……その。&br;大切な相手を気遣うのは、当然のことだろう……?|
|~〇×|リョウさん……。|
|~リョウ・サカザキ|――こ、こら。&br;そんなにこっちを見るな。|
|~リョウ・サカザキ|〇に見つめられると、&br;今度は、俺の方が緊張してきてしまう……。|
|~〇×|ふふ……じゃあ、リョウさんも落ち着くまで、&br;もう少し散歩しましょうか。|
|~リョウ・サカザキ|しかし、疲れてきてはいないか?&br;そろそろ腹も減ってくるだろう。|
|~〇×|大丈夫です。それに……。&br;大切な人を気遣うのは、当然でしょう?|
|~リョウ・サカザキ|……っ!|
|~リョウ・サカザキ|ま、参ったな……。&br;しかし、そう言ってくれるなら――|
|~リョウ・サカザキ|……〇。もう少し、&br;このままふたりきりでいさせてくれ……。|
#endregion
 


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**KOFG学園 [#SR05]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(ふう……流石にクラス全員分のノートとなると、重いなあ。&br;でも、今日は日直だし、私が職員室まで運ばないと。)|
|~〇×|(うーん……足元がよく見えなくて、階段が降りづらいな……。)|
|~〇×|あっ! 足が――|
|~???|危ない!|
|~〇×|(あ、危なかった……階段を踏み外しかけるなんて。&br;助けてもらえなかったら、今頃――)|
|~???|大丈夫だったか?|
|~〇×|は、はい。ありがとうございま――|
|~〇×|(わっ……私、男の人の胸に……!)|
|~〇×|す、す、すみません!|
|~???|……! あ、ああ……気にすることはない。|
|~???|俺も、とっさのこととはいえ、&br;女子を無遠慮に抱き寄せてしまうとは……。|
|~???|ゴホン! ……怪我はなかったか?&br;足を捻ったりはしていないか。|
|~〇×|はい、なんともないです。&br;――えっと……。|
|~リョウ・サカザキ|3年のリョウ・サカザキだ。&br;何事もなくて、よかった。|
|~〇×|リョウ先輩、ですね。本当にありがとうございます。&br;私、2年の〇×です。|
|~リョウ・サカザキ|〇か。礼には及ばない。|
|~リョウ・サカザキ|しかし、あんたが運んでいたノートが散らばってしまったな。&br;階段の下にまで……すまないことをした。|
|~リョウ・サカザキ|もう少し早く気づいて呼び止めていれば、&br;こうならずに済んだだろう。俺の至らなさだ。|
|~リョウ・サカザキ|拾ってくる。ここで待っていてくれ。|
|~〇×|いえ、落としたのは私ですし、&br;私が拾います!|
|~〇×|(リョウ先輩……真面目で、自分に厳しい人みたい。)|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|ノートはこれで全部だな。|
|~〇×|結局手伝ってもらう形になってしまってすみません。&br;本当に助かりました。|
|~リョウ・サカザキ|構わない。しかし……これを全て、&br;〇一人で運んでいくところだったのか?|
|~〇×|はい。私、今日、日直なので……。|
|~リョウ・サカザキ|そうか。だが女子一人に、この量は重いだろう。|
|~〇×|本当はもう一人、日直がいるんですが――|
|~リョウ・サカザキ|まさか……そいつに全部を押し付けられたのか!?|
|~〇×|えっ!? ち、違いますよ!&br;その子、体調を崩してしまって、早退したので……。|
|~リョウ・サカザキ|そ、そうだったのか……早とちりをして、すまない。|
|~〇×|(リョウ先輩、曲がったことが嫌いそうだなあ。)|
|~リョウ・サカザキ|なるほどな……しかし、やはり一人で運ぶのは大変だろう。&br;俺も半分持っていこう。|
|~〇×|そんな、悪いですよ。|
|~リョウ・サカザキ|遠慮することはない。&br;さあ、こっちにもう少し寄越してくれ。|
|~〇×|(あ……半分って言ってたけど、&br;先輩が半分以上持ってくれてる。)|
|~リョウ・サカザキ|それにしても、〇はえらいな。&br;任されたことを一人でもこなそうとするのは、感心できる。|
|~リョウ・サカザキ|だが、人を頼ることも時には必要だ。&br;無理をして己だけで背負い込めば、悪い結果を招くこともある。|
|~〇×|そうですよね……さっきも足元が見えなくて、&br;階段を踏み外しそうになりましたし。|
|~〇×|リョウ先輩にも、ご迷惑をおかけして……。|
|~リョウ・サカザキ|あ……いや、あんたを責めているわけではないんだ。|
|~リョウ・サカザキ|……すまない。つい説教臭くなってしまった。&br;俺の悪い癖だ……。|
|~〇×|いえ、そんなことありません。&br;リョウ先輩のお話、ためになります。|
|~リョウ・サカザキ|そ、そうか……?|
|~〇×|はい。今後は無理をせずに、人を頼ろうと思います。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、それがいいだろう。|
|~リョウ・サカザキ|もし、頼れそうな相手が見つからない時は……。&br;俺に声をかけてくれてかまわない。|
|~リョウ・サカザキ|あんたの力になる。|
#endregion
 


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**誘いの悪魔 [#SR07]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(うーん、ウェディングドレスって落ち着かないな……。)|
|~リョウ・サカザキ|〇……その、すまない。&br;まさかこのようなことになるとは……。|
|~〇×|え!? そんな、リョウさんが謝ることじゃないですよ……!|
|~〇×|(確かに、ブライダル広告の撮影に出演するリョウさんに、&br;差し入れに来たら――)|
|~〇×|(急きょ花嫁役の代役を頼まれるなんて、&br;想像もしていなくてびっくりしたけど……。)|
|~〇×|それに、こんな機会滅多にないですし、&br;ちょっと嬉しいです。|
|~リョウ・サカザキ|そうか。brそう言ってくれると助かる。|
|~リョウ・サカザキ|それに、その、なんというか、実は……。&br;俺は、〇が相手になってよかったと思っている。|
|~〇×|えっ……?|
|~リョウ・サカザキ|この撮影、実は緊張していたんだ。&br;こんな形でカメラの前に立つのは、あまりないしな……。|
|~リョウ・サカザキ|だが、〇と一緒なら何とかなる気がする。&br;あんたが隣にいてくれるのは、心強い。|
|~〇×|(リョウさん……そんなふうに言ってもらえると、嬉しいな。)|
|~カメラマン|新郎、顔がカタいよー! 肩の力抜いてー!|
|~リョウ・サカザキ|う、くっ……こ、こうか……?|
|~〇×|リョウさん、深呼吸してみてください。|
|~リョウ・サカザキ|あ、ああ……。&br;ふーっ――|
|~リョウ・サカザキ|――うむ、少し落ち着いてきた。&br;感謝する、〇。|
|~カメラマン|いいねいいねー!&br;じゃ、イイ感じになってきたところで、そろそろ――|
|~カメラマン|キサマには消えてもらうぞ、リョウ!!|
|~リョウ・サカザキ|!!|
|~〇×|え? 今、なんて――|
|~〇×|(って、ええっ!? カメラマンさんの姿が、&br;いつのまにか悪魔みたいに変わってる!?)|
|~悪魔?|ケーケケケ!! もう逃げられんぞ!&br;キサマの悪運もここまでだぁ!|
|~〇×|(あっ! 他のスタッフも同じ姿に!?&br;か、囲まれてる……!?)|
|~〇×|(何これ、夢!?&br;とにかく、リョウさんと一緒に逃げないと!)|
|~リョウ・サカザキ|――迂闊だった。&br;奴らの手がここまで伸びているとは……。|
|~〇×|え……リョウさん?|
|~リョウ・サカザキ|〇、下がっていろ。|
|~〇×|まさか、戦うつもりなんですか!?&br;無茶です! あの人たち、人間じゃないですよ!|
|~リョウ・サカザキ|ああ。こいつらは人ならざる者――悪魔だ。|
|~〇×|あ、悪魔……?|
|~リョウ・サカザキ|悪魔が相手なら、真の力を使わざるを得ない……!|
|~〇×|リョウ、さん……!?|
|~リョウ・サカザキ|いくぞ! はあぁー―ッ!!|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|ううむ、何匹か取り逃したようだ……。|
|~〇×|(す、すごい……あんなにたくさんいた悪魔を、&br;リョウさんひとりで……。)|
|~〇×|(というか、リョウさんの翼、&br;あの悪魔たちと同じ……?)|
|~リョウ・サカザキ|……〇。今まで黙っていて、すまなかった。|
|~リョウ・サカザキ|俺は人間ではない。奴らと同じ、悪魔だ。|
|~〇×|リョウさんが、悪魔……。|
|~リョウ・サカザキ|俺は悪魔でありながら、魔界を裏切った身。|
|~リョウ・サカザキ|魔界のみならず人間界をも支配しようと企む、&br;魔王の強引なやり方に疑問を抱き、反旗を翻した。|
|~リョウ・サカザキ|そして人間界に留まり、&br;こちらの世界に攻めてくる悪魔たちと戦ってきた。|
|~〇×|じゃあ、リョウさんは私たち人間のために……。|
|~リョウ・サカザキ|俺は人間を好ましく思っている。その気持ちは、&br;あんたと出会ってからより強くなったんだ、〇。|
|~〇×|私と?|
|~リョウ・サカザキ|いつも己に出来ることを懸命につとめ、&br;常にまっすぐで……俺には、あんたがとても眩しく見える。|
|~リョウ・サカザキ|〇が生きるこの世界を守りたい。&br;いつしか、そう思うようになったんだ。|
|~〇×|リョウさん……。|
|~リョウ・サカザキ|あんたを戦いに巻き込みたくはなかったんだが――|
|~リョウ・サカザキ|さっき逃げていった奴らが、きっと魔王に報告するだろう。&br;〇のことも……俺にとって、大事な存在であることも。|
|~リョウ・サカザキ|これから先、あんたは狙われることになるかもしれない。&br;本当にすまない……。|
|~〇×|リョウさんが謝ることじゃありませんよ。|
|~リョウ・サカザキ|〇……。|
|~リョウ・サカザキ|あんたに約束しよう。必ず守り抜いてみせる。&br;たとえ、この身にかえても。|
|~〇×|(リョウさんの気持ちは、すごく嬉しい。でも――)|
|~〇×|私、守られているだけなんてイヤです……!|
|~リョウ・サカザキ|何……?|
|~〇×|私に出来ることは少ないかもしれないけれど……。&br;私も、リョウさんと一緒に戦います!|
|~リョウ・サカザキ|……! 〇……。|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう。やはり、俺の目に狂いはなかった。&br;……〇がいてくれてよかった。|
|~リョウ・サカザキ|共に人間界を守っていこう、〇!|
|~〇×|はい、リョウさん!|
#endregion
 


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**強さと優しさを [#SR08]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×(主人公)|(戦国時代にタイムスリップしちゃうなんて、どうなることかと&br;思ったけど……村の人たちが迎え入れてくれて、助かったなあ。)|
|~〇×|(物の怪を退治して、みなさんに恩返しをしないと。)|
|~リョウ・サカザキ|ううむ……。|
|~〇×|リョウさん?&br;難しい顔をして、どうかしましたか?|
|~リョウ・サカザキ|〇か。いや、実はな……。|
|~リョウ・サカザキ|どうも俺は、子どもたちに怖がられているらしい。|
|~〇×|えっ、そうなんですか?&br;どうしてでしょう……。|
|~リョウ・サカザキ|恐らく、見慣れない外見で、近づきがたいのだろう。|
|~〇×|……なるほど。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。中には俺を見て、&br;鬼のようだと泣いてしまった子もいてな……。|
|~〇×|(それは……リョウさん、ちょっとショックだっただろうな。)|
|~リョウ・サカザキ|村に滞在させてもらえるのはありがたいことだが、&br;ここにいる間、子どもたちを怖がらせてしまうのは忍びない。|
|~リョウ・サカザキ|何とか受け入れられたいものだが、どうしたものか……。|
|~〇×|(リョウさんと子どもたちが仲良くなれるように、&br;私にも手伝えることはないかな?)|
 
|①|>|CENTER:~一緒にいるところを見せる|
|~|~〇×|私がリョウさんとなるべく一緒にいるようにすれば、&br;怖い人じゃないってわかってもらえないでしょうか?|
|~|~リョウ・サカザキ|確かに、〇には子どもたちも懐くだろうが……。&br;それでは、あんたに面倒をかけてしまうだろう。|
|~|~〇×|全然そんなことないですよ。&br;リョウさんと一緒にいると、頼もしくて安心しますし。|
|~|~〇×|きっと、そういう気持ちを&br;みんなもわかってくれると思います。|
|~|~リョウ・サカザキ|そ、そうか……。|
 
|②|>|CENTER:~リョウさんのことを伝える|
|~|~〇×|私から子どもたちに伝えてみましょうか?&br;リョウさんは怖くないよって。|
|~|~リョウ・サカザキ|それは……ありがたいことだが、何やらこそばゆいな……。|
 
|~リョウ・サカザキ|子どもたちとの接し方を一緒に考えてくれて、感謝する。|
|~リョウ・サカザキ|だが、これも修行だ。どうすれば彼らと打ち解けられるか、&br;己自身でも考えてみよう。|
|~〇×|きっとみんな、受け入れてくれますよ。&br;リョウさんは優しい人ですから。|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう、〇。|
|~リョウ・サカザキ|子どもたちの中には、&br;見慣れないよそ者を警戒している子もいるのだろう。|
|~〇×|物の怪のせいで、怖い目に遭っているせいでしょうか。|
|~リョウ・サカザキ|そうだろうな。物の怪が出るようになってからは、&br;ろくに外で遊べていないらしい。|
|~〇×|可哀想ですね……。|
|~リョウ・サカザキ|ああ……子どもたちが何の心配もなく、&br;元気に遊べるようにしてやりたいものだ。|
|~リョウ・サカザキ|そのために、早く物の怪を退治してしまわなくては。|
|~リョウ・サカザキ|いつの時代でも、&br;子どもたちが安心して暮らせるのが一番だからな。|
|~〇×|(こんなふうに子どもたちのことを考えてあげて、&br;リョウさんはやっぱり優しい人だな。)|
|~〇×|(子どもたちにも、&br;リョウさんの気持ちが伝わればいいんだけど……。)|
#endregion


 
''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~子どもたち|えいっ! やあっ!|
|~リョウ・サカザキ|いいぞ、その調子だ!|
|~〇×|(子どもたち、なんだか賑やかだな。&br;リョウさんの声も聞こえる……様子を見に行ってみよう。)|
|~リョウ・サカザキ|腰を落とし、体を安定させるんだ。&br;そして、拳を真っ直ぐ前に突き出す!|
|~村の子A|こうかな……えいっ!|
|~リョウ・サカザキ|そうだ。なかなか筋がいいな!|
|~村の子A|へへっ、やったあ!|
|~村の子B|ねえねえ、ぼくは!?&br;ぼくも見てよ!|
|~リョウ・サカザキ|ははっ、わかったわかった。&br;順番に見るから、待っていてくれ。|
|~〇×|(リョウさんと子どもたち、仲良くなってる!&br;いつの間に――)|
|~村の子A|あっ、おねえちゃん!|
|~村の子B|見て! お兄ちゃんみたいに強そうでしょ!&br;えいっ! たあっ!|
|~〇×|ふふっ、本当だ。すごいね。|
|~〇×|リョウさん。&br;子どもたち、すっかり懐いてくれたんですね。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、受け入れてもらえたようだ。|
|~リョウ・サカザキ|鍛錬をしていたら、&br;この子たちが様子をうかがっていることに気がついてな。|
|~リョウ・サカザキ|興味を持ったようだから、&br;武道の型を教えようと誘ってみたんだ。|
|~リョウ・サカザキ|最初は遠慮がちだったが、だんだん夢中になって、&br;俺にも慣れてくれたらしい。|
|~〇×|よかった。子どもたち、楽しそうです。|
|~リョウ・サカザキ|うむ。武道に興味を持ってくれたのも、嬉しいことだ。|
|~リョウ・サカザキ|この子たちが強くなれば、&br;いざという時、己の身を守ることができるだろう。|
|~リョウ・サカザキ|家族や友人、大事な者のことも――きっと守れるようになる。|
|~村の子A|うんっ! おれ、母ちゃんを守ってあげるんだ!|
|~村の子B|ぼくも、弟や妹を守る!|
|~リョウ・サカザキ|よし、その意気だ!|
|~〇×|(リョウさんが子供たちを見つめる眼差し……。&br;すごく穏やかで、優しくて、まるで――)|
|~〇×|まるで、お父さんみたいですね。|
|~リョウ・サカザキ|お父さん……俺が、か?|
|~リョウ・サカザキ|ふむ……なるほど。&br;子を持つというのは、確かにこういう気分なのかもしれない。|
|~〇×|リョウさんみたいなお父さんに育てられた子は、&br;勇気のある強い子になると思います。|
|~リョウ・サカザキ|……あんたも、良い母親になると思うぞ。|
|~〇×|私? そうでしょうか。|
|~リョウ・サカザキ|ああ……気立てもいいし、料理も上手い。&br;誰かを大切に想う気持ちも知っている。|
|~リョウ・サカザキ|あんたが母親なら、&br;子どもはきっと、優しい人間に育つだろう。|
|~村の子A|じゃあ、お兄ちゃんが父ちゃんで、&br;お姉ちゃんが母ちゃんになればいいよ!|
|~〇×|えっ……!|
|~リョウ・サカザキ|なっ!? な、何を言っているんだ!|
|~村の子B|あーっ、お兄ちゃんの顔、赤くなってる!|
|~村の子A|やーい! 照れてる照れてる!|
|~リョウ・サカザキ|こ、こら、やめないか!&br;大人をからかうものじゃない!|
|~〇×|(リョウさんと子どもたち、&br;すっかり仲良くなって、よかったなあ。)|
|~〇×|(それにしても――&br;リョウさんがお父さんで、私がお母さんか……。)|
|~〇×|(……私もちょっと、顔が熱くなってきちゃったな……。)|
#endregion

 
''スペシャル''
#region(ネタバレ注意)
EPISODE:さくらんぼ狩りデート ~リョウ・サカザキ編~
|~〇×|――あ、こっちにも!&br;さくらんぼがたくさんなってますよ、リョウさん!|
|~リョウ・サカザキ|はは、そうだな。&br;ん? あそこになっているさくらんぼ……どれもうまそうだ。|
|~〇×|ほんとですね! 採ってみます。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。足元には気をつけてくれ。|
|~〇×|はい。脚立、支えてくださって&br;ありがとうございます。|
|~〇×|(リョウさんと、さくらんぼ狩りに来れて嬉しいな。&br;こんなにたくさん採れたし……。)|
|~〇×|このまま食べてもいいですけど、&br;タルトなんかのお菓子にするのもいいかもしれませんね。|
|~リョウ・サカザキ|いいな、あんたが作る菓子はうまいからな。|
|~〇×|ありがとうございます! 道場に帰……って、わっ! 蜂……!|
|~リョウ・サカザキ|〇!?|
|~〇×|(……!? 足が滑――)|
|~リョウ・サカザキ|危ない!!|
|~リョウ・サカザキ|っ……!&br;大丈夫かっ!?|
|~〇×|いたたた……。&br;すみません、リョウさん……。|
|~リョウ・サカザキ|怪我はないか?|
|~〇×|は、はい、大丈夫です。|
|~〇×|(リョウさん……凄く真剣な表情。)|
|~〇×|抱きとめてくださって、ありがとうございます。|
|~リョウ・サカザキ|礼を言われるほどのことじゃない。&br;〇が無事でよかった。|
|~〇×|……あ、その、もう大丈夫ですから、降りますね。|
|~リョウ・サカザキ|焦らなくていい。|
|~〇×|ええと、でもちょっと……恥ずかしくて。|
|~リョウ・サカザキ|そ、そうか。すまない……。|
|~〇×|あ、いえ!&br;そもそも私がバランスを崩したせいなので……。|
|~〇×|あっ! さくらんぼ……全部落としちゃいました……。|
|~リョウ・サカザキ|……ああ。さくらんぼまでは気がまわらなかったな。|
|~〇×|(……これ食べられるかな?)|
|~リョウ・サカザキ|どうした? 〇。|
|~〇×|このさくらんぼ、食べられるでしょうか……?&br;一応、拭いたんですけど……。|
|~リョウ・サカザキ|…………。|
|~〇×|(えっ! リョウさん私の手から直接……!)|
|~リョウ・サカザキ|うん。うまいぞ。&br;ほら、〇も食べてみろ。|
|~〇×|えっ! んぐっ……ん……おいしいです!|
|~リョウ・サカザキ|だろう? 潰れてしまったものは菓子にでもすればいいさ。|
|~リョウ・サカザキ|俺は〇の作る菓子も楽しみにしてるぞ。|
#endregion
 
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**雨がもたらすひと時 [#SR09]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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#endregion
 


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**無人島ロマンス [#SR10]
''1話''
#region(ネタバレ注意)

|~〇×|夜の無人島って、暗くて不気味ですね。&br;こんな場所で肝試しなんて……。|
|~リョウ・サカザキ|突然リゾートへの招待状が届くとは、何か裏があるのではと&br;思っていたがともかく、進むしかなさそうだ。|
|~リョウ・サカザキ|危険な仕掛けがないとも限らん。&br;〇、俺から離れないようにしてくれ。|
|~〇×|は、はい……!|
|~〇×|わっ!?何――!?|
|~リョウ・サカザキ|落ち着け、ただの人形だ。枝に結び付けておいて、&br;人が通ると落ちてくる仕掛けなんだろう。|
|~〇×|リョウさん、すごく冷静ですね……。|
|~リョウ・サカザキ|心頭滅却すれば、火もまた涼し。&br;日頃から修行していれば、多少のことで動じはしない。|
|~〇×|(さすがリョウさん、頼もしい……。&br;私も、もっとしっかりしなくちゃ!)|
|~リョウ・サカザキ|ふむ……仕掛け自体は巧妙だが、&br;驚かす以上のものではないらしい。|
|~リョウ・サカザキ|どうやら、危険はなさそうだ。&br;このまま進んでいこう。|
|~〇×|きゃっ!こ、今度は草むらから何かが……!?|
|~〇×|って、なんだ、虫か……。&br;けっこう大きいバッタだったなあ。|
|~リョウ・サカザキ|バ、バッタ……!?|
|~〇×|リョウさん?どうかしましたか?|
|~リョウ・サカザキ|いや――なんでもない。|
|~〇×|(どうしたんだろう?さっきまですごく落ち着いてたのに、&br;なんだか顔色が悪いような……。)|
|~〇×|あ、さっきのバッタがリョウさんの肩に……。|
|~リョウ・サカザキ|……!!|
|~〇×|(あっ!そういえばリョウさんって――)|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(リョウさん、虫が苦手なんだった……!)|
|~〇×|だ、大丈夫ですか?&br;今、バッタとりますから!|
|~リョウ・サカザキ|くっ……す、すまん……!|
|~〇×|はい、もう大丈夫ですよ。|
|~リョウ・サカザキ|は一っ、助かった……。|
|~〇×|(リョウさん、本当に虫が苦手なんだなあ……。)|
|~リョウ・サカザキ|うう……まったくもって情けない。&br;心頭滅却すれば、などと偉そうなことを言っておいて――|
|~リョウ・サカザキ|まだまだ修行不足だ。あんたにも合わす顔がない|
|~〇×|(リョウさん、顔を隠しちゃった……。)|
|~〇×|あの、気にしないでください!&br;誰にでも苦手なものってありますし――|
|~〇×|それに、なんというか……ちょっと嬉しいんです。|
|~リョウ・サカザキ|嬉しい……?|
|~〇×|リョウさんは落ち着いてて、何事にも動じなくて、&br;すごく頼もしいですけど|
|~〇×|私は守られたり、助けられてばかりで、&br;何もできないのかなって思うと、少し寂しかったんです。|
|~〇×|でも、私でも少しはリョウさんを助けられると思うと、&br;なんだか嬉しくて……。|
|~リョウ・サカザキ|〇……。|
|~〇×|だから、私のことも頼ってください!&br;私がリョウさんを虫から守ります!|
|~リョウ・サカザキ|そ、そう言われると、&br;どうにも格好がつかないが……。|
|~リョウ・サカザキ|……ありがとう。&br;あんたのこと、頼りにしている。|
|~リョウ・サカザキ|それに、あんたは気づいていないようだが……。&br;日頃から充分、〇には助けられているぞ。|
|~〇×|リョウさん……。|
|~リョウ・サカザキ|――ゴホン!さ、さあ、先へ進もう。&br;皆、もうゴールに着いているかもしれない。|
|~〇×|はい、行きましょうか。|
|~〇×|(それにしてもさっきのリョウさん、&br;ちょっと可愛かったな……なんて言ったら、怒るかな?)|
#endregion
 


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**夢見Night [#SR11]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|やれやれ、参ったな……。|
|~〇×|リョウさん、どうかしましたか?|
|~リョウ・サカザキ|〇か。実はさっき、洗面所で顔を洗おうとした時に、&br;自分のパジャマを派手に濡らしてしまってな……。|
|~リョウ・サカザキ|このままでは寝られないから、&br;どうにかして乾かそうと思っていたんだ。|
|~〇×|それは大変でしたね――あっ、パジャマなら、&br;誰も使ってないものがあるんですが、使いますか?|
|~リョウ・サカザキ|本当か? すまないが、貸してもらえるとありがたい。|
|~〇×|あ、でも――|
|~リョウ・サカザキ|どうした? 何かまずいのか?|
|~〇×|そのパジャマ、私が着てるのとペアになってる物で……。|
|~リョウ・サカザキ|何……? 今あんたが着ている、&br;そのパジャマと?|
|~〇×|はい。もちろんサイズは男性物なんですが、柄は同じで……。&br;貰い物なんですけど、女性物だけ私が使わせてもらってるんです。|
|~〇×|やっぱり、&br;リョウさんにはちょっと可愛すぎますか……?|
|~リョウ・サカザキ|いや、着られるなら柄は何でも構わない。&br;貸してもらえるか?|
|~〇×|わかりました。|
|~〇×|どうですか、リョウさん?|
|~リョウ・サカザキ|う、ううむ……なるほど。&br;ロバートに見られでもしたら、間違いなくからかわれそうだ。|
|~リョウ・サカザキ|しかし、着心地はなかなか悪くないな。|
|~〇×|(リョウさん、意外と気に入ったのかな?)|
|~リョウ・サカザキ|今夜はこのパジャマを借りるとしよう。&br;助かったぞ、〇。|
|~〇×|よかったです。&br;じゃあ、リョウさんと私、お揃いですね。|
|~リョウ・サカザキ|……! そ、そうか……あんたとお揃い、か。|
|~リョウ・サカザキ|ん? メールだ。いったい誰から……。|
 
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|リョウさんのお父さんから、メールが?|
|~リョウ・サカザキ|ああ。また極限焼肉の手伝いに来てほしいそうだ。&br;それに、妹のユリが会いたがっていると。|
|~リョウ・サカザキ|二人の写真まで添付されている……。&br;さては親父、ユリに携帯の使い方を教わったな。|
|~〇×|リョウさんのご家族、仲がいいんですね。|
|~リョウ・サカザキ|そうだな……昔は色々あったが、今こうして家族の時間を&br;過ごせることは、喜ばしいことだと思う。|
|~〇×|(リョウさん、ご家族のことを大切に想ってるんだなあ。)|
|~〇×|そうだ! メールのお返事に、&br;リョウさんの写真も送りましょうよ。|
|~〇×|元気な姿を見せてあげれば、&br;お父さんも妹さんも安心しますよ。|
|~リョウ・サカザキ|そうだろうか。しかし、携帯の写真機能など、&br;ろくに使ったことがなくてな……。|
|~〇×|大丈夫ですよ。携帯、貸してもらえますか?|
|~〇×|こうして、インカメラの設定にして……。&br;このままボタンを押せば、撮影できます。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど……このボタンか?|
|~〇×|(あっ、リョウさんがすごく近くに……。&br;それに、指が重なって――)|
|~リョウ・サカザキ|……これは!|
|~〇×|ツーショット、になっちゃいましたね。&br;ぶれぶれですけど……。|
|~リョウ・サカザキ|揃いのパジャマでツーショットとなると……。&br;さすがに気恥ずかしいものだな……。|
|~〇×|そう……ですね。&br;でも一緒に写真を撮るってあまりなかったですね。|
|~リョウ・サカザキ|確かに、あまりそういった機会はなかったな。&br;その……〇さえよければ――|
|~リョウ・サカザキ|今度はもっとちゃんとした写真を撮らないか?|
|~〇×|タイマー、セットしました!|
|~リョウ・サカザキ|3、2、1……。&br;――っ!|
|~リョウ・サカザキ|また、タイミングがずれてしまった……&br;俺が半目になってしまっているな……。|
|~〇×|三脚でのタイマー撮影は&br;なかなか難しいですね……。|
|~リョウ・サカザキ|ああ。すまないな、&br;俺があまりにも写真撮影に慣れていなくて……。|
|~〇×|いえ、もう一度挑戦しましょう!&br;タイマーセットしますね。|
|~リョウ・サカザキ|3、2、1……。|
|~〇×|素早くリョウさんの隣に……きゃっ!|
|~リョウ・サカザキ|うおっ……!?|
|~リョウ・サカザキ|大丈夫か、〇!|
|~〇×|はい、でも……。|
|~〇×|(転んでリョウさんに抱き留められたのが&br;写っちゃった……!)|
|~リョウ・サカザキ|これは……。&br;はは! 親父たちには送れない写真だな。|
|~リョウ・サカザキ|だが……よく撮れている。&br;あんたが俺の腕の中に飛び込んできたようだな。|
|~〇×|は、恥ずかしいです……!|
|~リョウ・サカザキ|俺も恥ずかしいが、不思議とそれよりも&br;嬉しい気持ちが勝ってしまう……。|
|~リョウ・サカザキ|この写真は、俺が大切に保存するとしよう。&br;誰にも見せられないからな。|
|~〇×|(二人の記念写真……ちょっと恥ずかしいけど、&br;お揃いで良い思い出になったかも……。)|
 
#endregion
 


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**ハロウィン [#SR12]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|と、トリックオア……トリート……。&br;お菓子をくれなきゃ、悪戯するぞ……!|
|~リョウ・サカザキ|今のはどうだった?〇。|
|~〇×|ううん……..。&br;やっぱりまだちょっと固いですね。|
|~リョウ・サカザキ|やっぱりダメか。|
|~リョウ・サカザキ|……すまない。&br;やはり慣れないことはしないほうがいいか。|
|~リョウ・サカザキ|練習に付き合わせて悪かったな。|
|~〇×|いえ、私は全然……。だけど、どうしてリョウさんも&br;ハロウィンのイベントに参加することになったんですか?|
|~〇×|(そう、今日は町内会のハロウィンイベントで、子供たちが&br;集まるんだよね。そこにリョウさんも行くみたいだけど……。)|
|~〇×|(あまりこういうイベントに乗るイメージが無かったから&br;参加するって聞いた時は少し驚いたな。)|
|~リョウ・サカザキ|ああ。俺はハロウィンにあまり乗り気ではなかったんだが、&br;包に頼まれてな。|
|~リョウ・サカザキ|お菓子をもらってくればいいだけだ、簡単だから一緒にやろう&br;……と頼み込まれて、断り切れなかった。|
|~〇×|包くんに……。そういうことだったんですね。|
|~〇×|でも、リョウさんは乗り気ではないようですけど、&br;キョンシーの仮装、似合ってますよ。|
|~リョウ・サカザキ|そうか、ありがとう。&br;そう言ってくれるとありがたい。|
|~リョウ・サカザキ|よし。〇のおかげで、少し自信が湧いてきた。&br;そろそろ時間だし、出かけるとするか。|
|~リョウ・サカザキ|それじゃあ〇。トリック・オア・トリート!&br;お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ。|
|~〇×|ふふっ。お菓子ですか?&br;今日はちゃんと用意して――|
|~リョウ・サカザキ|なに!?|
|~〇×|ちゃんと用意したんですが、忘れてきちゃったみたいで....|
|~リョウ・サカザキ|こういう時は、その……。&br;悪戯をしないといけないんだよな?|
|~〇×|えっ!?|
|~〇×|(そ、そうなのかな!?&br;だけど、これは練習だし……。)|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|あ、あのリョウさん!&br;無理に悪戯しなくていいと思いますよ?|
|~〇×|悪戯するっていうのもなんていうか、&br;言葉だけみたいなものでしょうし……。|
|~〇×|それに、これは練習ですし……。|
|~リョウ・サカザキ|……あ、ああ。もちろんそうなんだが、本番でももしかしたら&br;菓子を忘れてきたという子がいるかもしれない。|
|~リョウ・サカザキ|包もそういう時は悪戯をたくさん考えていると言っていたし、&br;みんながやるなら俺もやらないわけにはいかないだろう。|
|~リョウ・サカザキ|……あんたが菓子を忘れた、というまで&br;その場合の対応を考えるのをすっかり忘れていた。|
|~〇×|衣装に台詞に、準備することが多かったですもんね。&br;仕方ないですよ。|
|~リョウ・サカザキ|ありがとう、〇。&br;なあ、あまり時間はないが|
|~リョウ・サカザキ|本当に菓子をもっていない子供がいた時に、どうしたらいいか&br;あんたも一緒に考えてくれないか。|
|~〇×|で、でも私も悪戯にはそんなに詳しくなくて……。|
|~「リョウ・サカザキ|……そうだな。あ、それならこういうのはどうだ?&br;〇が悪戯をされるとして、許せる範囲を教えてくれ。|
|~〇×|私がされる悪戯ですか?うーん、そうですね……。&br;ハロウィンの悪戯なので、例えば……。|
|~〇×|衣装に合わせて、キョンシーっぽい悪戯をされたら&br;許しちゃうかもしれません。|
|~リョウ・サカザキ|キョンシーっぽい悪戯?&br;ふむ、確かにそうだな。と言うと……。|
|~リョウ・サカザキ|噛んだ相手もキョンシーになる、&br;とかそういうことでいいのか?|
|~〇×|えっ?&br;か、噛むんですか?|
|~〇×|(リョウさんに噛まれるなんて、想像しただけで&br;ドキドキしてきちゃったかも……!)|
|~リョウ・サカザキ|……!|
|~リョウ・サカザキ|いや、噛まない!&br;俺があんたを噛むなんて、そんな悪戯はしないぞ!|
|~〇×|そ、そうですよね……!|
|~リョウ・サカザキ|はあ……こんなに困るなんて、&br;まるで俺のほうが悪戯されてる気分だ……。|
|~リョウ・サカザキ|まったく、悪戯なんて何が楽しいのかさっぱりわからん。&br;しかし……。|
|~リョウ・サカザキ|あんたのその表情を見ていると、&br;少しだけ悪戯が好きな奴らの気持ちも、わかるかもしれんな……。|
#endregion
 
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**1stアニバーサリー [#SR13]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|〇、せっかくの休日だ。&br;何かしたいことはないか?|
|~〇×|したいこと……。&br;外に出て自然を楽しむ……とかでしょうか。|
|~リョウ・サカザキ|なるほど……わかった。&br;では、出かける用意をしてくれ。|
|~〇×|えっ?|
|~リョウ・サカザキ|ちょうどいい場所に心当たりがある。|
|~〇×|わあ、馬がたくさん……!|
|~リョウ・サカザキ|ここは俺が時折来る牧場だ。自然にも馬にも&br;触れ合えるから、あんたの希望に沿えると思ってな。|
|~〇×|リョウさん……ありがとうございます!&br;私、馬をこんなにたくさん見るのは初めてです。|
|~リョウ・サカザキ|ここの馬は特に人に慣れているからな。&br;……こうして撫でるのも許してくれるんだ。|
|~〇×|わ、本当。気持ち良さそうに目を細めてますね。|
|~リョウ・サカザキ|だろう?&br;……よしよし、いい子だ。|
|~〇×|(リョウさん、すごく優しい顔……。&br;ちょっとだけ馬が羨ましいかも。)|
|~リョウ・サカザキ|ん? どうした?|
|~〇×|い、いえ、私も撫でてみたいなと思って。|
|~リョウ・サカザキ|ああ、撫でてみるといい。|
|~リョウ・サカザキ|この馬はとても大人しいし、怖がらせないように &br;ゆっくり手を近づければ問題ない。|
|~〇×|はい、やってみます!|
|~〇×|(わ、本当に大人しい。&br;毛並みもツヤツヤでサラサラ……。|
|~リョウ・サカザキ|どうだ?|
|~〇×|すごく癒されます!&br;馬ってこんなに可愛いんですね。|
|~リョウ・サカザキ|だろう?&br;せっかくだし乗ってみるか?|
|~〇×|えっ!|
#endregion

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''2話''
#region(ネタバレ注意)
|~〇×|(ま、まさか乗馬することになるとは……。|
|~リョウ・サカザキ|そっちの鐙(あぶみ)にもしっかり足をかけるんだ。|
|~〇×|こ、こうでしょうか……? &br;わわっ! た、高い……!|
|~リョウ・サカザキ|落ち着け。俺がちゃんと支えているから大丈夫だ。|
|~〇×|(リョウさん、頼もしい……。)|
|~リョウ・サカザキ|背筋をピンと伸ばしてみろ。&br;そして、下ではなく前方を見るんだ。|
|~〇×|は、はいっ。|
|~〇×|(あれ? さっきまでと同じ風景なのに &br;なんだか見え方が違う……。)|
|~リョウ・サカザキ|視界が高いぶん、視野が広くなった気がするだろう。|
|~〇×|はい。不思議と解放感があります。|
|~リョウ・サカザキ|それが乗馬の醍醐味だ。さ、歩かせるぞ。&br;少し揺れるからしっかり掴まっていろ。|
|~〇×|はい!|
|~〇×|(……わ、思ったより振動が少ないかも。&br;風が気持ちいい……。)|
|~リョウ・サカザキ|……肩の力も抜けてきたようだな。|
|~〇×|リョウさんが安心させてくれたおかげです。&br;乗馬ってこんなに清々しくて、楽しいものなんですね。|
|~リョウ・サカザキ|そう言ってもらえると、提案してみた甲斐もある。|
|~〇×|ふふ。……あなたも乗せてくれてありがとう。&br;さっきまで上でうるさくしちゃってごめんね?|
|~リョウ・サカザキ|馬は気にしていないらしい。|
|~〇×|言葉がわかるんですか?|
|~リョウ・サカザキ|いや……。だが、あんたにそんなふうに撫でられたら、&br;許してしまうだろうからな。|
|~〇×|ふふ、そうだったら嬉しいです。|
|~〇×|……こんなに穏やかな休日は久しぶりです。&br;リョウさん、本当にありがとうございます。|
|~リョウ・サカザキ|あんたが望むなら、また何度だって連れて来てやる。&br;いつでも言ってくれ。|
|~〇×|はい!|
#endregion
 

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**新年'21 [#SR14]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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''2話''
#region(ネタバレ注意)
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|①|>|CENTER:~選択肢1|
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|②|>|CENTER:~選択肢2|
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*R [#R_story]
**FOR YOU [#R_01]
''1話''
#region(ネタバレ注意)
|~リョウ・サカザキ|む……やけに明るいな。|
|~リョウ・サカザキ|(ああ、イルミネーションか。&br;そうか、クリスマスが近いから……。)|
|~リョウ・サカザキ|(見事な物だな。ああいった配色を考える者は&br;よほど美的センスに優れているんだろう。)|
|~リョウ・サカザキ|(ふと目に入るだけでも、つい足を止めてしまう。&br;美しいな……。)|
|~リョウ・サカザキ|(そう言えば、以前、〇と行った遊園地も、&br;夜にはイルミネーションが輝いていたな。)|
|~リョウ・サカザキ|(観覧車もライトアップされていて、きれいだと&br;はしゃぐ〇が可愛くて、つい見とれてしまった……。)|
|~リョウ・サカザキ|(また一緒に来ようと、約束もしたんだ。&br;早めに果たしたいものだ。)|
|~リョウ・サカザキ|(……しかし、クリスマスか。&br;〇への贈り物の用意が必要だな。)|
|~リョウ・サカザキ|(最近寒いとこぼしていたし、やはりここは&br;手袋やマフラーなどの防寒具か?)|
|~リョウ・サカザキ|(いや、そういった物は個人の好みもあるだろう。&br;下手な物を贈って困らせる可能性もある。)|
|~リョウ・サカザキ|(ならば、体を鍛えるためのトレーニンググッズ……&br;を、クリスマスに贈るのは色気がないだろうか……。)|
|~リョウ・サカザキ|(だとすると……。)|
|~リョウ・サカザキ|(いかん、知恵熱が出そうだ。&br;いっそ、本人に聞いてしまおうか。)|
|~リョウ・サカザキ|(その場合は上手く聞きださねば。&br;当日に驚かせたほうが、きっと喜んでくれるだろうからな。)|
|~リョウ・サカザキ|……あいつの笑顔を見るのが楽しみだ。|
#endregion


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